東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

News Release

【研究成果】花粉管伸長をサポートする柱頭の乳頭細胞の長さは、湿度に依存し、アブシジン酸に関連したストレス応答で制御されていることを証明、国際科学雑誌「Genes Genet. Syst.」に掲載(12/26)

2018年12月26日 (水)

 経済の落ち着きがない中、平成最後の年末年始に。花粉症に効果がある「カンキツ」があるとか。。。そういえば、愛媛の即売所のようなところで、見かけたことがあるような。。。どこが日本での最初の栽培地かは不明ですが、いずれ、こんなカンキツもあるのだというか、将来の遺伝資源なのか。。。

20181226165516-8925fd09dfe93109ea05f18cc6c8189bec2a5a75.JPG 今年も論文発表が難産でした。細かなことは、また、何かの機会に。。。長い研究人生を考えれば、そんなこともあるのかも知れないですが、一定程度の論文を発表することの重要性を痛感させられた2018年になりました。今回、論文として発表した研究成果は、雌しべの先端にある柱頭の乳頭状突起細胞(乳頭細胞)について。通常扱っているBrassica rapaは短いタイプ。それに対して、モデル植物でもあるArabidopsis thalianaは伸びた形。この差は、どこから出てくるのか。長く伸びている方が、花粉はつきやすいわけです。それを制御しているのは。。。受粉反応の場の理解のためには、重要なことであるわけです。シロイヌナズナをベースに解析をした結果、乳頭細胞の長さは湿度に依存しており、また、ABA(アブシジン酸)に関連したストレス応答によって制御されていることを明らかにしました。植物の生殖の過程にABAが関連しているというのは、新規なことであり、新たな展開が今後期待できるのではと思っています。

 これらの研究成果は、国際科学雑誌「Genes Genet. Syst.」に掲載されました(Takeda et al. (2018) Abscisic acid-mediated developmental flexibility of stigmatic papillae in response to ambient humidity in Arabidopsis thaliana. Genes Genet. Syst. 93: 209-220.)。freeでpdfをdownloadできますので、ご覧頂ければ、幸いです。なお、今回の研究は、京都府大、三重大、大阪教育大との国際共同研究であり、多くの方々の協力の下、この分野としては新たな取り組みとしての研究成果を発表することができました。この研究を基盤として、受粉反応の全体像が見えてくるきっかけになる論文になればと思っております。なお、今回の研究成果は、掲載誌に高く評価頂き、シロイヌナズナの乳頭細胞の電顕写真が表紙に採用されました。これまでも、数回表紙に採用されたことがありますが、とてもありがたいことだと思っております。

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 わたなべしるす