群馬県立中央中等教育学校4年の栁澤日和梨です。
前回の講座から早2ヶ月、久しぶりに降り立った仙台は、群馬より寒く驚きました。
これからどんどん寒くなっていくので、今後は完全防備で行こうと思います。
さて、今日の午前中は、英語交流サロンがありました。前回は自分の言いたいことを英語で上手に伝えることができなかったので、今日こそは、と張り切って臨みました。
今日お世話になったのは、ペルーからの留学生でした。母国語はスペイン語なのに、英語をとても流暢に話されていて、また質問もたくさんしてくださって、楽しい時間を過ごすことができました。
前回よりは、きちんと受け答えができた気がしました。しかしまだ自分の英語力はまだまだだとも感じました。留学生の方は、ビデオを見たりして英語を学習されたそうなので、私もやってみたいです。リンクイングリッシュも活用しようと思います。
午後はじめの授業は、笠田竜太先生によるご講義「ワタシとアナタのエネルギー問題〜核融合炉がツナグ未来〜」でした。スマホを用いての参加型講義を聴講するのは初めてだったので、新鮮で面白かったです。
タイトルにある「核融合炉」とは、核融合反応を利用してエネルギーを発生させるものです。二酸化炭素をあまり排出しないので、世界中で注目を集めています。日本を含めたいくつかの国が協力して、核融合実験炉ITERを建設中だそうです。
もちろん核融合炉についてのお話は興味深いものばかりでしたが、私はエネルギーと幸せの関係についてのお話がとても印象に残りました。
講義の途中、手元のスマホに表示されたのは「エネルギーを使えば使うほど、幸福度、幸福感は増加するのだろうか?」という質問です。私は少し悩んでYesに入れました。エネルギーがないと、食べたりお風呂に入ったりなど、今自分が当たり前にしていることができないからです。講義を受けていた方の約4分の3がNoに票を入れていました。
先生はその後、「電力消費と人間開発指数(HDI)の関係」と題したスライドを表示されました。 これを見てわかるのが、電気の消費量と幸せの度合いは、電気の消費量が多ければ多いほど相関しなくなっていく、ということです。エネルギーの在り方は難しいと感じました。
二つ目に、佐貫智行先生によるご講義「次世代素粒子研究施設:国際リニアコライダー(ILC)計画」がありました。素粒子は小さいですが、今日のお話のスケールはとても大きかったです。
はじめにスクリーンに映されたのはハンバーガーでした。「ハンバーガーは何に分けられるでしょうか?」先生はこう質問されました。パン、ハンバーグ、トマト、レタス...。
「じゃあ、ハンバーグは?」パン粉、玉ねぎ、卵、水...。
「じゃあ、コップ一杯の水を半分に分けて、その片方をさらに半分に分けて...を繰り返したら、何回分けられる?」答えは70回でした。
水は粒からできています。水の粒(水分子)は1000万分の4の大きさだそうです。そして、水分子をさらに見てみると、3つの素粒子に分けられます。電子、アップクォーク、ダウンクォークです。水以外のすべてのもの、ハンバーガーも、人間も、そして宇宙も、これらの3つの素粒子からできています。
さて、講義のタイトルにある「国際リニアコライダー」とは一体なんでしょうか。これは線型の加速器で、電子と陽電子を加速させて正面衝突させるものです。
これによって、宇宙の始まりを理解することができます。ビッグバンが宇宙の始まりと考えられていますが、このあと生成された粒子の反応を繰り返して、現在の宇宙になっています。そのため素粒子を研究することで宇宙の研究につながるのです。
そしてなんと、宮城県と岩手県に連なる北上山地が、国際リニアコライダーの候補地になっているそうです。
講座が終わったあと外に出て、空の暗さにびっくりしました。冬がもうすぐやってきます。と同時に、科学者の卵養成講座も終わりが近づいてきました。3月にきちんと立派なひよこになれるように、次回以降も頑張ります。
投稿者:群馬県立中央中等教育学校