東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

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令和3年度 活動ブログ

令和3年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2022.03.19

The Best Experience ~発表会~

みなさんこんにちは。山形県立鶴岡南高校1年伊藤さやです。

 令和3年度の「科学者の卵」も最終回を迎えたということで、私も最後のブログを書こうと思います。今回は「科学者の卵研究発表会」でした!!発展コースに選ばれた受講生、学校推薦型の受講生がそれぞれの研究発表を行いました。研究テーマは物理、化学、生物などの分野から幅広く設けられており、私の知らない分野も多かったため、みなさんの興味を持つ幅の広さを感じました。



 今回は、私も「微生物遺伝子情報を用いた 微生物群集構造解析」というテーマで発表を行いました。ここで少し、私の研究について紹介します。

 現在、地球環境を守ろうという意識が高くなっており、脱炭素化が求められています。そのような状況下、排水処理には多くのエネルギーが費やされ、海外の排水施設では微生物による排水処理を正しく行えないため、逆に微生物が温室効果ガスを排出してしまうことが起きています。また、排水処理を行う微生物の活動のために、酸素を送り込む必要があり、その工程にも多くのエネルギーが消費されています。実際、排水処理に使用される電力量は年間約70億kWhで、約211万世帯の年間電力使用量に相当します。このような問題を解決すべく、微生物の種類による排水処理を環境にやさしく行えないかと考え、この研究ははじまりました。

 私たちの実験は、テーマの通り、「微生物群集構造解析」です。3種類の反応槽

①下水汚泥を処理する反応槽 Digester

②産業廃水を処理する反応槽 Industry

③下水を処理する反応槽 Sewage

から合計12のサンプルを用意し、それぞれにどのような微生物が含まれているかを解析しました。

 この研究は排水システムを直接変えているものではありませんが、排水処理の違いによる、含まれている微生物の種類の傾向がわかることで、排水の種類によってより環境に良い処理の方法を見つけ出せるということに繋がります。

 発表を終えて、テーマと発表内容である、脱炭素化と微生物群衆構造解析の関係性が伝わりにくかったと感じています。また、キメラチェックについての質問もあり、発表しながら、キメラが発生しやすい遺伝子の特徴や含まれている割合も疑問に思いました。受講生の皆さんからの質問もなかなか鋭く、研究室で取られたデータが解析のデータになるまでの過程、結局現在の排水処理はどのように排水を区別して処理を行なっているのかなど、私たちもわからないようなものもありました。見落としていた点が見え、学びの多かった発表会となりました。

 発表の仕方にもたくさん反省点がありました。他の発表を聞き、見てわかるスライドではなく、説明してわかるスライドにしたかったと思いました。つまり、スライドに文字を入れることより、図や表を入れることを優先するということです。研究内容を理解してほしいという思いが強く、少し堅苦しい発表になったのが悔しいです。私たちがこれまでの講義で学んできたスライドを見返してみると、先生方のスライドのわかりやすさに驚きます。発表する側としての視点と発表を聴く側の視点に立ち、研究内容を短い時間でまとめきっていた先生方のプレゼンテーション能力の高さを感じました。

 また、実験結果の表やグラフを盛り込めばよかったと感じています。せっかく作った表を使わず、自分たちがその表からわかったことのみを取り上げ、考察していた点が発表することで指摘されること、疑問に思うことの範囲を狭めていたのかもしれないと思います。今回私たちが作成したグラフは種類が多く、1つの棒グラフの中に1%以下のものがたくさんあるグラフでした。私たちが悩みに悩んで選んだ、注目点を視覚的に示せたのであれば、さらによい発表となったと感じています。

 長い年月をかけた実験を短時間で発表するのはとても大変です。今回の反省を来年、学校でのゼミ活動に活かせるよう頑張ります。



 2日目の発展コースの実習のことも書こうと思います。

 朝の9時から夕方にかけて、実習を行いました。研究室は必ず手袋をし、異物が入らないよう、ワークステーション内で作業するのはもちろん、ワークステーション内での作業も異物が入らないよう、チップを保管してある袋の開け方やマイクロピペットの扱い方にも注意しなくてはならず、かなり集中力が必要でした。数時間に及んだ実験の結果は、なんと予想外なもので、増えているはずのDNA(ポジコン)が見られなかったり、増えていないはずのDNA(ネガコン)が見られたりと私たちの実験は成功とはとても言い難い結果でした。そこで、どうして失敗してしまったのか、原因を探りました。量の少ない試薬を入れたか確認できていなかったこと、目視が甘かったこと、チップの交換をどこかで忘れていたかもしれないということなど実験成功の難しさや求められる実験技能の高さを学びました。また実験をする機会があれば、今回のことを思い出し、気をつけるべきポイントを意識しながら取り組みたいと思います!



 さて、私のブログも終わりに近づいてまいりました。

 科学者の卵での1年を振り返って、悔しいこと、楽しいこと、もっと学びたいことなど、私の中で科学に対する思いが強くなった1年だったと思います。科学に対する知識が増えたことはもちろん、科学者としての考え方、大学の先に広がる世界や進路を考えられたことも大きな学びになりました。たくさんの受講生と仲良くなれたこともいい思い出です。興味を持っている分野が違うからこそ、様々な視点から指摘し、教え合い、ディスカッションで理解を深めていけた経験から、高校での学びとはまた違う楽しさを感じました。初めの頃はなかなか発言できず、感想止まりだった発言も、「絶対に科学者の卵での時間を充実させ、成長したい!」という思いから、とりあえず喋ること、意見を言うこと、質問すること、他の人の意見に反論することなど私自身も成長を感じられる一年でした。レポート課題も思考力、創造力、表現力を高めてくれたと思います。先生からのアドバイスもいただくことができ、私の言いたいことが伝わっているか、アイデアとして不足している点や他の視点からの考え方を掲示してくださり、科学者の考え方を学ぶことができました。さらに、留学生や大学生、大学院生と話せたことで進路を決めることができましたし、もっと勉強も頑張らないと!というモチベーションにもなりました。

 最後に、このような機会を設けてくださった先生方、事務局の方、私の学びを深めてくださった受講生の皆さん、メンターの皆さん、そして、この科学者の卵を支えてくださった全ての方々に深く感謝申し上げます。

 また成長した私でみなさんとお会いできることを願い、このブログを終わりたいと思います。

1年間本当にありがとうございました!

伊藤さや

投稿者:山形県立鶴岡南高等学校

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