東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

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平成28年度 活動ブログ

平成28年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2017.12.30

東北植物学会に参加して

みなさんお久しぶりです。宮城第一高校2年の櫨聖奈です。今年もあと1日でおわりますね。1年があっという間でびっくりしています。


さて、現在私は重点コースで植物の水分屈性について研究しており、その成果を先日岩手大学で行われた植物学会にて発表してきました。今日は、その学会に参加した時のことを書きたいと思います。

まずは大学院生の方や教授の方などによる口頭発表、公開公演を聞きました。
口頭発表については、昨年の三月に行われた卵の発表会で私も実際に発表しましたが、私たち高校生の口頭発表と大学院生の方々の口頭発表では大きな違いがありました。
それは、スライドを見ただけで話したいことがぽんぽん出てくる、というような発表をしていたことです。もちろん原稿はありませんでした。
昨年の私たちの口頭発表でも、原稿を見ないで話していたところはありましたがここまでスムーズにスラスラと話しているところは少なかったように思います。自分の研究を深く理解し、さらにその実験に対する考えをしっかり持っているからこそ出来ることなのだと思いました。


公開公演でも口頭発表でも、私が考えもしなかったところに着目して進めた実験の話を聞くことはとても面白かったです。私が最も興味を持ったのは、新育種技術の話です。この場で内容を公表していいか分からないので内容は書きませんが、今後の品種改良や植物の生体の解明などにとても役に立つものだと思いました。この研究を進めている方は何年もこの研究を続けているそうで、やっとここまでたどり着いたとおっしゃっていました。このように、研究というのはいつ花開くかわからない。でも花が開いた時に言葉では表しきれないほど大きな達成感を得ることができるすばらしいものだと思います。私が今やらせて頂いている研究も今後の植物界の発展の力になれるのかもしれないと思うととても嬉しくなりました。

次にポスター発表についてです。
最初に他の方々の発表を聞いて回ったのですが、知識がほとんどない私にも分かるようなわかりやすい説明でとても驚きました。ポスターには、目的、実験材料、手順、結果、考察というように一つ一つ分けて書いてあったのですが、実際の説明はポスター通り話していくのではなく、実験をする前から実験後までをひとつの流れの中で端的に話していました。そして、専門用語を噛み砕いて話されていたので状況把握がしやすく内容も表面的にではありますが理解することができました。
ポスター発表を聞いている時、「〜は...だからこの研究には関係ないのではないか」と教授の方に質問されている大学院生がいました。私は、この厳しい質問になんと返すのかなとドキドキしながら聞いていましたが、大学院生の方は怖じけることなく堂々と自分の考えを話していました。私だったら怖気づいて何も言うことができないと思います。研究の世界は厳しいのだなとも思いましたが、このような普通とは違う観点で研究をする人がいるからこそ発見があるのだとも思いました。

ポスター発表の後半で私は発表をしたのですが、大学院生の方のように簡潔に話すことができずとても悔しかったです。3月にある卵の発表会の時には今回学んだことを活かして発表したいです。


研究室でご指導してくださっている小林先生が、「高校の教科書からでは生物についていろんなことが解明されているような印象を受けるかもしれない。しかし生物はその進化や今持っている機能についてまだまだわからないことだらけで、そのわからないことを正確に解明していくには的確な実験手法を選ぶことや再現性をみることなど注意する点もあり、すぐに答えがでるとは限らない。」とおっしゃっいました。私が質問したらなんでもすぐに答えてくれる先生からそのように言われたことにハッと驚き、勉強の意味を再確認しました。だから私たち学生は勉強に励みながら、探究心を忘れることなく過ごしていかなければいけないと思います。


今回学会に初めて参加して、大学院などの高校よりレベルが高い世界を体感したことでたくさんの刺激を受けました。今回学んだことを胸に、3月にある卵の発表会はもちろん、今後の活動に励んでいきたいです。


最後になりましたが、このような素晴らしい機会を下さった高橋先生、小林先生には本当に感謝しています。また、私たち高校生を快く受け入れてくださった学会の皆様方にも感謝申し上げます。ありがとうございました。

投稿者:宮城県宮城第一高等学校

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