東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

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平成30年度 活動ブログ

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2019.01.29

卵な私の成長簿 その2 後篇 第3幕 ―神と科学、時々生きる喜び―

 福島県立福島高等学校2年、安斎 公記(あんざい・まさき)です。ここでは第2回「探求型『科学者の卵養成講座』」で行われた総合討論のご報告の3番目の記事を書かせて頂きました。2番目からの続きです。

7.総合討論

Ⅵ.人間とは?②

 この記事を完成させる約1か月前に、自分の通う高校で、人類はカオスの中では生きてゆけないが故に、「知らない」領域を無くすことを目的に学問に励んだり、研究したりするのではないかという話題が出ました。しかし、前人未到の「知らない」領域(その会ではそれを学問が今やこの世で人類が把握できているもの全てを対象としていることから、その対義語として「非学問」と呼んでいました)を目指して学問を進めても、そのことで前人未到の領域に達したところで、それは得てしてその研究者が「知っている」領域になります。つまり、「知らない」領域は存在しないのです(哲学的な方向に論を拡張すれば、「知らない」領域を把握している時点で、それすらも完全に「知らない」わけではないと言えます)。「知らない」ことに対する恐怖は「知っている」恐怖とは比にならないほどに大きいものでしょう。人間はそれを人工知能――何でも知っている客観的な科学に基づいた技術――によって、完全なるコスモスにしようと、秩序だった世界にしようとしているのかもしれません。

 山際総長も、現代人の「人間とは?」に対する認識の揺らぎを指摘しました。中世まで存在していた「神」が、18世紀からの自らが最後の決定権を持つ「自分中心主義」へと変わったことにより無くなった(ここでの神は、「自分、相手または関係者、そして第三者をも超越した、言わば『超客観性』『誰の目も通ることのない事実そのもの』を備えた存在」として一般社会に通念的に浸透していた概念を指していると私は捉えています)。これはある意味「価値の一元化」と言える。しかし、既に人間は作り変えることができる、言い換えれば、生きる喜びを工学的に変えることができるものとなりました。そうすれば、人間の定義、言うなれば「人間とは?」の客観的な解も変わってしまうのではないか。そう指摘したのです。

 だからこそ、その解を、変化の因子である技術に、AIに頼っているのではないだろうか、私はそう思いました。①で述べたように、人間は客観的な基準として科学を頼りたいのではないでしょうか。いつ、どこで、誰が行なっても揺るがない、誰もが同じように納得して同じような事実と捉えている、誰の影響も受けない絶対的な存在を求めているのではないでしょうか。ちょうど18世紀以前に、人々が「神」を頼っていたように。

 次回は最終幕、総合討論に加え、閉会式についてもご報告いたします!是非最後までご覧下さい!

安斎 公記 

投稿者:福島県立福島高等学校

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