福島県立福島高等学校2年、安斎 公記(あんざい・まさき)です。ここでは第2回「探求型『科学者の卵養成講座』」で行われた総合討論のご報告の2番目の記事を書かせて頂きました。1番目からの続きです。
7.総合討論
Ⅲ.進化の方向②
「インターネットが分別可能で分別不能になる」とはどういうことなのか。私は次のように考えました。前回も述べたように、物心ついたときには既にインターネット環境も技術も整備されていた私たちは、その仕組みについて全てを正確に理解していないことが多いです。今では何につけても細分化が進み、棲み分けがなされているため、インターネット世界を隅から隅まで理解している、またはそれが大きな障壁なく可能である人は殆どいないと言えます。世界中、誰もが「ある」ことは認識できても「何があるか」は分からないのです。その点において、インターネットは実は危険を多く孕んでいるともいえます。分別が不能で可能とはこのことを言うのではないかと考えました。
Ⅳ.情報の繭化
フロアからの質問はもう一つ、「『情報の繭化』とは何か」。
この質問に対し、丸山フェローが「エコーチャンバー効果」という言葉で答えました。似た意見を持った人と繋がりやすい心理的現象を指し、世界各地にたくさんあるといいます。例えば、米国でのトランプ大統領の「アメリカ・ファースト」政策、欧州のGDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則。ヨーロッパ連合加盟国及びアイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタインにおいて個人データ保護を規定する法。)、そして中国のグレート・ファイアウォール(万里火城)。これらの存在により各々の国での自由度は低くなっています。そこで、世の中からの信頼で魅力的に映る日本はチャンスを得るのです。機械には価値観がありません。人々が自由意志を持って自由に動くことが出来る、これこそが現代ネット社会に求められているものだといえます。
Ⅴ.人間とは?①
現状として、現代人は1日18時間の行動時間のなかで15時間も電子機器を触っているそうです。これでは自我や個性が無くなってしまいます。堀田教授は「良いデータ」は確率的に近いデータであり、価値観の違いは今一度確認して入れるべきだ、と付け加えました。山本機構長は個性について、0.1%の違いで成立するが、AIは確率に向かっており、生命はカオスの中では生きてゆけないと話しました。それから4か月ほど経って、そのカオスについて考える機会がありました。
その「カオス」については続きである第3幕に記しました。是非ご覧ください!
安斎 公記
投稿者:福島県立福島高等学校