東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

令和元年度 活動ブログ

令和元年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2019.09.29

科学者のあるべき姿とは?

 岩手県立黒沢尻北高等学校2年、梅原葉月です。第四回目、と少しずつ慣れてきた科学者の卵養成講座が終了しました。慣れてきたとはいえど、今回もたくさんのことを吸収することができました。


 午前は長神風ニ先生のサイエンスカフェ「科学・社会・生命倫理」でした。サイエンスカフェとは、カフェのような雰囲気の場所でグループで話し合いを織り交ぜながら進んでいくものでした。今回の主なテーマは、科学倫理というものでした。研究で発見・発明されたものがもし悪用されたら、その責任は誰が負うのかという問いに対して現段階では答えは出ていないようでした。私の見解では、科学者はあくまで0から1を作り出すものであり、それをどう使うかは利用者の責任であると考えます。しかし、科学者も人間です。考え方も三者三様のため、なかなかそれに関する法律や規則は決めるのに時間がかかるようです。また、10~20年後初めて実用化されそうな技術について、個人やグループで考えました。考えたことは以下のとおりです

1.10~20年後初めて実用化されそうな技術は?
 どこでもドア・テレポート
2.それを悪用するとしたらどのような利用方法か
 ハッキングをする
 ・移動途中に殺害ができる
 ・本人が行きたいところと違う場所に設定できる
 ・移動場所を誰もいない空間に設定できる
3.それを防ぐための対策は?
 空間移動のためのアカウントを作り、それを国が厳重に管理する

 このように、技術と防ぐための対策というのは直接的に分野が同じというわけではなく、1つの技術ができてもそれを実用化するためには様々な分野の専門家と試行錯誤を重ねる必要があると学びました。


 午後の最初は滝澤博先胤生の「化学反応の場を探る〜マテリアル・デザイン新物質探索〜」でした。この講座初の化学分野からの講義ということで、化学やマテリアルが好きな私は、とても楽しみでした。この講義のメインは、化学反応のステージを変えることで新物質を生み出すというものでした。前半は新物質とはどのようなメカニズムでできるのかを学びました。主に2つの違いで新物質は生まれます。1つめは結晶構造の違いです。例で出たのは、炭素Cから、3つの結合でできる黒鉛と、4つの結合からできるダイヤモンドです。みなさんもご存知の通り、黒鉛は平面的構造のためもろく、柔らかいです。また、電気を通します。しかし、ダイヤモンドは立体的構造のため壊れにくく、頑丈で電気を通すこともありません。このように性質は全く異なります。2つめは、形態の違いです。例として酸化アルミニウムAl₂O₃が取り上げられていました。1500~1600℃で焼き固めるとルツボなどの絶縁体になり、さらに高い2000℃で融かしてゆっくり冷却すると、サファイアやルビーになります。これは、単結晶か多結晶かの違いで、滝澤先生は雪だるまとつららとわかりやすく例えてくださいました。また、高圧による新物質の発生も学びました。地球科学が好きな私にとって地球内部に似た圧や温度をかけられる機械はとても興味があり、工学だけでなく理学にも使えるのではないかと思いました。

 後半はマイクロ波の話題に移りました。マイクロ波の性質を使って新物質を作り出すというものでした。ここで私は気になったことがあります。これからの産業で加熱されていたものが、マイクロ波加熱という物質の自己発熱に進化していくというお話が最後にありましたが、マイクロ波加熱は従来の加熱の課題である、温室効果ガスの排出などの欠点はあるのでしょうか?そこが私はインターネットで調べてわかったことは以下のことです。(①


マイクロ波加熱の短所
1.ランウェイ加熱による局部加熱
2.端面効果による過熱現象
この2つはとても似ていて、マイクロ波の特徴の1つでもあります。1つの部分が過熱されることによって加熱部分が斑になる、というものであるようです。
マイクロ波による温室効果ガスの排出は?
結果的に言って、ないようです。しかし、マイクロ波を使うための電気を供給するために、CO₂を排出してしまうそうです。

 このように、マイクロ波加熱によって、これからの加熱の仕方は変わっていくと言えると思います。さらに、マイクロ波を使った新物質の開発が進み、社会が便利になっていくのが楽しみです。


 午後の次は、東北大学と京都大学合同のパネルディスカッションがありました。私たちはオーディエンスとして、大学生の様々な意見を聞くことができました。この企画を通して、自分の将来についてよく考えさせられました。専門の研究するにあたって、他の分野とも協力するべきという話がありました。私は大学で地球科学の勉強をしたいと思っています。でも、研究したいことは生物の分野にも関わってきます。そこで私は地球科学も生物もしっかりマスターしてからその研究に取り組もうと思っていましたが、東北大学医学部4年の山中さんが、効率よく研究するなら、コンビネーションが大事だとおっしゃっていたのを聞いて、納得しました。もちろん、自分で生物の勉強をすることも大事です。しかし、より早く解明するためにコンビネーションという方法もあるのだなと学ぶことができました。また、「科学は社会・世界を幸せにするか?」という問いは、私もとても考えました。幸せにするべき、しなきゃならないという考えもあったし、幸せのためではなく好奇心や興味が大事だという考えもありました。私は、社会の幸せのために研究をしたいのか?考えてみました。ずっとずっと、人のためになる研究がしたいと思っていました。でも、実際自分がしたい研究は直接的に人の幸せに関わるものではありません。結局は自分のために研究するのかと、なんだか悲しい気持ちになりました。でも、私がそのことを研究したい気持ちは変わりません。これからもそれを目指して頑張りたいと思います。


参考サイト
①http://www.vinita.co.jp/institute/microwave/040100.html
http://www.vinita.co.jp/institute/microwave/040080.html


投稿者:岩手県立黒沢尻北高等学校

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