東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【アウトリーチ活動】今治市立乃万小学校、吉海小学校、国分小学校、清水小学校、桜井小学校、吹揚小学校・ふるさと出前授業、愛媛県立新居浜西高、愛媛県立西条農高・香川県立観音寺一高・特別講義(6/17, 18, 19, 20, 21追記)

2019年6月17日 (月)

 先週末からの雨も、北海道へ。厳密に、梅雨入りの地域を理解してないのですが、関東以北は梅雨入りしていると思いますが、西日本には、まだのところも。前線の位置が微妙なのだと思いますが、梅雨の長さがどうなるのか、梅雨明けがどうなるのか、水不足、長雨など、農作物への影響が気になる、6月の後半。

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 6/17(月): 今治市立乃万小学校・ふるさと出前授業「花の不思議な世界」

 今年度最初は、今治市立乃万小学校へ。出前講義が始まる前の1hrあまり、今年度の実施の方向性、体制などについて、統括して頂いている村上校長先生との今年度の今後のことについての討論の時間を最初に。いつものように、たくさんの実験機材であったり、子どもたちの興味を引く仕掛けを拝見。こちらも貴重な時間でした。displayを工夫しないと。。。そんな風に思った瞬間でした。

20190617221337-9eb6ec3d765255b3681651a55abae335c7f317a2.JPG20190617221351-546f2432aae42d930ea347ea737a86312ae7eb9f.JPG 講義の最初に村上校長先生から渡辺の簡単な紹介に続いて、植物の花の形態について説明を。学校では、白衣を着ていることが多いことからでしょうか、「博士」といわれている村上校長先生。こちらがこの後の講義で必要な基本的情報について、花、受粉、受精のことを概説頂き、とてもありがたかったです。村上校長先生の話を受けて、渡辺から、受粉の電顕写真、動画を見ながら、雌しべと花粉の間で何が起きているかの説明を。雌しべから水を供給されて花粉がふくらむというのは、不思議な世界のようでした。

20190617222644-7e1a50ec0717db1d5798d5bc3d17f6623bef9f5b.JPG20190617222656-3ccd6403788e9b3f5c3485e87916471d72b0c0c0.JPG20190617222707-35ecb2fa10ccf9d71d30a844c638608535e1d92c.JPG リンゴの開花から結実。途中で摘果をする理由。もちろん、日本でしかやっていないような技術。その大事さと大事さを理解してもらえたのでは。。。遺伝的多様性を保つために存在している「自家不和合性」。こんな不思議な現象が雌しべの先端で起きているかと言うことについては、さすがに「おーーー!!」だったようです。

20190617223519-55a32abc0c7025c9dc80f31b6994e5076063182c.JPG20190617223536-9cad6890c932ba0a02808ac9547d348ee971ce84.JPG 講義の最後は、たくさんの果実を縦断面、横断面での観察。いつもは、リンゴの縦断面だけだったのを、横断面も。それに加えて、ウリ科のズッキーニ、カボチャ、メロン、スイカ。大きくなると、横断面の共通性を深くできるようになって。今までじっくり観察してなかった「模様」に気がついてからは、「おーーー!!」と。最後に代表の方から、今日の講義への感想、とてもしっかりしていました。よかったですよ。これからもしっかり身の回りの自然を観察して下さいと。最後になりましたが、たくさんの果実、渡辺の講義を分かりやすくする模型まで用意頂いた村上校長先生、5年生の先生方をはじめ、関係の先生方にお礼申し上げます。ありがとうございました。とてもよいスタートを切ることができました。

20190617223226-e8ed95c119f9bc2b7b44d01765b03e9ccacfb81d.JPG20190617223257-be59f87c7e85da329330cf02e4fd1c984f052d0e.JPG20190617223442-95e654398122aef78b47417e9c3a1ef7b8e2d5c5.JPG PS. 講義の前準備中に、懐かしい曲が流れながら、1年生が体育の時間。その音楽のテンポがよく、「気合い」を頂きました。ありがとうございました。

 PS.のPS. 今回の出前講義には、愛媛県教育委員会の委員をされている竹本先生が参観に。お忙しい中、ありがとうございました。講義が終わったあとに、今回の講義についての感想として、観察をすることの大切さを、児童の皆さんに。聞いていたこちらも感動を頂きました。ありがとうございました。今後ともご指導頂きますよう、お願い申し上げます。

20190617222401-156d520fe7bf5ab121b86eb46543f4dacd70e97c.JPG PS.のPS.のPS. 歴代の校長先生の写真の中に。音楽を教えてもらった先生がいらしたり。。。小学校の時にお世話になった先生を思い出すような写真も。不思議な世界でした。

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 6/17(月): 今治市立吉海小学校・ふるさと出前授業「キャベツとブロッコリー」

