研究組織

公募研究班(R7-8)

両性花の繁殖様式の確立における核膜融合因子の機能変化の意義

"さまざまな生物の有性生殖では、受精後に両親由来の核が融合して次世代の核が形成する。細胞核は核膜によって囲まれており、植物の有性生殖過程では核膜の融合が核融合に必須である。シロイヌナズナを含む被子植物では、受精後に精細胞と卵細胞の核が直ちに融合する。これに対して基部陸上植物のゼニゴケでは精子による受精が行われ、受精卵中で精子の核が脱凝縮して雄性前核が形成し、これが卵細胞の核と融合する。われわれは、シロイヌナズナ有性生殖過程の核膜融合に必須な核膜タンパク質AtGEX1を同定するとともに、AtGEX1のゼニゴケホモログであるMpGEX1が生殖細胞特異的に発現する核膜タンパク質であること、MpGEX1が受精卵における雄性前核形成過程に必要であることを見いだした。
本研究ではMpGEX1に着目した解析によって、ゼニゴケ受精卵における雄性前核形成機構の解明を目指す。また、AtGEX1(核膜融合)とMpGEX1(雄性前核形成)の異なる機能を実現する分子基盤の解明や、裸子植物GEX1ファミリーの機能解析により、精子から精細胞への雄性配偶子の変化とGEX1ファミリーの機能変化との関連を明らかにする。"

メンバーリスト

西川 周一
新潟大学 理学部

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