講義での中では特にミドリムシ(ユーグレナ)の生態に興味を持ったので,株式会社ユーグレナのホームページを覗き,さらに詳しいミドリムシの生態を知ることができました。これらと講義の中で私が分かったことは次の通りです。
1日で2倍に増殖し,1時間に1m44cmのスピードで移動します。ミドリムシの仲間は約1,000種類もいます。また,他の微生物にはない特徴をたくさん持っています。
今日,クッキーを頂きましたが,ミドリムシは植物性栄養素と動物性栄養素の両方を含む,59種類の豊富な種類の栄養素を持っています。一つの栄養素に特化しているわけではなく,人間が生きていくために必要な栄養素の大半がまんべんなく含まれています。ミドリムシは細胞壁をもっていないため,摂取した食物を消化しやすく,効率的に栄養を吸収することが出来ます。
また,食物繊維の一種である多糖パラミロンを持っています。これはグルコースが600~700個つながったβグルカンの一種です。脂肪とコレステロールを排出し,プリン体吸収の抑制が期待できます。
また,ジェット燃料用に精製しやすい油脂を酵素が少ない条件の中でも生成することが出来ます。次世代の燃料として関心を集めているのが植物,藻類などから作り出すバイオ燃料です。バイオ燃料は,石油などの化石燃料と違って資源が枯渇する心配がありません。
化石燃料は燃焼により二酸化炭素を排出していくだけですが,バイオ燃料は原料となる植物,藻類が成長する際に二酸化炭素を蓄積し,それを燃料として排出しています。全体で見れば二酸化炭素の排出量が増えないことになり,地球温暖化の防止に効果があるものと考えられています。
ミドリムシに関する研究はかなり進んでいます。マウスの実験ではインフルエンザ感染からの生存率が上昇したり,アトピー性皮膚炎を治したり,細胞を脂肪細胞にしにくくする結果が出ています。しかし,どの成分がこの効果をもたらしているのかはよくわかっていないものもあります。品種改良も進められており,油の多いミドリムシも開発されましたが,成長速度がかなり遅く,まだ研究の余地があるそうです。
飼料としてもミドリムシは使われることがあります。ミドリムシを取り続けた鶏は,体重とDHAが増える一方で飼料の量は減ったという記録があります。
最後に,ミドリムシの種類による違いです。最初に挙げたようにミドリムシの仲間は1,000種類ほどいるといわれています。その中でも研究に向いているのはユーグレナグラシリスというミドリムシです。
ユーグレナグラシリスはとても増殖しやすいため研究に多用されています。他にも,講義の中で二種類のミドリムシが紹介されていました。ユーグレナミュータリビスは環境適応能力がとても高く,火山周辺にも生息することが出来ます。ユーグレナサンギニアは赤い色素が特徴で増殖しにくく,毒を作ります。そのため薬を作ることができるのではないかと講義で話されていました。また,湖に多く生息すると生態系に影響を与えることもあります。ほかにも様々な種類のミドリムシがいると,研究の幅も広がるのではないかと思いました。
他の5つの講義では,それぞれ違った観点で微生物を研究していることを知りました。
最初の小林先生の講義では,酵素が触媒として働いていることが分かりました。スクリーニングの技術も知ることができました。
永田先生の講義は私たちの身の回りの環境で活躍している微生物についての話だったので,より興味を持って聞いていました。環境浄化で活躍している微生物のメリットとデメリットがしっかり示されていて,理解しやすい内容でした。
五味先生の講義は,食生活に関係している微生物の話でした。こうじ菌も聞いたことがあったので,微生物は人体にとって悪影響なものばかりではないというイメージを持つことが出来ました。
小嶋先生の講義では,酵素が何から作られているのかが一番印象に残りました。動物の臓器や,植物からも酵素が作られていることが非常に驚きました。
北里大学の高橋先生の講義は,ノーベル生理学・医学賞を受賞したこともある微生物を使った新薬の開発についてでした。内容は少し難しかったのですが,放線菌から薬が作れたり,新物質が発見されたりなど,これからの新たな医療の可能性を感じられました。
今日の講義では微生物の意外な用途や,知らなかった使い道について詳しく知ることができました。顕微鏡では見えない小さな生物ですが私たちの生活に大きな影響を与えていることを感じました。
投稿者:栃木県立栃木高等学校