こんにちは。秋田南高校1年の下田楓大です。
私は科学者の卵に特別聴講生として参加しました。参加することは私にとって怖いことでしたが、自分のやりたいことを見つけるために、また興味の幅を広げるために挑戦しました。
開講式では卒業生の先輩方の話を聞かせていただきました。研究発展コースに進んだ先輩の、一つのことに対する深い好奇心と、それを追い求めるための勇気に感銘しました。
今回私は渡辺正夫教授の「進化論を唱えたダーウィンも注目した高等植物の自家不和合性」という講義を受けました。種の多様性を保持するための、植物の合理的な子孫の残し方についてと、それを応用した農業の策についての学びました。私は、植物の受精には虫が関係していたり、雄しべと雌しべの成熟の時期がずれていることなどを知っていました。そして、それらの本来の目的を知ったことで、より深い理解に繋がりました。
特に、自家不和合性を利用した農業の作物育種法について興味を持ちました。純系の両親を掛け合わせると、より優れた形質を持つ「雑種強勢」や、雌しべの果実部を食べるという逆からの発想で別の雄しべの花粉からリンゴを育てる方法など、洗練されたやり方が合理的だと思い、美しいと思いました。
一方、ダーウィンのマルバアサガオを利用した実験で、自家不和合性のマルバアサガオが自家和合性に変化するのがやはり不思議だと思いました。しかし、私はこれを自家和合性と自家不和合性の遺伝子で、発現する形質に違いはあるのではないかと考えました。そうでないとしても、植物の元来の多様性の観点から見て、そうのような仕組みがあってもおかしくはないのではないのかと考えることもできそうです。
これらの講義を受けて私は考えたことがあります。それは近年日本で爆発的に増加しているセイヨウタンポポについてです。セイヨウタンポポは在来種であるカントウタンポポを押しのけて繁殖しています。本来ならカントウタンポポと混じって雑種が繁殖するはずで、それならカントウタンポポも増えるはずなのに、減少していることはおかしいことだと推測できます
少し調べたところ、どうやらセイヨウタンポポは無性生殖で繁殖するようで、また花粉にはカントウタンポポの雌しべをうまく機能させることができなくなるような成分が含まれているようで、これなら納得ができます。
しかし、植物の多様性を考えた植物が追いやられ、クローンが勢力を増す光景は、異常だと考えざるを得ません。
私はこれからの9講義で、毎回きっちりレポートを書き、意欲的に活動に取り組んでいきます。また、講義ごとの先生との出会いや、隣の席に座った人と交流を深めながら、私の視野を広げいきます。
投稿者:秋田県立秋田南高等学校