東北大学・飛翔型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

東北大学・飛翔型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

平成23年度活動ブログ

平成23年度活動ブログ養成講座の活動を記録しています。

2011年7月の記事一覧

2011.07.10

第1回の講義を終えて。。(生命科学・渡辺, 7/8)

 受講生の皆さんへ。生命科学の渡辺でございます。今年度、はじめの講義でしたが、いかがだったでしょうか。開講式があったりで、少し時間が短くなりましたが、講義のあとに多くの鋭い質問があり、また、その数の多かったこと。感動ものでした。ありがとうございました。「自家不和合性」と言う形質は、今回説明したような、花粉と雌しべの相互作用と言うことだけでなく、質問にあったように、どの様にして自家不和合性が失ったのかという、農耕、栽培化、進化と言うことと関係あります。また、その自家不和合性が、自然界の生態系の中でどの様に機能しているのか、また、自家不和合性を失ったときにどの様に広がるかなど、生態学的な側面もあります。今回は時間がなく説明をしなかったですが、花粉認識分子のSP11と雌しべ側認識分子のSRKがどの様な分子構造をとって、それが鍵と鍵穴の関係になっているのかと言うこともあります。これは、化学というか物理というか。

DSCN0824.JPG さらに、今回紹介したアブラナ科植物の場合、例えば、キャベツのなかまの祖先は、地中海沿岸であり、ハクサイ、カブの仲間は、中近東のアフガニスタン、イラン、トルコの当たりが、起源と言われています。そうしたところから、日本に伝播するときに、自家不和合性遺伝子がどの様に機能したかなど。今回説明できないような、他の科学分野との関係が出てきます。ぜひ、そんなことにも考えをむけてみてください。

 それから、皆さんのレポートにもありましたが、意外と、身近なものに気がついていないと言うことです。前日に書いた記事にちょっとした出し物があるとあったように、花のプレゼントを用意しましたが、それに答えることができることが少なかったことです。毎日食べているものの野菜、果物などの花ですが、この様なことを例にとっても、意外と気がついてないというか、みていないことです。毎日の自然の変化を観察する上で、身の回りの植物は、良い材料だと思います。ぜひ、そうしたことに目を向けて、自然の不思議を見つけ、小谷先生が言われていた「自然への畏敬の念」を養ってください。

 質問は、レポートに書いてくれた方もいたかも知れないですが、書き足りない方、遠慮なく、mailで寄せてください。研究室のHPのここにありますので。お待ちしております。

 次回、皆さんと講義でお会いするのは、12月のキャリア教育という、渡辺の人生をモデルとして、皆さん自身の進路を考えると言うことを行いたいと思います。渡辺は、運営も預かっているので、次回のサイクロトロンの見学でもお会いすると思います。そうしたときに質問をしてくれてもかまいませんので。また、お会いしましょう。

DSCN0837.JPG
 わたなべしるす

 PS. 渡辺の研究のHPにも記事を記してあります。ぜひ、ご覧ください。そこから、研究成果などの発表もしていますので。

 また、多くの関係の高校の先生方もいらしておりましたが、今回の講義を聴かれて、出前講義をリクエストいただければ、こちらも幸いです。遠慮なく、mailでご連絡ください。お待ちしております。


個別ページ

1  2

PAGE TOP