東北大学・飛翔型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

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平成23年度活動ブログ

平成23年度活動ブログ養成講座の活動を記録しています。

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2011.09.19

発展コース@HMC 第3回

仙台第二高等学校の岩渕祥璽です。
更新が遅れてしまいましたが、最後の発展コースでの実験をレポートします。

この日行った実験は
1.HMCの吸着量の確認実験
2.Auを吸着したHMCをTU(溶離溶液)によって分離させる溶離実験

の2つでした。

1つ目の実験は、一定時間ごとにHMCがどれぐらいAuを吸着するのかを下の写真の装置を使い行いました。
ピンク色の装置を使い、柱(カラムと呼ばれる)の部分にあるHMCにAu溶液(左下)を流し込みます。
HMCが金を吸着し、溶液が右側の装置(フラクションコレクターと呼ばれる)の中にある試験管に流れていきます。
HMCが吸着出来るAuには限界があるため、次第に右側の装置にはAuが混ざっていきます。
そして、そのAuの量をEDSと呼ばれる、成分中の元素解析をする特殊な装置を使い観察しました。


HMCは実験終了後、

After 実験1 HMCのサムネール画像

このように黄色くなりました。

HMCは、1gあたり1.30mmolの金を吸着することができますが、写真の中にあるHMCでは全てを吸着することはできないため、フラクションコレクターの試験管にAuが混ざった溶液が流れていきます。その溶液をEDSを用いて観察しました。

EDSを用いて観察した結果、次第にAu溶液の濃度は上昇していく、つまりHMCがAuを吸着できなくなることを確認することができました。

2つ目の実験は、金属を吸着したHMCから金属を分離させるという実験です。

この実験ではTU溶液を用いてAuを分離させました。
TU溶液とはThioureaと呼ばれる物質がHClに溶けている溶液です。
この溶液を使って実験を行いました。

金を吸着して黄色くなっていたHMCは実験の後、
HMC/TU処理後のサムネール画像


このように白くなり、Auが分離されているのが確認出来ます。
この実験は約60分続け、TU溶液でAuを分離させましたが、その後特殊な装置を使い、吸着率を測定した結果、約70%の吸着されたAuを分離させることができました。
本当は62時間継続することでほぼ100%になるそうなのですが、時間の制約上1時間のみとなりました。
この実験で、金属を吸着し分離して取り出すことの流れを理解することができました。


以上で、発展コースでのHMCの実験は終了しました。

今回この実験に参加させていただき、今まで知らなかった様々なことを知り、経験を積むことができました。
三村教授の、原発の廃液を利用するという研究の視点、大学に来て初めて使った数多くの実験機材、実験中の会話を全て英語で行ったり、チームとの協力もあったりと、本当に楽しく有意義な3日でした。
そして、自分の中での科学者になりたいという思いも強くなりました。
改めて、3日の間、私達の為にお忙しい中実験をさせてくださった三村教授、Rana先生に厚く御礼を申し上げます。
本当にありがとうございました。





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