2019.02.17
第8回科学者の卵養成講座を終えて
こんにちは。東北学院高等学校の朝野徳(あさのなる)です。
本日の講座では、午前に英語交流会、午後に2つの講義が行われました。
午前の英語交流会ではフィリピンとマレーシアからの2人の留学生の方々を含む7人で、最初に、自己紹介から始めました。2人の留学生の方々は、それぞれ、環境科学とバイオ化学について研究している、ということで、その研究について、興味深いお話を聞くことができました。
しかし、英語での会話に、少し苦労する面もあったので、そこは、反省すべき点だったと思っています。興味のある研究や、日本と海外の文化の違いなどについて、楽しく語り合うことができた2時間となりました。
その後、午後の1つ目の講義であった「薬を創る化学技術」を聴講しました。この講義の冒頭に、薬の発見・発明史についてのお話があり、大変興味深く感じました。
特に、昔、薬の中に悪霊・悪魔払いのための汚物薬というものがあったということには、大変驚きました。
また、治療に対する薬剤の貢献度と治療の満足度の表を見て様々な病気の治療薬の効能について理解することができました。
その中に、統合失調症などの精神疾患の治療薬も含まれていたため、精神疾患とそうでない疾患の治療薬の製造方法の違いについてもっと知りたいと思いました。
この講義で1番驚いたことは、カレーの成分クルクミンを使って、癌細胞の増殖を抑制できるということです。家族性大腸腺腫症マウスに対する延命効果の確認実験でクルクミンよりつくられたGO-Y030を投与したマウスと非投与のマウスでは、外見に明らかな違いが現れるのです。普段から食べている食べ物に含まれる成分の新たな一面を知って、何か不思議な気持ちになりました。
2つ目の講義は「次世代素粒子研究施設:国際リニアコライダー(ILC)計画」というテーマの素粒子物理学に関する講義でした。私自身、最も驚いたのは、原子核発見に関するお話で、ビーム照射により内部構造の有無を判断したということでした。これは、これから電子の内部構造の解明にも使えるのではないかと考えたり、とても関心を持ちました。
最も面白かったお話は「宇宙をつくる」ということに関する話です。これを聞いた時、まず大抵の人は、宇宙を作る!?と思うことでしょう。私も実際そうでした。しかし、このことについて詳しく話を聞くと、まず宇宙は電子などの素粒子からできており、素粒子について研究することで宇宙誕生の謎に迫れるということでした。現在、建設が検討されているILCでは、電子と陽電子を線形加速器で加速させて衝突させることができるそうなので、これによって宇宙の謎が少しだけ解き明かされることを期待しています。
本年度の科学者の卵養成講座の講義は今回で全て終了となりました。様々な分野の先生方から多くのことを学ぶことができ、自分自身の視野が少し広がったような気がしました。次回の講座で最後となるため、1年間の講座の締めとしてしっかり臨みたいと思います。
投稿者:東北学院高等学校