研究組織
公募研究班(R7-8)
マンテマ属の性決定遺伝子GSFYの分子進化で解く雌雄異株性の崩壊原理
被子植物は基本的に自殖可能な両性花をもつが、進化の過程で他殖性システムである雌雄異株性や自花不和合性を獲得し、再び自殖性に戻るというパターンを繰り返してきた。しかし、雌雄異株性の獲得と崩壊に関する研究は限られている。我々は、ナデシコ科の雌雄異株植物ヒロハノマンテマにおいて、雌ずいの発達抑制に関与する性決定遺伝子 GSFY を同定し、その進化過程を解明した。具体的には、GSFY がX染色体上のパラログ GSFX の機能喪失を経て、Y染色体上で雌ずいの発達抑制機能を獲得したことを明らかにした。GSFY は雌雄異株植物の祖先とされる雌性両全性異株の近縁種にも保存されており、雌雄異株性をもつ種ともたない種とが混在するマンテマ属全体に広く保存されている。本研究では、GSFYの分子進化を手がかりに、マンテマ属における雌雄異株性の獲得と崩壊の過程を解明することを目的とする。
メンバーリスト
- 風間 裕介
- 福井県立大学 生物資源学部