  海を越えるときの来島海峡の潮の流れ、青空を見ていると、夏のような晴れ間の中、午後からは、来島海峡を越えて最初の大島にある吉海小学校へ。学校の隣の畑では、今年も果樹の畑がしっかり管理されていて。玄関先では、welcome boardがお出迎え、ありがとうございました。午前中の講義との関係で、ギリギリの到着で先生方に心配をかけたのでは。。。申し訳ありません。

20190617225818-9e7a977c8b2b3d4115de2056b46ed53c32b0e3b3.JPG20190617230308-83450851eaee74d136bc693f1d60daf9de297bed.JPG20190617225832-0093653a9f8ab36fb0384f5db3f0ffc6e020ef0e.JPG ここでは、5, 6年生を一緒にと言うことで、昨年度とは違う講義の「キャベツとブロッコリー」。最初に、植物の生長の復習。子葉の展開、茎の伸長、本葉が出てきて、開花・結実。トマトを例にして。では、キャベツ、ブロッコリーでは。。数人の方でしょうか。自宅での畑仕事を手伝っていて、キャベツとブロッコリーの生長を知っていると。難しかったのは、キャベツがどうやって、茎が伸びて、開花するのか。で、実は、キャベツとブロッコリーは元々は同じ種。それを品種改良したのだと。。。それらの遺伝子を混ぜた新しい植物をとりのこ用紙(模造紙)に。ここからは、5, 6年生は、それぞれのグループごとに、それぞれがどんなコンセプトで、新しい植物を書くのか。もちろん、理科の植物の法則から外れないように。ということで。ここで気がついたのが、写真撮影を失念していたこと。。。あわてて、柳原教頭先生にお願いを。。

20190617230130-30c8969912a08d1fddcca5fe7771b2e40f01ed25.JPG20190617230145-7a2216d496226340407aa945f8d9fe7457dca4ce.JPG 5年生が少し時間がかかりましたが、なんとか、全員が揃って発表。最初は遠慮気味だったのが、質疑応答も、最後の方にはかなり盛り上がって。8つのグループのほとんどが植物の法則を理解して、きちんと絵を掛けていました。最後のところは謎解き。交雑後代には多様性があることも分かってもらったでしょうか。講義の最後に、代表からの挨拶。とてもしっかりしていました。頑張って下さい。

20190617230541-540b8e546de36c2028bd3cb20b64fd80a8aa0735.JPG20190617230551-3d39a6f06ef6958701e0deba963c0f31fb4a1151.JPG20190617230604-923a9633f243a277d88f6d8ad4de681230c6b092.JPG 最後になりましたが、楠橋校長先生、柳原教頭先生をはじめ、関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。2学年一緒なので、来年度は今の5年生と一緒に、別の出前講義ができるのを楽しみにしております。ありがとうございました。

 PS. この記事を書いている時間に、吉海小学校のHPに出前講義の記事を見つけました。ありがとうございました。


 6/18(火): 今治市立国分小学校・ふるさと出前授業「キャベツとブロッコリー」

 国分小学校が桜井小学校から新しくできて、今年で39年目になると。渡辺が桜井小学校に通っていた頃、渡辺の学年は4クラスでしたが、下の学年では5, 6クラスというのが多くなっていたような。。。講義の最初に、別府校長先生から渡辺のことを児童の皆さんの先輩だと。もちろん、別府校長先生が渡辺よりも先輩になるので、ひたすら恐縮でした。。。

20190618232633-b32ad54c1822e546447324b9416d00d610400d03.JPG20190618232644-75fa6b42ebf3b32144f57096ce85a36c48205fb5.JPG 昨年度は「花の不思議な世界」でしたので、今年度は「キャベツとブロッコリー」。植物の生長の決まりを理科の時間に色々な植物を材料にして学ぶ訳ですが、そのルールを「トマト」を2年生で栽培したと言うことで、復習を。では、今回のテーマのキャベツとブロッコリーの生長について。さすがに、周りに畑、田んぼがたくさんある地区。ずいぶん多くの方がその生長を見ていたのはよいことです。これからも是非、自然の観察を大事にして下さい。このキャベツとブロッコリー。元は、同じ植物種。同じ祖先から別れたと言うこと。つまり、2つの遺伝子を混ぜることができると。それを「とりのこ用紙(模造紙)」に、グループごとに書いてみようと。

