【アウトリーチ活動】6/4(日)~6/10(土)のアウトリーチ活動(出前講義)(6/10, 11追記)
2017年6月10日 (土)
この週の後半は天候が不安定で。今回の出張中も雨が降ったり、晴れると暑くなったり。。。6月も不安定な天気なのか。。。関東当たりまでは梅雨入りしたようですが、東北は来週になるのでしょうか。世の中では、プロ野球の交流戦、サッカー日本代表のW杯予選。など、来週にかけても忙しくなりそうで。土曜日の石川県立金沢泉丘高等学校で話題にした、将棋の藤井聡太四段が24連勝と、と思ったら、25連勝に。。。。どこまで記録が伸びるのか。。いずれ、若い者に負けないように、。。。そう思わせてくれることが多かった今週だったような。。
6/9(金):小松市立芦城小学校・特別講義「ヘチマとそのなかまたち--実は、たくさんの仲間がいます--」
春の北陸遠征は、小松市内の小学校から。朝一の出前講義は芦城小へ。ここの小学校は「ヘチマ」を教材にして学習する「ウリ科の仲間」の講義。いつものようにwelcome boardがお迎えをしてくれ、最初に校長先生とお話の時間を頂き、ありがたいことでした。とても貴重な情報交換の場でもありますので。 4年生のこの時期であれば、ヘチマの播種を終えたところくらい。ただ、3年生までに、花壇の観察をしていた子供たちには、観察をしていたのでは。観察することは大事ですからと。で、講義では、ウリ科のキュウリ、ゴーヤ、カボチャ、スイカ、メロンの果実、種子、子葉、雌花などを写真で見て、それぞれから考えてもらうスタイル。ウリ科の雌しべは3つの心皮からできているので、その様子を理解するには、スイカ、メロンなどを横に切ると分かるのですが、高価なこともあって、キュウリ、ゴーヤ、ズッキーニを用意頂き、実際に横断面を観察。ズッキーニは形態はキュウリに近く見えますが、実際にはカボチャに近いというのは、驚きだったようです。
種子、子葉がよく似ていると言うことは驚きだったようですが、この出前講義をセッティング頂いた、元・小松高校・寺岸先生がゴーヤ、カボチャの幼苗を準備されて、それを使わせてもらったので、子葉の大きさの違いは実感として分かったのではないかと。これからの暑さが続けば、少し植え替えには遅いかも知れないですが、十分に苗が育つと思いますので。写真での学習だけでなくて、実物での学習をしてほしいなと。
最後になりましたが、波佐尾校長先生、北村先生、4年生の担任の先生方には、お世話になりました。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
6/9(金):小松市立安宅小学校・特別講義「キャベツとブロッコリー--何が同じで何が違うの???--」
芦城小の後は、海沿いというか、小松空港、小松基地の近くの安宅小学校。歴史に出てくる「安宅の関」で有名なところ。昨年は、安宅の関を訪問したのですが、今回は時間の関係で直接、学校へ。学校の玄関先には、welcome boardがあるとともに、川北町立橘小学校、加賀市立錦城東小学校でお世話になった東頭先生、中海小学校でお世話になった三星先生が。人のつながりはありがたいことです。校長先生は出張のようでしたが、開始まで教頭先生とお話を。こちらが石川県内に出前講義で来たとき、こちらの姿を見ておられたと。。。世の中、狭くて。。。常にきちんとしてないといけないなと。。。そんなことを感じた一瞬でした。 昨年に続いて、「キャベツとブロッコリー」。昨年も担当して頂いた先生もいらっしゃり、スムーズに。最初は、トマトをモデルに植物の形態の復習。種子が何のためにあるのか。子孫であり、それを食すというのは、。。どんなことなのか。殺◎罪にならないのか。。。もちろん、立場を入れ替えればと言うことですが。。。実際に用意をしてもらったキャベツ、ブロッコリーの横断面を見ながら、茎、葉、蕾など。
では、キャベツとブロッコリーは、同種なので、交雑が可能。その交雑した植物はどんな形をしているのか。グループごとに考えて、模造紙に書いてもらうわけです。書く時間は、25min。早めにできるところもあれば、時間ギリギリでというところも。いつもなら、延長するときもあるのですが、担当の先生から、できないで、それを見せて、そこから考えてもらうのも大事と。。。とても素晴らしい言葉で、こちらも安易に延長してはいけないのだと、反省しきりでした。
プレゼンをして、他のグループからシビアな質問を。相談をしながら、その質問への回答をしたり。こうした機会ははじめでだったかも知れないですが、物事を考える、しゃべる機会ができたのでは。で、最後は、渡辺から謎解き。両親の中間型になると思われがちですが、両親のどちらかに似ていると言うこともあるわけで。動物、人間などでも。。。植物学の形態のルールを守ること、それをベースに普段から観察することを大事にしてほしいと。。。
