研究組織

ＲＮＡサイレンシングを介した生殖組織・細胞内ダイナミクス

雄しべは、植物の雄の生殖器官で、のちに花粉となる生殖細胞と生殖細胞を取り囲む体細胞層 (葯壁) から構成されています。 生殖細胞の発生は、体細胞層の発生と同調して進行することから、非細胞自律性発生制御機構が示唆されます。 しかし、植物の生殖組織の非細胞自律性発生制御の中心を担う「移動性タンパク質」及び「その分子メカニズム」の中核部分は未解明です。
現在までに、雄しべの発生を制御する三種類のArgonauteタンパク質 (AGO)とsmall RNAを介したイネの雄しべ空間制御システムを明らかにしています。small RNAは、AGOに取り込まれ、これらsmall RNA-AGO複合体は、転写を抑制するサイレンシング機構の中心を担っています。また、 同定した三種類のAGOの中で、体細胞層 (葯壁) から生殖細胞に移動し、small RNAのモバイルキャリアとして機能する候補因子「モバイルAGO」も世界にさきがけて同定しています。 本研究では、雄しべのモバイルAGOとその作動因子による非細胞自律性分子メカニズムを解明します。さらに、核内3D-RNAイメージングとサイレンシングアッセイ系を立ち上げ、small RNAの挙動と機能を明らかにし、生殖組織・細胞内ダイナミクスによる植物の生殖研究を展開します。

メンバーリスト

小宮　怜奈

沖縄科学技術大学院大学 サイエンス・テクノロジー グループ

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