東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

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令和元年度 活動ブログ

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2020.01.11

第7回講義を受けて

 こんにちは。今回が初めてのブログの投稿となります。仙台市立仙台青陵中等教育学校5年の星野鈴佳です。今回は、1月11日に行われた第7回講義で私が感じたこと、考えたことなどをお伝えできればと思っています。

 午前中は英語交流サロンが行われ、「身近な環境問題について考える」というテーマで留学生の方とディスカッションをしました。私の班は、宮城県の高校1年生の男の子と、秋田県の同じく高校1年生の男の子、そしてマレーシア出身の男性の留学生の方という構成でした。留学生の方は東北大学医学部で勉強をされているそうです。最初に、マレーシアはプラスチックゴミを環境問題として抱えていると教えていただきました。マレーシアの東海岸ではウミガメが産卵を行うのですが、近年ウミガメがプラスチックゴミを間違って食べてしまい、産卵しに来る個体数が減っているそうです。私も、プラスチックゴミによって川や海が汚染されていることを環境問題として感じていたので、これは日本だけの問題ではなく、世界規模の問題なのだと感じました。その後、身近な環境問題として、今年の仙台の降雪の少なさから気温上昇を感じたという意見や、北極の氷河の融解という意見などが班のメンバーから出ました。私がこの時間で最も印象に残ったのは、これらの意見を受けて留学生の方から「あらゆる問題が関連し合っている」とおっしゃっていたことです。例えば、プラスチックゴミを焼却することで二酸化炭素が発生し、それにより気温上昇、そして北極の氷河の融解にも繋がると考えることができます。地球が抱えている環境問題は、本当に様々な要因が複雑に入り組みながら存在していて、これを解決するためには様々な観点からのアプローチが必要なのだと感じました。そこで私たちの班は、今回はプラスチックゴミに注目し、これを減らすためには何ができるか考えました。買い物をするときにマイバックを持参することでレジ袋を削減する、ペットボトルではなく自分の水筒を使うなどの意見のほかに、留学生の方から私たちの問題意識向上のための博物館を建てるのはどうかという意見が出ました。何でも、日本に来られたときに「地震博物館」というものを目にし、驚かれたそうです。プラスチックゴミの他にも、館内の展示で環境問題の現状を多くの人に知ってもらい、少しでも行動に移してもらえるようなインパクトを与えられるような工夫を話し合いました。今回のディスカッションでは、環境問題の本質に迫ることができたと同時に、その解決法までユニークなアイデアを出しながら考えることができました。何より、自分から積極的に議論に参加できたことが大きな自信につながりました。今後も、一つの問題に対し、グローバルな視点から考えることを意識していきたいです。

 午後はまず、「教授の進路選択アドバイスー人生を戦略的に考えるー」という題で、大学院生命科学研究科植物分子育種分野の渡辺正夫教授の講演を聞かせていただきました。ここで教授がおっしゃっていたのは、「自分の器を知る(自分ができることとできないことを知る)」ということです。教授は幼いころに道草や木登り、カッターナイフでの鉛筆削りなどの少しスリリングなことに挑戦されていたそうです。このような実体験から、どこまでが安全で、ここから先は危険という感覚を養っていったとおっしゃっていました。このように、積み上げてきた経験や失敗から自分の「器」を認識し、その器を大きくする努力はもちろんのこと、この先進んでゆくべき道を模索し、時には次なる道を選んでいくことが大事なのだそうです。講義の最後で「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」というある戦国武将の言葉を紹介されていましたが、この言葉は、失敗からこそ学ぶことはたくさんあることを私たちに伝えているのではないかと思います。偶然勝つ(=成功)することはあっても、負け(=失敗)には常に何らかの理由があり、それを自覚し次はどうしたらよいのか考えていくことが、成功に繋がると考えます。そして、失敗するためには常にチャレンジしていくしかありません。また、自分が選んだ道の中で、気合と根性で最後まであきらめずに自然と向き合うことが大切なのだとおっしゃっていました。この他にも教授は講義の中で、ひととして大切なこととして、母国文化を理解した上で国際感覚を持つこと、よい師匠を持ち師匠を越えようと努力することなどを挙げられていました。今まで、失敗することは大事なのだと聞いたことはありましたが、それが自分の器を理解することに繋がること、そしてやがて自分の道を選ぶときに糧になることは考えたこともありませんでした。毎日が練習ではなく実戦で、全力で過ごしていくことが結果として自分の将来に繋がるのだと思いました。

 講義の後は、東北大学の学生の方々との交流会がありました。私は漠然として「大学で生物を学びたい」という気持ちはあるのですが、具体的に何をしたいのかが定まっておらず、結局自分の進路にも本当にこれでいいのか自信を持てないでいます。そこで今日の交流会では、農学部と理学部の方にお話を聞き、できる研究内容や、研究室に配属される時期などを質問して、それぞれの学部の雰囲気を掴むことができました。その中で感じたのは、結局自分がどんな研究がしたいのかを見極めなければならないということです。そしてそのためには、先述のように日々アンテナを高くして過ごし、チャレンジしていく姿勢が大事なのではないかと思いました。最後に、私もこの言葉を引用して締めたいと思います。これは、渡辺教授が講義の最後に紹介されたもので、『宇宙戦艦ヤマト』の沖田艦長の「明日のために今日の屈辱に耐えるんだ」という言葉です。この言葉について、『NASAより宇宙に近い町工場』の著者である植松努さんは、「耐えるという言葉は、あきらめるという言葉とはぜんぜん違います。」とおっしゃっています。泣いてもいい、一度立ち止まってもいい、でも諦めずに明日のために学ぶ。自分の将来のために、霧の中を彷徨うように手ごたえがなくても模索していくことで、自分が本当にやりたいことは見えてくるのかもしれないと感じました。ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

投稿者:仙台市立仙台青陵中等教育学校

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