東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

News Release

【研究成果】自家不和合性花粉側S因子SP11が発現しないB. napus系統の解析、国際科学雑誌「Genes Genet. Syst.」に掲載(6/4, 8/31追記)

2020年6月 4日 (木)

 新型コロナvirusの影響もあり、研究室のHPも更新できずで、研究室では何が起きているのか、ご心配の向きもあったと思いますが、世界の大学の研究室で起きていたこととほぼ変わりない「閉鎖」と言うような文字に近いことが。。。いつか、時が過ぎて、振り返ることができる状態になれば、また、お知らせするということで。。。

20200604083558-944c29dbf953cb22b88d28857aa928d0ce6bfc1e.JPG そんな状況下で、これまでに蓄積したdataをまとめて、「原著論文」と言う形で発表するということが暗黙の使命に。native speakerの方に論文を見て、校閲してもらうのですが、その方もこの時期、そんなリクエストが多いと。。。その1つ目として発表できたのが、自家不和合性のB. napus系統の解析。B. napusは、B. rapaとB. oleraceaのゲノムからなる複二倍体。通常は自家和合性なのですが。。。自家不和合性系統を選抜して解析したところ、不思議なことに花粉側S因子SP11が発現していない。つまり、花粉と雌しべの相互作用には、SP11-SRKは異なるシステムが存在しているのか。そんなことへのチャレンジでした。

 これらの研究成果は、国際科学雑誌「Genes Genet. Syst.」に掲載されました(Okamoto et al. (2020) Characterization of self-incompatible Brassica napus lines lacking SP11 expression. Genes Genet. Syst. 95: (advance publication))。vol. 95, No. 2に綴られると思っていますので、また、page番号など分かり次第、追記をしたいと思います。GGSは、freeでpdfをdownloadできますので、ご覧頂ければ、幸いです。なお、今回の研究は、東京大、大阪教育大との共同研究であり、また、数年間の学生さんたちのdataをまとめた1つの形になりました。この研究を基盤として、B. napusの自家不和合性、自家和合性を理解するきっかけになる論文になればと思っております。

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 わたなべしるす


8/31追記:

8/27付けでGenes & Genetic Systems Volume 15 Issue 3 Pages 111-118に収録されました。以下のリンクからご覧ください。

Okamoto, T., Okamoto, M., Hikichi, E., Ogawa, M., Takada, Y., Suzuki, G., ... & Watanabe, M. (2020). Characterization of self-incompatible Brassica napus lines lacking SP11 expression. Genes & Genetic Systems, volume 95(3):111-118.

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