最後になりましたが、教頭先生をはじめとする関係の先生方にお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
6/9(金):小松市立中海小学校・特別講義「キャベツとブロッコリー--何が同じで何が違うの???--」
午後からは、中海小学校へ。写真にうまく写っているか、遠くに白山が。肉眼では見えるのですが、写真にすると。。。これを見ると、人間の眼がどれだけよくできているか、実感できるわけです。小松市内の小学校では、一番古くからお邪魔しているところ。講義を受けるその学年の児童の皆さんが、welcome boardを。ありがたいことです。 最初に、渡辺の自己紹介。四国・愛媛、東北・仙台、いずれも遠くの場所なのかも知れないですが、大人になったら、是非、いってみてほしいなと。昼前の安宅小学校に続いて、「キャベツとブロッコリー」。最初は、トマトで形態の復習。他に、似ている植物はないかなと。自然豊かなところもあって、たくさんの作物の例が。また、ここでも、種子を食べると言うことは、。。。という話も。何より、この小学校のすごいのは、実際に畑にあったキャベツを自分たちで解剖していたところ。キャベツの根っこを実際に見たことがあるという小学生は少ないような。また、ブロッコリーの食べているところは「つぼみ」。では、この2つの遺伝子を持つ、新しい植物の形は、どうなるのか。
6つのグループに分かれて、少人数なので、それぞれが役割を持って、模造紙に書くことができるのもよいところ。小さな学校のよいところで。実際に、キャベツ、ブロッコリーを解剖して、考えたものを実際に作ってみる班も。niceでした。多くの小学校では、数多くの色マジックを使うところ、ここでは、2色のマジックで。その2色をそれぞれ、キャベツ由来、ブロッコリー由来のものとして、書き分けている班が。これにはこちらが感動ものでした。数多くの小学校でこの講義をしてきましたが、こうした工夫をした児童の皆さんを見たのは初めて。普段の先生方の工夫であったり、子供たちの発想を大事にするからであろうと、ふと、そんなことを。
できたグループから練習をして、もちろん、時間内にどのグループも書き上げて。6つのグループというのは、プレゼン、質疑にはniceな数で。ゆっくり質疑の時間も取れましたし。6つのグループのうち、1つだけ、もう少し植物の形態のルールを覚えようねと言うところがありましたが、それ以外はすばらしい発想というか、不断の自然の中で、色々なものを見てきているのだなと。また、担任の角谷先生からも、子供たちによく頑張りましたというお褒めの言葉が。こちらも講義をしてよかったなと。
この小学校だけでした。忘れなかったのは。全体の集合写真。世界に向けて、情報発信。講義を始める前に、集合写真のことを担任の先生にお願いしていたから。。。だんだん、年とを取って、きちんと準備をしないといけないと。。。最後になりましたが、山口校長先生、担任の角谷先生をはじめとする関係の先生方にお礼申し上げます。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
講義の前に、少しの時間、校長先生と校庭で栽培されている野菜のことについて。自然豊かなところだけあり、学区内の方だと思いますが、野菜の管理のお手伝いをして下さっていると。スイカ、トウモロコシ、ナスなど、10種類近い野菜が、きれいに管理されていて。そうしたものを見ることができることができる素晴らしさと、例えば、管理が行き届かないと、だめになってしまう。つまり、どの子供たちのアサガオもきれいに花を咲かせてあげたい。でも、水やりを上手でないと、うまくいかない。そのうまくいかないことも1つの経験として大事なことではないかと。。。展開ゼミをやっていて、文系理系関係なく、子供時代にそうした成功、失敗を経験していたら、。。ふと、そんなことを。教育の難しさを改めて、感じた瞬間でした。とてもniceな時間でした。ありがとうございました。
6/10(土):石川県立金沢泉丘高等学校・SSH特別講義「農学・生命科学入門」
前日が小松市内で3つの小学校へ。この日は、石川県立金沢泉丘高等学校へ。今年で6年目。そういえば、東日本大震災の翌年から始まったのを、思い出します。昨年度は、同校の卒業生の辺本さんもということでしたが、今年度はD3。ここ一番、がんばらないといけない年と言うことで。SSHの先生方からも、応援のエールを頂きました。ありがとうございました。
