東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

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平成30年度 活動ブログ

平成30年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2018.12.18

世界って広い。新たな視野の構築。ーシンガポール研修で学んだこと 

皆さんこんにちは。山形県立米沢興譲館高等学校の我妻孝樹(わがつまこうき)です。私は学校代表でSSH事業の一環として10月31日から11月4日まで株式会社リバネスが主催して行っているサイエンスキャッスルinシンガポールに参加してきました。日本からは約12名程度で行ったのでとても少ない人数ではあったのですが、全国で様々な研究をしている人、そしてアジアの多くの学生とふれあう機会となり、大変貴重な機会となりました。1日目と5日目は主に移動が中心でしたので、2日目から4日目までの研修の内容を報告させていただきます。是非多くの方々に読んでいただければ幸いです。

11月1日(木) 2日目です。最初に行われたのは、シンガポールについての導入研修でした。シンガポールは建国してからまだ日が浅い国ですが、急速に科学技術を発展させ国の力を伸ばして来ました。その成長に隠された戦略は初代大統領の戦略にありました。初代大統領は国にとって大きな負担にならずかつ小さすぎない目標を政治の目標として掲げて国民と共に成長してきたそうです。また、国の科学技術を発展させたもう一つの要因として、海外の先進国の研究者を多く集めたことにあるそうです。アジアでトップを争うシンガポール大学を中心として、全部で5つの大学に国がお金をかけ優秀な人材の育成に図ってきました。大きさで言うと東京23区と同じくらいのシンガポールですが、その小ささでアメリカや日本、中国と並ぶもしくはそれ以上の力をつけてきたことは他の国も学ぶべき点だと考えます。またシンガポールは多国籍な国であちこちに中国人のためのエリア、イスラム圏の人のためのエリア、インド人などのためのエリア、またキリスト教徒のためのエリアなど一つの国、23区と同じくらいの大きさで多くの国を訪れているかとおもうくらい様々なエリア、人とふれあうことができました。

2日目はおもにシンガポールの企業研修を行いました。研修させていただいた企業は、「Fusion World」「Rolls-Royce」「NeWater」の3つです。一つずつ消化させていただきますが、これらはシンガポールを代表とする企業で、世界的にも有名な会社にも行かせていただき、生で最先端の工場、技術を見させていただきました。

「Fusion World」この会社は名前にFusionという文字があります。この意味は「異分野」という意味です。私の学校では、「異分野融合サイエンス」という学校指定科目があります。我が校の1年生はFS(Fusion Science)で様々な領域と科学を結びつけて課外学習を行います。特に地球環境と化学、ロボットと物理学、郷土料理と家庭科、歴史と科学など様々な領域に踏み込み、普段の授業では味わうことのできないものをこの授業を通し大学などに行って学びます。今回行ったこの企業もこの活動とすごく似ていて、ゲームと脳科学を結びつけて、脳に障害を持ってしまった人が脳の感覚を取り戻すためにゲーム感覚でできるように医療に役立てたり、シンガポールはバス通学が多いらしく、GPSやAIなどの力を借りてバスがいつ到着するか,最短の距離はどこを行けば良いのかなどを運転手に伝えるため、効率化を図るために科学技術を用いてそのようなアプリを作ったそうです。また、近未来の家として、台所がタッチパネル形式になっており、レシピや取り寄せたい料理などを提示してくれるようになっており、電気も有機ELのように折り曲げ可能になっていることなど様々な体験をさせていただきました。企業説明はバーチャルで作られたガイドさんによって英語でおこなわれました。なかなかできないこの体験に心を踊らせ研修に臨みました。また最後に1番驚いたものとして3Dをめがねのような物をつけなくても裸眼で3Dを体験できる映像が作られていたことです。この技術は医療分野や、映像界に大きな影響を与えられるのではないかと未来への躍進に期待しこの企業研修は終了しました。

続いて行ったのは「Rolls-Royce」です。ここは世界的には有名な大企業です。ここは主に飛行機や車などの部品を作っている企業です。実際に工場の中を見させていただきました。まるで下町ロケットに出てくるのではないかと思わせるくらい大きすぎる工場でした。飛行機のエンジンが天井を伝って運ばれていたり、多くのエンジニアが細かい細部まで手作りで作られていたりと、この研修を通じてシンガポールの技術力の高さを身にしみて感じました。ちなみに、部品の95パーセント以上が手作りで作られているそうです。シンガポールに住む人も多かったのですが、フランスや他の地域から来ているエンジニアが多くそのように世界的に優れた技術者がそろっているという点でも優れていると感じました。また2人の女性エンジニアの方々から将来の進路選択についての話も聞くことができました。その話をしてくださった方々も大変悩み、エンジニアになって大丈夫なのか、不安であるという気持ちを抱えていたそうです。ですが、なろう!という意志を持ち続けて頑張ったことが成功につながったとおっしゃっていました。お二人とも大変レベルの高いトップ大学からの就職でそのくらいのレベルで成り立つこの企業を見れたことに感謝、感動しました。名残惜しい気持ちを残しつつも意志を持ってやり続ける、頑張り続ける大切さを心に刻みながら次の企業に移動しました。