20190618232924-6681b4a9e83c869836a1ff6f038870a52c40ef6d.JPG20190618232935-de5c5143c7436f5c165519a5765fe1ed9e36fd4d.JPG20190618232948-d06ddba2d9ec93bfded6a4437abde1ca10e20a77.JPG 5年生、6年生とも頑張って時間の中で、グループの考えをまとめて「とりのこ用紙」にそれを書いて。もちろん、時間があるところは、プレゼンの準備も。発表は5年生から6年生へ。こちらの時間管理がうまくいかず、最初の方は質問の時間が短くて。。5年生の発表には6年生。6年生の発表には、5, 6年生で。いずれの質問も的を射ている鋭いものでした。もちろん、こたえるのもしっかりしていて。これも昔から、理科専科の先生がいらっしゃるからだろうと。これからも自然を観察する心を大切にして下さい。最後は、謎解きというか、ルールを守って書いているほとんどの絵は間違ってないと。考える理科というか、1つ出ない答えがある理科というか。そんなことをこれからも大事にして下さい。

20190618233208-def6f82bf2683aaa71a831ab33376d499d8fe671.JPG20190618233219-a12824a00d7ca710b18010117e6ed5693ffa778c.JPG20190618233257-a21c5813185f8cb0fb7c82890506cf0f30caf487.JPG 最後になりましたが、別府校長先生、松本先生、5, 6年生の先生方をはじめ、関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。2学年一緒での出前講義。来年度は今の5年生と一緒に、リンゴの出前講義ができるのを楽しみにしております。ありがとうございました。

 PS. 講義の前後に、別府校長先生から桜井地区の歴史について、貴重なお話を。小学校の頃に色々なイベントで行っていた「国分寺」。そういえば、歴史の時間に、全国に「国分寺」を作ったと。そこに当時の科学の粋が集められていたと。なるほどでした。貴重な史資料も頂き、改めて、ふるさとである桜井地区を振り返ってみようと。ありがとうございました。

20190618232421-092d9a7b2fb0ffb4054832dd7293e53a8c8cdd53.JPG20190618232436-c2f0e4176ddf9500eacd52f0e62aec0b27a01c14.JPG PS.のPS. この記事を書いている時間、M6.8の地震が東北・日本海側で。緊急地震速報が流れたのは驚きで、3.11の時を思い出し・・。朝にならないと被害など分からないと思いますが、大きな被害がないことを祈りつつ。

 PS.のPS.のPS. 国分小学校のHPに今日の出前講義の記事がupload。速さに感動でした。ありがとうございました。


 6/18(火): 今治市立清水小学校・ふるさと出前授業「キャベツとブロッコリー」

 この記事をuploadしているのが、19日(水)。あれこれとあり、全てが、遅いペース。で、肝腎の18日(火)の午後からの清水小学校と国分小学校は隣り合わせくらいの比較的近くの校区。国分小学校には海岸線がありますが、清水小学校はどちらかと言えば、山際。それから、この4月から研究室のM1である矢野君の母校。学校との連絡でそんなことを話しておいたら、先生方は喜んでおられました。

20190619184117-ad1cbe436a7dcf1bfe415abad34da50a5d38e9ed.JPG20190619184215-568c137861ffb94b6eeb14a6534ee9c44198fa43.JPG20190619184312-b71724262530423be9241064644030685bd143e4.JPG さて、講義内容は午前中の国分小学校と同じ「キャベツとブロッコリー」。清水小学校の周りにも田畑は多いので、キャベツ、ブロッコリーの生育を見ている方は多くいて。何より観察すること、注意力を持ってみることは大事ですから。6年生、2クラスが10のグループに分かれて、キャベツとブロッコリーの両方の遺伝子を持った植物の模式図をとりのこ用紙に。絵を描いている間で、2つのクラス間に大きな違いはなかったような気がするのですが、。。。

20190619184430-2a19c8271800fb05924810776858a02a5612aacf.JPG20190619184525-4719886080b3f8d3e206a9e396cf61067d906d7b.JPG20190619184612-da48fec80365b58d2069635c749cb9d4d3631e39.JPG いざ、発表をする段階になると、ほぼ、じゃんけんをして順番を決めるのが、2つのクラスは好対照で、1組が先攻を希望、2組が後攻。また、発表で質問をするのは、1組。2組は困ったなという質問が来たら、グループ全員が集まって相談会。1組をoffensiveと言えば、2組がdefensiveと言えばよいのか。いずれ、好対照な2つのクラスでの発表。相互に交流して、それぞれのよいところを吸収するとよいのではと。。。もちろん、各グループの絵はよく考えて、描いていたと思います。若干、この形になったら、根っこはどこから出るのか、と言うことが困らないかというものも。。。その当たりは、また、理科の時間に勉強してみて下さい。

20190619184716-2348153af98dfff91b8d627656e82749642b0580.JPG20190619184813-97e566bba5ea2082efbd4da84137462e09feed82.JPG20190619184910-662ac747ce9526e40f3b77fdc2d1fcb6fad94154.JPG  最後になりましたが、菅校長先生、阿部先生、6年生の先生方をはじめ、関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。来年度、また、出前講義ができるのを楽しみにしております。

