先日、NHKのラジオ番組 『宮城イグ☆ナル学園 熱血授業!! きみはニュートリノを見たか!?』の収録に参加させていただきました。
今回、教壇に立つのは東北大学ニュートリノ科学研究センター・センター長 井上邦雄教授(ニュートリノ研究でノーベル賞を受賞した梶田隆章さんのライバルで、我が国の素粒子研究の第一人者!)ということで、「どんなお話がきけるのだろう?」とわくわくしながらの参加でした。
ニュートリノ研究で、日本は多くのノーベル賞を受賞しています。(湯川 秀樹さん、朝永 振一郎さん、小柴 昌俊さんなど)
ではなぜ、ニュートリノを研究するのか?ーそれは、宇宙はニュートリノでできているからだそうです!
私達の体は、突き詰めていくと、アップクォークとダウンクォークと電子の素粒子だと言われています。地球上には、1ccあたりアボガドロ数(約6.02×10の23乗個)程度のすごい量がありますが、宇宙全体で平均すると、1ccあたり1億分の1個ずつくらいしかないそうです。(宇宙は、ほぼ真空状態で、密度はすごく小さいから)
一方、ニュートリノは(3世代すべて集めると)1ccあたり300個程度あると言われます。
つまり、私達の体をつくるクォークや電子は、数で言えば、1ccあたり1億分の1個しかないのに、ニュートリノはその300億倍もあるということになります。これが、非常に重要な意味を持つのだそうです。そのため、宇宙は何でできているか?を考えると、数で言えば、宇宙はニュートリノでできているのだそうです。
また、東北大が誇る「KamLAND-Zen(カムランド禅)」についてのお話も聞くことができました!
「KamLAND-Zen(カムランド禅)」とは、スーパーカミオカンデを作る前まで、東京大学がニュートリノ観測装置として使用していた「カミオカンデ」を改良して東北大が2000年に作った装置です。その目的は、ニュートリノのマヨラナ性を実験的に確認するためニュートリノを伴わない0ν2重β崩壊という現象をとらえることだそうです。
また、この「KamLAND-Zen(カムランド禅)」という名前には、
- Zero neutrino double beta decay searchを意味する
- カムランドのその後という意味のthenと響きが似ている
- キセノン(実験で使用する希ガス)の英語読みXenon〈ゼノ ン〉とも響きが近い
- バッ クグラウンドのない無の境地で宇宙の真理を探るというのは、いかにも「禅」らしい
- 「禅」という漢字がカッコイイので、外国人に人気がある
というたくさんの意味や想いが込められています。
このようなお話の他にも、「そもそも、ニュートリノとは?」「ニュートリノ振動とは?」「スーパーカミオカンデについて」「ニュートリノはマヨラナ粒子か?」などについて、わかりやすい例を交えながら、丁寧に解説していただきました。
【放送予定日】 2016年2月11日(木・祝)16:05〜17:55 NHKラジオ第一(全国で聴くことができます)
もし、興味がある方は、期末テストの合間の息抜きにでも聴いてみてください!個人的には、井上邦雄教授と 参加した仙台一高&仙台三高の生徒達の、レベルの高いトークバトルがオススメです。
投稿者:宮城県仙台第三高等学校