primerサーチ
2種類のprimerが検索されるため、少々ややこしくなっています。1つは、その3'端について一定の長さが、他のコンティグのどこにもないようなprimerです。これをシーケンスprimerと呼びます。もう1つは、そうでないprimerで、PCR primerと呼びます。前者は、ゲノムを鋳型にしたシーケンス反応に使える可能性が高いと考えられます。前者が見つかった場合、そちらがより良いprimerであるとして優先して使われるようになっています。シーケンスを表示したとき、前者には下線が引かれます。また後者は赤字で示されます。またコンティグのprimerについては、マニュアルで設定することができます。マニュアルで設定したprimerは最優先されます。
なおシーケンスprimerおよびPCR primerは、特異性について注意して検索されています。「run」ボタンを押したとき、各コンティグについて、全コンティグに対するblastnによる相同性検索が実行されます。このとき、ヒットが見られた部分に付いては、primerの検索対象範囲からは除外されます。なお、このヒットの結果に付いては、配列を表示した時に配列のバックグラウンドカラーとして見ることができます。
「run」後、primer search settingボタンを押してwindowを開くと、デザインされたprimerの一覧表を得ることができます(表計算シートに貼付けてください)。
primerサーチのパラメーター
「primer search range」ボックス内の設定
- minimum distance from contig ends: primerをデザインする位置をコンティグの末端から最低何塩基離すかの設定です。あまり近すぎると困るのでこの設定があります。初期値「50 bp」。
- maximum distance from contig ends: シーケンスprimer用の設定です。3'端がユニークなprimerを探す範囲を設定します。あまりコンティグ末端からの距離かはなれると、シーケンス用としては不適当になるためこの設定があります。初期値「300 bp」。
「3' uniqueness among all contigs」ボックス内の設定
- regured unique length at 3' end: シーケンスprimer用の設定です。3'端についてその何塩基がユニークであるかを設定します。例えば12を指定すれば、見つかったprimerの3'端の12塩基は、他のどのコンティグにも存在しないことになります。初期値「11 塩基」
「Tm」ボックス内の設定
- Tm value must exceed: primerのTm値が何60°Cを超える必要があるかを設定します。初期値60°C。
- Tm value calcuation method: Tm値の計算方法を指定します。
「regured contidions」ボックス内の設定
- 3' nucleotide(s): 3'端の塩基について指定します。3'端がGかCとするならSを、AまたはTに続いてCまたはGとするならWSを指定します。初期値WS。
- minimum primer length: primerの長さを最短何塩基にするかを設定します。初期値「15塩基」。
- maximum primer length: primerの長さを最長何塩基にするかを設定します。初期値「30塩基」。
- primer dimer: primerの3'端がどれぐらい自身の3'端と対合しうるかを設定します。例えば末端がGGATCCである場合、6塩基がパリンドローミックということになります。
- clump: GまたはC、あるいは、AまたはTが連続していくつまで並んでいてよいかを設定します。5を指定すれば、例えば「GGCCGG」を含むprimerはNGになります。
- dinucleotide repeat: ある2塩基が何回まで繰り返して良いかを指定します。例えば、3を指定した場合、AGAGAGAGを含むprimerはNGになります。
- trinucleotide repeat: ある3塩基が何回まで繰り返してよいかを指定します。例えば、3を指定した場合、ATCATCATCATCを含むprimerはNGになります。