こんにちは、宮城第一高校の金川恵都です。
今回は第7講座の「微生物と私たちの環境暮らし健康」について筆をとっていきたいと思います。
実は私自身この科学者の卵以外で学会の方のお話を聞くことが初めてでとても心が踊りました。その中でも私が特に興味をそそられた二つの内容について話そうと思います。
「環境浄化で活躍する微生物」
このお話は環境汚染によって生じる、自然の物質循環のバランスの乱れの解消に臨むものでしたね。
石油成分、重金属、人為起源物、悪臭などを微生物を利用したバイオレメディエーションによって補正する、と大雑把に説明をすればこのような感じでしょう。そのなかでも栄養素(窒素、リン等)や酸素を注入し、土着菌を活性化させるものが一般的だそうです。
このバイオレメディエーションは利点として
①環境負担の軽減
②低濃度で広域に働く
③(ケースにもよるが)コストを抑えられる
④パブリックアクセプタンスを得やすい
※パブリックアクセプタンスとは
何か大事業を行う際近隣住民から合意等を貰うこと。
等々があります。その点を考えると、とても活気の良い素晴らしいものですね。しかし光の陰には闇があるとでも言うのでしょうか、勿論不利点もあります。
①効率が悪い(特に高濃度の汚染)
②思っている効果が得られない可能性がある
等々と、生命環境の直接的な害はありませんが、これを支柱として扱うにはまだまだ火力不足な点があるんです。
一番の問題点といえば、
環境汚染物資の分解なされやすさが場合により異なるという不安定要素でしょう。
つまりそのような問題点を抱える今私たちが考えるべきは、効果を増大させるために微生物の生態、進化の機構を解明したり、
高濃度、低濃度でも力を発揮できる、平均的な汚染除去の仕組みを考えていくべきだと思いました。
次に特に個人的な興味ですが、
「ミドリムシで広がるものづくり」です。
最近注目されつつあるミドリムシ、実は名ばかりでその生態はめっきり未知だった私にとってこの話は衝撃的でしたね。
髪の毛の太さよりも小さかったり、
二酸化炭素耐性が強かったり、
植物性、動物性、どちらの栄養素も持ち合わせていたり、と。
これまでにない素晴らしい生物なのだと再認識させられました。
その他特徴にも
①ビタミン、ミネラル、不飽和生脂肪酸等々の豊富な栄養素を含んでいる
②多糖パラミロンを持っている
※多糖パラミロン
脂肪、コレステロールの排出や、プリン体吸収抑制などが期待されているもの。
③発酵条件下、ワックスエステルに代謝させる
といったこれからの研究が捗るような、生物系統の学者さんなら好奇心が止まらなくなりそうなコンテンツが揃いに揃っていますね。
(仮にそう思われる方が少なくとも私は思いました。)
現在ミドリムシは多段利用されており、
ファイバー、フィード、ファーティライサンなどなどそれぞれの段階によって作られるものが異なっています。これから期待すべきはそれぞれの段階が作れる部類のものを見つけることでしょうか?個人的にはまだまだ未知数ですが医療用の化成品が増えていってほしい所存ですね。
今回二つの内容についてお話しましたが、紹介しきれなかった他のお話も素晴らしいものばかりでした。このような機会に巡り会えて良かったと思うばかりです。
次回は薬学と素粒子についてですね。どちらも私が気になっている分野なので待ち遠しいばかりです。
さて、ここらで紙面が尽きてしまいましたので
また次回の講義の際はよろしくお願い致します。
それでは。
投稿者:宮城県宮城第一高等学校