2019年一発目の投稿になりました。群馬県立前橋高等学校の東桔也と申します。よろしくお願いします。第8回科学者の卵養成講座ということで、そろそろ終わりが近づいて来ましたが、いつも通り淡々と振り返って行きたいと思います。
まず始めに、第1回英語サロンがありました(第2回はあるのでしょうか...)。留学生と直接会話するのは初めてだったので最初は緊張で上手く話せませんでしたが、自己紹介・趣味・好きな分野と会話を重ねるうちに自分でも驚くほど慣れていきました。学問分野の話で、皆それぞれが違った興味を示すなかで、
「大学に入ると色々な研究に興味を持つようになるけど、最終的に1番好きなものを選ぶといいよ。」
という留学生のアドバイスも頂くことができました。私も、常に興味を絶やすことなく科学を探求していきたいと思います。また最終的には、幼少期から英語学習を始めることの意義や母国語の大切さまで意見を共有できたので非常に有意義な2時間を過ごせました(もう3時間欲しいくらいです...)。今回、私の拙い英語を一生懸命聞いて理解しようとしてくれた、フィリピンとマレーシアからの留学生2人には感謝の言葉しかありません。本当にありがとうございました。
そして午後には2つの講義がありました。1つ目の講義は「薬を創る化学技術」についてでした。私は、薬に関しての知識が浅いうえに有機化学の知識もゼロなので、どうなることかと思っていました。しかし、岩渕先生が高校生でも分かるようにご配慮くださったおかげで、構造式を意味ではなく形で捉えることができました。この講義のおかげで、高校の有機化学の学習にもスムーズに取り組めそうです。薬の神が存在したことから始まる「薬の発見・発明史」もとても興味をそそられたのですが、特に印象に残ったのは岩渕先生が研究なさっているクルクミンの話でした。カレーのスパイスに含まれるクルクミンに胃癌細胞株の増殖を抑制する働きがあることに驚かされたとともに、食べ物という身近なところから新しい発見を行う「医食同源」の考え方にも感銘を受けました。この講義を受けたあとに、昼食にカレーを選ばなかったことを後悔したのは私だけでしょうか...。
2つ目の講義は「次世代素粒子研究施設:国際リニアコライダー(ILC)計画」についてでした。こちらも、もともとの私の知識はほとんどありませんでした。しかし、佐貫先生がハンバーガーの例を使って素粒子の説明をしてくれたので、とても理解が捗りました。今度、ファストフード店に行って、店員さんに
「何バーガーにしますか?」
と聞かれたら
「素粒子なら何でも大丈夫です。」
と答えたいと思います(冗談です)。同じ物理学という分野でも、現在学校で学習している古典物理学と量子力学をベースにした素粒子物理学との間には大きな隔たりがあって、後半はやや難解でした。また、国際リニアコライダーの実現に向けた計画が着々と進んでいるという話を聞いて、宇宙の未知の物質の正体を知る日は近いのではないかと思いました。ILC計画のこれからの動向にも関心を寄せていくつもりです。
さて、科学者の卵養成講座で講義を受けられるのも今日で最後となりました。長いようでとても短い第1~9回でしたが、このEGGSプロジェクトは自分を大きく成長させてくれた思います。私が特に実感しているのは、「書く力」の向上です。夏にはあれだけ苦しんだレポート作成が、今では全く抵抗がなくなりました。私にこのような貴重な経験を与えてくださった東北大学には感謝の気持ちでいっぱいですが、1年を振り返っての感想はまた次回にしたいと思います。いよいよ来月は研究発表会です。「卵」の一員として、自分にできる形でしっかりと締めくくりたいと思います。それでは、また来月。
投稿者:群馬県立前橋高等学校