こんにちは。今回が2回目のブログ投稿となります。仙台市立仙台青陵中等教育学校5年の星野鈴佳です。私は今研究発展コースで、医学系研究科病態病理学分野の古川徹教授と齊木由利子准教授、学生の方々にご指導を頂きながら研究させていただいています。実習はいつも、ここでしか得られない学びと新しい発見の連続で、本当に貴重な経験をさせていただいています。今回は、私の普段の実習内容と、それを通して感じたことについてお話できればと思っています。
私が実習で頻繁に行っているのは細胞培養です。初回の実習のときに、私の実習をサポートしてくださる学生の方(TAと呼ばれる役割の方です)が、「次回からは細胞培養を行います」とおっしゃったとき、普段耳にしない言葉にとても興奮したと同時に、一抹の不安を感じました。もちろん私はそれまで細胞培養をしたことはなかったので、カルスのようなモコモコとした細胞の塊を増やしていくのかなという貧しいイメージしかありませんでした。しかし実際は、シャーレというプラスチック製の、ふたのついた手のひらサイズの平たく丸い容器の中に、培地という濃い桃色で細胞が生きるのに適した液体と、細胞の入った液体を入れます。あとは、インキュベーターと呼ばれる、細胞が生育するのに適した38度くらいの温度を保っている保存場所(温かい冷蔵庫のようなイメージです)に放置しておくという作業でした。すると、シャーレの中でものすごい勢いで細胞は増えていきます。また、細胞培養ということで、培養する細胞が外部からの微生物に汚染されるのを防ぐ必要があるというイメージはあったので、実験室に入る前は食品工場に入る前に行うような全身消毒と、白衣やマスクを着用するのだろうと思っていました。しかしこれも実際はそんなことはなく、手の消毒はしっかりと行わなければなりませんが、白衣の着用は必須ではなく、実験室に入るときも靴を履き替えるくらいの手順でした。ですが、実験の正確性に関わるような操作では、厳しいきまりや注意を払わなければならない点が数多くあります。例えば、薬品の入った容器のふたを開けるときは、その前にまずふたのあたりをガスバーナーで炙ることで滅菌し、開けたらふたの内側と容器の口をさらに滅菌します。さらに、微生物が上から落ちてくる危険性があるため、ふたをあけたシャーレの上で作業をしない、吸引器の先端を滅菌した後はすぐに培地を吸い取るなど、所々非常に細かい点で注意を払わなければならないこともあります。また、細胞がシャーレ内で増えすぎると死んでしまうこともあるので、適度なタイミングで「継代」という作業を行う必要があります。これは簡単に言えば、シャーレの中にいる細胞をさらに複数のシャーレに分けて入れることで、一つのシャーレあたりの細胞数を減らす作業です。この他にも、細胞のストックを作る作業を行うこともあり、手順の複雑さと注意点の多さで操作がスムーズに行えるようになるまでかなり時間がかかりました。
実習中はこの他にも、「電気泳動法」や「DNAマイクロアレイ」、「PCR法」など、生物の教科書で聞いたことがあるものの実際に見たことはない操作を、見学させていただいたり実際に行えたりすることができます。本当に新鮮なことばかりですし、非常に充実した学びの多い実習になっています。今回は細胞培養についてしかお話することができませんでしたが、近いうちに私が「医学研究科」で実習を行う中で感じたことや考えたことについてもお伝えできればと思っています。最後まで読んでいただきありがとうございました。
投稿者:仙台市立仙台青陵中等教育学校