東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

平成30年度 活動ブログ

平成30年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2018.09.09

第四回講座「京都大学コラボ企画・パネルディスカッション及び講義」

 こんにちは。岩手県立盛岡第一高等学校の金澤青空です。今までと同様に簡潔にまとめようと思うのですが、今回はなかなか厳しいところです。なぜか?今回は京大生の方々と会えるということで、東北大学に行く前からとても興奮していました。それで、書きたいことが膨大な量になってしまいそうなのです。なぜ、そんなにも興奮していたのか?それは今回のこのブログを読み進めて行く中で明らかになることでしょう。

 

 前回と今回の科学者の卵は1ヶ月の期間があり、「みんな、お久しぶり。」という感じでした。そのため、今回の講座では1ヶ月ぶりに科学の刺激を受けることができました。地元の岩手(盛岡)だと、科学に興味のある人(いわゆる科学オタク)は数えるくらいいるのですが、自分のような物理屋さんの卵(いわゆる物理オタク)はクラスの中はもちろん、学校の中を捜索しても発見できないのです。自分で自分のことを物理オタクと言っている点はともかく、自分と話の合う人が近くいないことはほぼ確実であり、それはとても寂しいものです。自分にとって最大の刺激となるのは物理学だ、と断言できます。それゆえに、日常で他人と会話をしていて刺激を感じることはほとんどありません。しかしながら、月一回の科学者の卵の講座があることによって、自分は科学への意欲を高い状態で保つことができるのです。

 

 自分の話で一段落も埋めてしまいました。さて、今回は「京大生と東北大生によるパネルディスカッション」と「講義」の二段階で行われました。京都大学と聞いて興奮していた自分は京大生の方は複数人いらっしゃると予想していたので、一人だと知った時は少々残念に思いました。しかしながら、パネルディスカッションをしていた四人の方々のみならず、東北大学の先生方からも自分にとって有益な情報を得ることができたと思います。例えば、自分が最も印象に残ったこととして、自分の予想以上に大学は自由すぎるということです。大学が自由ということは前々から知っていたのですが、それでも時間割は自分の好きなようにできるということぐらいの自由だと思っていました。自由すぎるがゆえに自分には少々懸念していることがあります。それは友人関係です。なぜなら、自由すぎるとかえってクラス内での交流があまりなくなってしまうのではないかと思うからです。ただでさえ、声が小さく、人間にとって最も聞き取りにくい周波数の声を出しているような自分ですから、いわゆるコミュニケーションというものがなかなかスムーズにならず、仲の良い友人とでもよく自分の言ったことを聞き返されるものです。それならば、今のうちに友人をちょっとずつ作っていけばいいのではないか、と思うかもしれません。自分が通っている盛岡一高は多くの東北大学合格者を出しています。もし、自分が東北大学を目指していれば学校内で多くの友人を作ろうとするでしょう。しかしながら、これは"もしも"の話です。自分の志望大学についてここで明言すると、自分は京都大学に入学を志望しています。ですから、将来は西日本で過ごすかもしれないわけです。まあ、東北大学に行くにしても友人を作ることに専念できるくらいの余裕はありませんが。

 

 前半のパネルディスカッションで「科学は社会・世界を幸せにするか」ということが中心として議論が展開されました。この問いは中々単純に「〇〇だ。」と答えることができません。なぜか?それは「幸せ」という言葉があまりにも抽象的すぎるからだと思います。例えば、「科学は我々人類に多くの知識をもたらすか」という問いに対してはほとんどに人が「はい」と賛成の意を表すと考えられます。しかし、抽象的なゆえにその議論は白熱したものになりやすいです。この段落ではこの問いに対しての自分の意見をまとめようと思います。まず、自分のこの問いに対しての回答は「科学は社会や世界を幸せにすることに役に立つ」です。本来、この問いの表現からして回答は"yes" or "no"ですが、そのように明確に回答できる問いではないと思います。今回のパネルディスカッションの四人の方の中であれば、京都大学の井上さんに最も近い意見だと考えます。つまり、「科学」だけでは社会や世界を幸せにするのはとても難しく、実現できるものではない、ということです。ディスカッション中では政治が科学以外に必要なものの一つとしてあげられました。自分は、科学の真反対にあると言える"文学"や"芸術"も社会や世界を幸せにするために必要だと思います。なぜなら、それらは我々の精神状態を操作できるものであるからです。それらを上手く用いれば幸せをもたらすことができるでしょう。そのような意見とは反対であった東北大学の徳永さんでしたが、自分は徳永さんの意見が最も印象に残りました。それは「科学は社会・世界を幸せにするが、幸せにはならない」という趣旨の意見です。言い換えると、「科学を用いれば我々はより幸せに近づくことができるが、決してその"幸せと幸せでない状態の境界線"は越えることができない」ということです。自分はこの時「カオス理論」という言葉を思い出しました。詳しくはまだ知らないのですが、「未来は、現在のことが正確にかつ複雑に絡み合って生み出されるものであるから、完璧に予想することは不可能である」といった内容だったと思います。徳永さんも「幸せというものは様々な条件が複雑に絡み合って生み出されるものであるから、完全に幸せになることはできない」と考えたのでしょう。では、徳永さんはなぜこのように考えたでしょうか?自分なりに考えてみると、その理由として、我々は科学が発達すると同時に「幸せのレベル」が上がるからだ、と思いました。竪穴住居で幸せな人がいることから「幸せのレベル」というのは人それぞれによって異なると考察できます。自分は以上のことから、社会や世界を幸せにする方法の一つとして次のようなことを結論付けました。「我々人類の幸せの基準を下げることによって社会・世界は幸せになる」と。

 

 パネルディスカッション全体で自分が思ったことをまとめると、「やはり科学を語り合うのはとても楽しい!」ということです。科学はある意味、人類という船を歴史という大海原の中でどう動くかを左右する舵のような存在です。今回のディスカッションでも話題になりましたが、科学者の責任をいうものはかなり大きなものであると思います。自分も将来は科学者と名乗って生きていこうと思っている身ですから、責任を持った行動を心がけたいものだ、と改めて思いました。

 

 後半は渡辺教授による講義でした。自分の感想を簡潔にいうと「身近な内容だけど、様々なことが絡み合って複雑だなあ」という感じです。生物を習っている中でよく思うことの一つとして、植物が動物のように思考して行動(反応)しているように見える、ということが挙げられます。今回の講義中での花粉管が伸びる映像を見ていても感じました。何かしらの化学反応が起こっているのだろうとは予想しましたが、地球で初めての生物が誕生した時から考えると、かなり複雑ではないか、と思いました。生物学の基礎中の基礎を学んでいるような自分ですから、根拠がほぼ自分の直感に委ねられているのですが、人間を含めた動物の身体の仕組みというものはかなり複雑ではないでしょうか?40億年という年月がかかっているというのは十分理解していますが、単細胞という単純な構造の生物からどのような経過を辿れば現在の生物の身体の仕組みが出来上がるのか、自分には想像し難いです。

 

 以上が第四回講座で考えたことのまとめです。想定していたよりは短くまとまったようです。次回の第五回講座では倫理教育というものがあるようです。中々面白そうです。今までの講座から学び、今回の講座を頭の中で整理し、次回の講座に対して期待を持ちます。この科学者の卵の講座の中で最も大切なことは、講義中に何も疑問を持たない状態に陥らないことです。第五回講座でも様々なことを思考していこうと思った第四回講座でした。

投稿者:岩手県立盛岡第一高等学校

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