研究組織

公募研究(R5-6)

花粉管の持続的な先端成長を保障する時空間発現調節原理

花粉管の成長制御は、花粉管先端に存在する核の転写が重要であると考えられてきた。しかし驚くべきことに、先端に核を持たない花粉管も長時間に渡り伸長できることが分かり、このことから花粉管には“RNAを効率よく利用して細胞機能を維持するシステム”が存在することが想定される。また幾つかの植物では、両性花における自殖と他殖をRNA分解酵素が規定することが知られており、花粉管中のRNAの運命は、様々な側面から両性花の生殖戦略に影響している。しかし花粉管細胞の内部でRNAがどのようにふるまい、細胞内のどこでどんな制御を受けるのかはほとんど知られていない。
そこで本公募班では、花粉管内のRNA分子の動態に着目し、細胞生物学的なアプローチに加えて、これまでにない分子動力学・ケミカルバイオロジーとの融合研究アプローチから、「時空間レベル」でのRNA観察解析技術の確立に挑戦する。加えて情報学や構造生物学を取り入れた視点から、制御を受けるRNAの共通性を探索する。
そして得られた花粉管細胞内部のRNA動態の知見から、花粉管の類まれな先端成長能力の秘密を分子レベルで解明するとともに、両性花の生殖戦略におけるRNA研究の基盤技術を確立することを目的とする。

メンバーリスト

元村 一基
立命館大学 生命科学部

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