研究組織

被子植物の花粉管受精を革新した鍵分子モジュール群の駆動と創出の原理

被子植物は乾燥した陸上で効率的な受精を行うために、花粉管細胞の先端成長によって精細胞を卵細胞まで直接送り届ける生殖システム「花粉管受精」を進化させた。花粉管受精システムは被子植物が両性花に基づいて生殖を行なうための屋台骨と言えるが、それが実現するために花粉管の一連の挙動がバランスを破綻させることなく調節され続けるための分子機構とその進化動態はこれまで不明である。本公募研究では、花粉管の挙動調節の全てに関与する新規分子ファミリーの発見を糸口として、被子植物の花粉管が精密に駆動する仕組みの理解を目指す。本公募班の遺伝学、分子細胞生物学、生理学といった実験的アプローチにより、被子植物の花粉管が共通して用いる複数の分子モジュール群がどのように関連し合いながら機能しているのかを包括的に理解する。加えて、本領域が推進する生物情報学、構造生物学のアプローチと結び付くことで、花粉管受精システムの革新に関わるゲノム進化動態および分子モジュールの多様性・共通性の根底にある分子原理に迫る。多角的なアプローチを相互に還元させた研究により、両性花の生殖戦略を支える分子の機能と進化の実証的な研究モデルを提示する。

メンバーリスト

武内　秀憲

名古屋大学　トランスフォーマティブ生命分子研究所

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