東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【出前講義】石川県立小松高等学校SSH集中講義-3(「高等植物の自家不和合性」、SSHポスター発表コメンテーター)(1/25)

2013年1月25日 (金)

 3日目も、昨日に引き続き、小松高校。SSH研究発表会でのコメンテーターと公開特別講義。昨年は、この公開特別講義を聴講してくれた兵庫・豊岡高校の先生とお会いしたことで、昨年末の出前講義につながりました。

DSCN5457.JPG 昨年も文理融合のような公開講義が社会科で行われていて、感動しましたが、今年は保健体育科。担当されている先生の名字が「越智」先生。数年前の市町村合併までは、愛媛県越智郡に多くの市町村がありました。今は、たしか上島町だけになったような。つまり、この名字の方のoriginは、渡辺の出身の今治の周辺の方。以前に伺ったときにお話ししたとき、聞いたのですが、大三島。村上水軍の大山祇神社があるところ。村上水軍の本拠地でもあります。今は、ここで体育の先生と野球部の監督をされているとか。講義では、「総合科学」として、メンタルトレーニングとして、「最強プラス思考の作り方」ということで、野球の話題から。渡辺にはとても入りやすい導入でした。高校生活だけでなく、人生では「プレッシャーの連続」。そう考えたとき、こうしたテーマを科学的に考えることは、大切なことだと。。。そのために、脳みその特性を理解して、「できる」というか、「絶対にやる」という気持ちなのかもしれない。さらに、やりたいことを想像、というか、「妄想」することが大事なことなのだと。。。研究でも、絶対に論文をacceptにするという信念と妄想が大事なのだと。。厳しい局面、つまり、1アウト満塁のピンチのような場面で、どれだけリラックスできるかが、勝負を分ける、なんとなく、和歌山県の箕島高校の監督をされていた「尾藤監督」の甲子園での姿を、この北陸の地で思い出させてくれました。

DSCN5458.JPG 午後からのポスターセッションでは、いくつかのポスターを見て、議論する時間がありました。年度初めに、物理に関する実験をするというので、あれこれと検討した結果、北陸本線を走る特急列車の音の計測をとなったようでした。ただ、列車の構造、線路の構造など、鉄道に関する基礎知識というか、基本的なことを理解してなくて、実験を行っていたのは、少し残念でした。ぜひ、普段見ているもの、やろうとするものについては、deepに理解するまで行かなくても、基本的なことは理解して、やることが大切だと。。。

 最後が渡辺の特別講義。講義としても最後となりました。1年生の理数科を対象に「自家不和合性」の講義。前日も数名の理数科の生徒さんが講義に来ていました。彼らは、昨年の10月にキャリア教育を行ったメンバーでした。最初に、普段食べている野菜などの花の名前。半分くらい、わかったのは、観察の大切さを理解できているのではと。。ぜひ、継続して、来年度の課題研究に活かしてください。花粉管伸長、自家不和合性の動画などは、やはり引きつけるものがあるのと、植物がそこまで考えていると言うことは、驚きだったようです。というか、これをきっかけに植物を見直してもらえたのではと。。。

DSCN5467.JPG 3日間に亘る集中講義でしたが、いろいろなことをこちらも学ぶことができました。何より、北陸での農業高校におじゃまできたことは何よりでした。この3日間、小松高校・翠星高校の先生方には、お世話になりました。ありがとうございました。特に、SSH室の先生方には、。。来年度も引き続き、よろしくお願いいたします。


 わたなべしるす

 PS. 最終日は前日までと異なり、冷たい風が吹く北陸の冬という感じ。朝は風が強いだけだったのが、昼過ぎから少しずつ積雪も。。。テレビで見るようなすごい積雪になったらどうしようと思いつつでしたが。。何とか収まり。。雪の研究の先駆者である、「中谷宇吉郎博士」の母校でもある、小松高校の校庭には、雪とそのモニュメントが。。。

DSCN5484.JPG PS.のPS. 午前の野球部の監督をされている越智先生のこともあり、何名かの野球部の生徒さんと話をする機会がありました。昨年の9月の「道標」にも書いた、夏の甲子園での熊本・済々黌のプレー。あの試合の翌日には、部内で議論になったとか。さすがと思いました。ちゃんとルールを理解して、科学的野球を考えているのはすばらしいと。

 PS.のPS.のPS. 以前mailをもらった生徒さんが、昨日の夕方の講義中に、来てくれたようでしたが、こちらが講義をしていてお会いできず、。。受験生とか。。。がんばってください。あと少しですので。。

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