講義は、前半に渡辺が研究を行っている「自家不和合性」の話。後半がキャリア教育。キャリア教育のスライドには、辺本さんが去年作成してくれたものも。去年に続いて、保護者の方などの外へも公開。最初に渡辺の履歴をSSH推進室主任の板坂先生から。照れくさいし、緊張する瞬間で。高校での講義の時、niceな答え、質問などをしてくれた方には、渡辺の別刷を。これからサイエンスをするきっかけになれば。。。それと前後して、渡辺、研究室と石川県立金沢泉丘高等学校との関係を。渡辺が東北大・農学部に入ったとき、渡辺も遠くから仙台まで来た方でしたが、この高校から来ていた方も。地元に戻り、農業試験場等で活躍。東日本大震災の時に、最初に駆けつけてくれたと。あと、先の辺本さん。あとは、渡辺の研究室のアルバイトの方、さらには、去年の展開ゼミの受講生。渡辺の高校での講義がきっかけであれば。いずれ、人の出会いを大事にしてほしいと。 前半の渡辺の研究である、植物の生殖、自家不和合性。ヒマワリの上にいるハチ。どこから来て、どこへ。季節感、種の障壁があることを実感してもらえたのでは。そのためにも、普段からの身の回りの自然を観察してほしいと。生命体である限り、基本、遺伝的多様性があることが重要で。。。そのために、生殖でいかに多様性を出すのか。自殖弱勢など、実感してもらえたのでは。それを避けるために、自家不和合性のようなシステムを植物は確立したと。動物だけがすごいわけでなく、植物もすごいわけです。また、研究者を目指すなら、これという研究者のもとで、世界一を目指してほしいと。生物、農学系であれば、Nature, Cell, Scienceでしょうか。。。
後半は、渡辺の小学校からこれまでを示しながらのキャリア教育。渡辺くらいの世代は、マジンガーZ、仮面ライダーなどにでてくる、博士、教授などを見て、その研究者像がかっこよくて。単純なことが人生のきっかけで。高校で、数学、国語、英語を学ぶ意味というか、こんなことを考えながら、学んでほしいと。また、何よりも大学に行くことが目的でなくて、大学でなにをするかを今の時代から考えてほしいと。そんな渡辺というモデルだけでなく、辺本先輩のモデルも。どこで人生が変わるか、分からないわけです。それをいかにつかむか。人生とはそんなものだと、渡辺も思いますので。
最後は、質問コーナー。渡辺が可能な限り、回答を。ゴールデンライスというVitamin Aの前駆体を多く作るようにしたイネ。(講義の中では、Vitamin Eというように間違えていました。失礼しました)。品種改良をやりたいと。うれしいですね。渡辺は、ハイブリッドライスでしたが、今は、CRISPR/Cas9という遺伝子編集もできると。渡辺は、自家不和合性を通じて、品種改良の基礎技術を構築というか、そんなことですが、これがきっかけで、渡辺の所で、ということがあれば、うれしいことです。あと、宇宙であったり、自殖弱勢の原理など、時間を超過して、30minほどの質疑の時間を。時間をoverしたこともあり、最後の集合写真を失念。申し訳ありません。是非、来年は。。。質問ができなかった方、mailでお待ちしておりますので。
最後になりましたが、今回の企画を頂いた板坂先生、村上先生をはじめとするSSH推進室の方々には、この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。講義の前には、校長先生、副校長先生、教頭先生など多くの先生と少しですが、お話する時間を。ありがとうございました。来年度もまた、伺えればと思いますので。
わたなべしるす
PS. 出前講義の前日の木曜日には、卵の卒業生というか、ひよこさんと議論の時間を。講義の合間を縫って、卵で学んだことが今の大学生活のどの様なことに活かされているのか。大学でのこの4年間で何を学んで、その先の進学、社会でがんばりたいのかなど、目標も定まりつつあり、なにより、たまごで学んだことがよい方向に行っているのだなと。卒業生全部の実態調査というのは難しいにしても、こうした機会に、意見交換ができるのは、ありがたいことで。。。痛恨は、写真を忘れたこと。。。立ち寄った駅でお許しを。。。 PS.のPS. 土曜の出前講義では、金沢泉丘高校でしたが、犀川をはさんだ近くで、皇太子殿下をお迎えし、第28回全国「みどりの愛護」のつどいが。「みどりの日」制定に関連したイベント。開催の時間帯に雨降りだったので、植樹など、大変だったのでは。植物を扱っているものとしては、「みどりの愛護」というのは、ほっとする言葉で。皇太子殿下の御臨席を頂いたので、金沢、小松という今回、出前講義でお世話になったところは、交通規制があったと。局所的な豪雨と交通規制は大変だったのでは。ふと、そんなことを。
PS.のPS.のPS. この時期の小松では、こんなケーキが。感動ものです。いつ拝見しても。ありがとうございました。 PS.のPS.のPS.のPS. 6/11, 8:15. 記事を書き上げたのは、出張からもどっての夜中。何か忘れたなと。今回も企画全体を統括頂いたのは、元・小松高校の寺岸先生。現職は。。。ちょっと、お許しを。こうした渡辺の活動を下支えしてくれている方がいるからこそ、いろいろなことができるわけで。本当にありがとうございました。教育、栽培に限らず、様々なことを議論・情報交換でき、ありがとうございました。これからの方向性がclearになったように思います。ありがとうございました。次は次年度になるのでしょうか。何卒よろしくお願いいたします。