東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

中間発表(工:田村秀人)

2017年11月24日 (金)


こんにちは筆入れはもう帰らぬものとあきらめた工学部の田村です。

野菜の栽培を始めてからはや約一か月半、中間発表を始めたいと思います。


(1)この展開ゼミを通じて、植物の発芽、生長を観察し、どの様なことが一番驚くべきことであったか。

 これまで野菜を栽培してきて一番驚いたのは植物の"種の持つエネルギー"についてです。まず、最初のガイダンスで種をもらった段階で種の小ささに驚きました。小学校の時育てたアサガオの種はこれの数倍の大きさはあったよう思えます。こんな小さい種から自分が思うような野菜が育つとはうまく想像できませんでした。そんな疑問を抱えながら種をまくと、もう次の日には根っこが出てきていて、鉢に植えるともう次の日には芽が出ていて、あの今までなんの変哲もない小さい粒の中にある力強さに感動しました。小さなきっかけでここまでエネルギーを爆発させるのは、ここぞというところで力を発揮するという意味で僕も欲しい能力だと感じました。

 また、記事にはしていませんでしたが、ロマネスコは最初発芽していなかったものも鉢に植えてしまい、一つ芽を出していないものがありました。失敗したと思っていたのですがほかの種たちに遅れること10日で芽を出しました。

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個性のあるやつだとかわいがりつつこいつは間引きせずにまだ育てています。のちに書きますが休眠打破の関係でしょうか?

20171124095247-bb0d54f9adc9e5287ad0ec856d6bc0b95ce66e0a.JPG スプラウトについては報告できていませんでしたがスプラウトはもう一日1センチくらいずつ伸び続け、もう収穫してもよいころです。スプラウトは種を水に浸しただけで肥料もあげず、暗闇で栽培したので種の中の栄養だけでここまで育つのには驚きました。(写真は2日間日光に当てています。)

やはり種というものはすごいなあと実感した一か月半でした。


(2)参考になった記事等

 まずは農学部の岡田さんの記事です。特に7回目の本葉の出方についての考察は自分は全く気にしていなかったことなのでとても面白かったです。また、農学部のこともあり、僕にはあまりない生物の知識からの考察はとても興味深く参考になるものでした。また、そのほかの記事でも対照実験を作り、比較することでその植物について考察を深めているので、自分もこのような科学的姿勢を学んでいこうと思いました。

 また、文学部の中里さんは室内での光を確保するためにアルミホイルの反射板など様々工夫しており、自分でも反射板を作ってみたりと室内栽培をしていくうえでとても参考になりました。

 そして参考と言ったら少し違いますがこの講座をとった時最初に昨年の沼澤さんの記事を見て、鉢植えでもこんなハクサイができるのかと感動し、自分もハクサイを栽培することに決め、現在のモチベーションにもつながっています。


(3)渡辺先生、研究室スタッフの方々のコメントからの気づきや参考になったこと

 2回目の記事へのコメントでロマネスコの徒長の対策として土寄せを指摘していただき、早い段階で土寄せを行うことができました。それのおかげで現在もロマネスコは健康に育っていると思います。また、この記事ではハクサイの水加減と比較しながらロマネスコの徒長原因を指摘してくださり、その後の水やりの頻度や、土の乾き具合の見方につながったと思います。

11月10日の渡辺先生の投稿では、肥料の与え方や水加減などネットからの知識だと自己流になりがちになってしまうものを研究室で栽培している実際の野菜を用いて解説してくださり、とても分かりやすく自分の栽培へすぐに生かすことができました。

ほかの方へのコメントではアドバイスに的確な科学的背景や参考を与えていて4回目の岡田さんの記事へのコメントの休眠打破のお話など自分の栽培に関係のないことでもとても勉強になり、楽しみながら読むことができました。


(4)残りの展開ゼミの講義を続けるに当たり、どの様なことに注意して、また、何を目標として、この展開ゼミの講義から何を学び、記事にしたいか

今までこの展開ゼミで野菜を栽培してきて、成長もやっと安定してきたと思います。安定してくるとだんだん惰性になってきてしまう傾向がありますが、毎日野菜を観察し些細なことへの気づきを大切にしていきたいです。

 また、今までは植物を育てるということだけに集中しており、他の受講生がやっているような科学的考察を怠ってきました。生物学の知識が欠如しているという問題はありますが、主観にとらわれず客観的に観察していくことは可能なのでこれからはその点に気を付けていきたいです。

 そして、今まではあまり下調べや、他の受講生の記事などを注意深く読むことをあまりしてきませんでした。しかしながら他の人の成功や失敗を有効に活用することで自分のものがよりよくなっていくことは言うまでもありません。これからはこまめにほかの受講生の投稿をチェックし、自分の栽培の糧にしていきたいです。

 最後に今まで渡辺先生からコメントで何度も指摘されていることですが、日々の投稿の文章が短いという問題があります。文章力の向上はこの展開ゼミの主眼の一つでもあり、このように記事を投稿するというシステムは格好のトーレーニングだと思います。やったことを淡々と書き連ねるだけではなく、読んでいる人にわかりやすく、また楽しめるような記事を書けるようにこれから頑張っていこうと思います。

コメント

工学部・田村さん

 こんにちは、遺伝の渡辺でございます。小学校の時のアサガオと比べると、アブラナ科の種子は小さいですね。種子の大きさと植物体の大きさに関係があるかといわれると難しいですが、マメ科の植物に「モダマ」というのがあります。研究室でも育てています。いわゆる、ジャックと豆の木のモデルともいわれるもので。ただ、基本は亜熱帯で育つものだと思うので、今の時期になると、落葉していますが。。。その種子は手のひらサイズですね。種子はいわゆる、元の植物から見たら、子孫です。それをいかに反映させるか。そのために、種子には一定の大きさまで生長できる「ちから」が内在しているわけです。それと同じようなパワーを身につけたい。是非、この栽培を通じて、学習してみて下さい。発芽の遅れは、そうですね、休眠の深さに違いがあったのかも知れないですね。基本、F1品種なので、そろいはよいはずなのですが、2-5%くらいは、F1種子でないものが含まれていてもよかったような記憶があります(移動中に書いているので、netが使えなくて。。。)。そんなちょっと変わったものは、かわいいですね。是非、最後まで他との違いを観察してみて下さい。

 今年の受講生の記事、昨年度までの記事、いずれも、栽培をする上でのヒントであり、モチベーションにつながると思います。しっかり活用して下さい。ラボスタッフのオガタくんの栽培状況のお知らせですね。今の時期、こんな感じというのは、皆さんのある種のヒントであり、目標設定になったのでは。今までの先輩方のこれはすごいというのを超えるようなことをやってみてください。

 中間報告は惰性を打破するという意味でも、振り返ってこれからを考えることにつながったのでは。工学部なので、もちろん、生物の知識は少ないかも知れないですが、実験の基本である「対象区」をおくというのは、文系の方よりも理解されることと思います。是非、そんなこれはということにチャレンジして、そんな時に、対照実験をして、なるほどというようなことにつなげて下さい。それから、最後にあった「文章力」をつけるということ。是非、後半戦で実践して下さい。これだけかけるわけです。できますし、楽しみにしておりますので。


 わたなべしるす