2日目最後に訪れた企業は「NeWater」です。シンガポールの水の多くはマレーシアからの輸入で成り立っているそうです。シンガポールとマレーシアの水に関する協定は2060年で終わってしまうそうです。そこで、シンガポールで水を浄化する力を身につけようと国をあげて水供給に向けて取り組みを開始しているそうです。全部で3STEPに分かれている水の浄化処理は、フィルターを通す2STEPまでと紫外線消毒を行う3STEPまであります。日本と違っていた点は紫外線消毒をしていた点です。シンガポール独自の技術を使っているそうで、今では浄化力を身につけることができるようになったそうですが、まだ国民をまかなうだけの力を持っていないそうです。これからもっと改良を重ねさらに良い水を提供していけるようにしてきたいとおっしゃっていました。シンガポールは、雨がすごく多いのですが、決して飲める水が降ってくるわけではないそうです。そのような雨も利用して水を提供できるようにしたいとおっしゃっていました。体験コーナーなども設けられており、世界、シンガポールの水の状況を考える良いきっかけになりました。浄化も、シンガポールの水事情について知らない人のためにも知ってもらおうとしていたのはとてもわかりやすく、工夫されているなと感じました。このような国も世界にあることを考え、日本のように水に恵まれた地域もあることに感謝して生活していきたいと思いました。最後には、NeWaterでつくられた水をいただくことができました。まだ飲んでないのですが見た目は普通に変わりなく、僕の友達が飲んでいてとてもおいしかったと言っていました。ぜひ頑張ってほしい技術だなと感じました。

3日目 11月2日(金) Science Castle in Singapore 2018が行われました。主に参加国はマレーシア、日本、フィリピン、シンガポールでした。やはり、多国籍が集まったことで様々な研究を間近で見ることができ、そして英語で話すことができ自分にとってかなり濃い一日となりました。ポスター発表のデビュー戦が今回のサイエンスキャッスルシンガポール大会でありました。自分の中で反省点なども多く見つかったこの研究発表会でした。ポスター発表と口頭発表の部があり、僕はポスター発表のみでの参加でした。ポスター発表で大切にした点は簡潔にわかりやすく、そして相手の目を見て伝えることです。英語はしっかり伝えたいことが明らかになる言語なので伝え方次第で印象が変わります。ポスターがいくら良い内容でも伝えられなければ意味がないです。僕の研究は微細藻類という(この間ユーグレナの話を聞いた物と似ています)ものが過酷な環境下で住めることを生かして、それを環境問題に生かせないかと考えています。この研究では、寒さ、暑さなどさまざまな耐性を持つ微細藻類を探すために様々な環境の地域からとる必要があります。僕の住む米沢は冬極寒地域なため、寒さ耐性を持つ微細藻類が多く見られます。このような研究はシンガポールで大変高評価でした。シンガポールは常に夏のような環境でどちらかというと梅雨のような状態なのでこのような四季に合わせた研究が行えません。日本は四季がはっきりとしているためこのような研究も行うことができます。このことを伝えたら、日本ダカールこそできる研究を世界に発信していってほしいといわれました。僕もその通りだと思います。その地域ごとにできる最大限の特長を生かしてやるからこそ良いし、このように各地から集まったときに様々な意見交換ができるのだと思います。このような機会を大切にしたいと感じる3日目でした。

4日目 11月3日(土) 3日目の参加者による地球環境問題改善に向けたディスカッションを行いました。様々な地域から様々な視点で環境問題を見るという企画だったので、多くの地域の人から多くの意見をいただき、またそれを言うことができてとても有意義な時間になりました。日本ではそんな問題ないのにという問題でも他の地域では深刻的であったり、逆に日本で深刻的な問題が他の地域でもそんなことがない場合もあり、それぞれの地域で多種多様なのだなと感じました。このように世界では様々な地域で様々な問題があります。そのような理解も必要なのだと思いました。日本が良ければ良いのではなく、世界全体が良くなるように努めていくことが大切だと感じました。4日目に英会話をして感じたことと伝えたいことは、やはりそれぞれの地域でそれぞれ独特のアクセントがあることです。日本で言うカタカナ英語のようなものです。他の地域はなまりような物が入っていて理解が大変でした。僕がそこで感じたことは、英語は理解しようとする心、そして伝えようとする心が大切だと言うことです。なので、皆さんも外国の人と話すときにこのようにアクセント、ネイティブと違うように聞こえても驚かないで、逆にどんどん話してみてください。英語を学ぶ上で、外国の人と話すことを恐れてしまっては何も始まりません。是非チャレンジ精神を持って行ってください!

4日間を通して新たな視野が広がり、そして考え方、価値観も少し増えたように思います。このような経験はいつでもできるわけではないし、貴重な経験でした。だからこそ僕は皆さんに伝えたいと思いました。皆さんも是非調べてみてください。新たな視野が広がっていくはずです。僕たちの知っている世界は本当に一握りです。みなさんも殻を破って飛び出していきましょう!!ここまで長い文章を読んでくださった方ありがとうございます。これからも僕自身も様々なことにチャレンジしていきたいと思います。渡辺先生の進路選択の話でもありましたが、基本的には諦めない心が大切だと思います。もちろん時に諦めをつけて新たな視点から見つめ直すことも大切ですが、このような英語、研究発表においては諦めないで頑張り続けることが大切だと感じました。僕自身まだまだ研究発表など課題が多く残っていますが一つ一つ積み重ねて多くの経験にしていきたいと思います。この研究ができたことも科学者の卵のみなさんのサポートあってのことです。本当にありがとうございました。これからもまたよろしくお願いします。

最後となりますが、この研究発表会の実施報告はこちらから見ることができます⇒ https://lne.st/2018/11/06/report_science-castle_singapore2018/IMG_1321.JPG

 

投稿者:山形県立米沢興譲館高等学校

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