研究組織

計画研究班

他との交雑を可能にする開花時期決定のゲノム動態原理

両性花の他殖の成立に必須な花形成の同期機構には環境応答性の解明が必要である。これまでの解析から、 重複した花形成因子群が異なる環境応答性の発現制御を独立して獲得するという繁殖適応における両性花の形成タイミングに即した挑戦的戦略が見えつつある。
本研究では、まず、cis欠失変異導入に特化したゲノム編集技術により変異系統を網羅的に創出し、重複した花形成遺伝子群のcis制御配列を完全同定し、遺伝子重複と環境応答との相互作用を解析する。共有コア技術として開発済みの責任cis配列予測深層学習系の導入を試み、遺伝子間におけるcis制御因子群の機能分化・新機能獲得の包括的なモデル化を行う。次に、 野生イネと栽培イネの数千系統におよぶ大規模ゲノムデータに基づき、ゲノム中に散りばめられた花形成関連遺伝子群のゲノム多様性をコアレスセント解析し、GWAS解析により両性花形成のタイミング決定の要となった自然変異群の同定を目指す。これらの成果をもとに、光周性花形成分子機構と気温応答との相互作用を明らかにし、光受容体フィトクロムによる特殊な気温応答性の分子機構を解明する。

メンバーリスト

井澤 毅
東京大学 大学院農学生命科学研究科
伊藤 純一
東京大学 大学院農学生命科学研究科

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