研究組織
公募研究班(R7-8)
理論・実証統合研究から探る野生集団における自殖性の平行進化の初期過程
被子植物において、自家不和合性の不活化に伴う他殖性から自殖性への進化は何度も繰り返し起きてきた。その遺伝的背景についてはこれまで主に自殖種シロイヌナズナで研究されてきたが、シロイヌナズナと近縁他殖種との分化が古いため、自殖の進化の初期過程で何が起きたのかを明らかにするには限界があった。アブラナ科植物ハクサンハタザオは、これまでほぼすべての個体が自家不和合性をもつとされてきたが、代表者らの調査から日本では自家不和合性が不活化した自殖性の局所集団が複数存在することが判明し、散発的な自殖性進化が示唆されている。本研究では、詳細な自家不和合性遺伝子座配列解析、集団デモグラフィー解析、分子遺伝学的機能解析、数理モデリング等の統合的アプローチから日本産ハクサンハタザオにおける自殖性の初期進化の遺伝的背景と生態的背景を解明すること通し、自殖性進化を再現・予測するモデル構築を目指す。
メンバーリスト
- 土松 隆志
- 東京大学 大学院理学系研究科