 PS. 講義の前後に、菅校長先生と昨今の教育事情についてdeepな議論の時間を頂きました。自然の中で失敗をしたり、チャレンジすることの大切さを改めて、実感できました。今回の議論をこれからの教育研究に活かして活きたいと思います。ありがとうございました。


 6/19(水):愛媛県立新居浜西高等学校・特別講義「農学・生命科学入門」

 日程の関係で、ふるさと出前授業は一端お休み。水曜日、木曜日は愛媛県内外の後攻への出前講義。その最初が、愛媛県立新居浜西高等学校。講義の設定を頂いている河野先生には、愛媛県立今治西高等学校に赴任されていたときから、お世話になっている生物の先生。昨年の秋に、3年生向けの講義でお願いされたのですが、年度が替わり、新しい3年生に。植物の生殖、自家不和合性の講義とそのあとに、農学部、理学部・生物、工学部・バイオ系の違いを講義する設定。50minという時間制限もあり、また、盛り上がりもって、自家不和合性と植物の生殖、遺伝的多様性のことを話すことで。give upに。。。というか、玄関先には、高校のキャラクターとwelcome boardがお出迎え。ありがとうございました。

20190619192746-44cc9372d861749c6e0aa97e26081dffbdedb6d3.JPG20190619192832-32e655e1faf55dd4b5d70201fa648933bf3300d7.JPG で、植物の生殖というか、そもそも、生殖をするのは、遺伝子セットを入れ替えるため。それは植物でも動物でも同じ。では、植物になぜ、自殖性のものがあるのか。これは、進化的な問題もあって、難しいところですが。。。そんなところからイントロで。受粉反応、自家不和合性の動画は、インパクトがあったようでした。では、受粉をしたあと、花粉管はどこを目指すのか。。。以外と小学校から習わないと講義では言ったのですが、実は、高校の生物で習い、ちょうどその領域が今回の中間試験の範囲だったと。その割には。。。あれ????????でした。

20190619192936-33aa7571fd578b1b8c455586f5ab82180964df45.JPG20190619210013-f726c0c938ef7052c0dffe8d62f36f80c2b8b9d5.JPG 生物の教科書の中で取り上げることが動物が多くなっていること、また、動物は動くので、植物は見劣りするのかも知れないですが、そんなことはなくて、意外とダイナミックに色々なことをしているということを理解してもらえたのではないでしょうか。大学での農学部などの違いを講義でなかった分、大学での研究室選びの大事なポイントを。そのことは忘れないように。講義の最後には、代表の方からしっかりとしたお礼の言葉を。ありがとうございました。しっかり受験を乗り越えて、頑張って下さい。植物を研究したい方、welcomeです。お待ちしておりますので。

20190619210127-921d305818f70fb23089e4871bd601e0cdc85477.JPG20190619210147-f053eb212bbc821213921179ff34cdb05d762a6d.JPG20190619210211-772298213e1e103c2a6dbe9f7f6854844e7247a2.JPG 最後になりましたが、玉井校長先生、河野先生をはじめ、関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。また、出前講義ができるのを楽しみにしております。

 PS. 講義に伺ってすぐ、玉井校長先生と昨今の教育事情について意見交換を。玉井校長先生には、以前、今治西高の教頭先生をされていたときに、出前講義でお世話になった方です。高校、大学とでどの様にそれぞれが教育することがよいのかなど、たくさんのヒントを頂きました。ありがとうございました。

20190619210328-871165e800b62452a98f8980c03b5b5d8d2f4972.JPG PS.のPS. 昨年の出前講義でも話題にした、新居浜市立金子小学校。あの当時、今治市立今治小学校でお世話になった岡田先生が教頭先生として、新居浜市立金子小学校に赴任しており、出前講義に。今年も3名の方が、新居浜市立金子小学校の卒業だったのですが。。。あれ????????、渡辺の講義は。。。本田校長先生、岡田教頭先生のことは覚えてくれていたのに。。。返却レポートで、お楽しみと言うことで。。。

 PS.のPS.のPS. 6/22(土) 8:00. 新居浜西高等学校のHPに出前講義のことが掲載されておりました。植物の不思議な世界の一端を理解頂けたようで、ほっとしております。ありがとうございました。


 6/19(水):愛媛県立西条農業高等学校・特別課題研究実習「作物の観察・管理と受粉・受精」

 午後からは、2駅隣の伊予西条駅で下車になる愛媛県立西条農業高等学校へ。農学部で助手をしていた頃には、圃場の草刈り、耕耘なども行っていたのですが、ガラス室を使うようになってからは、そんなこともなくなり。。年に数回かも知れないですが、こうしたところに伺うことで、自分の原点を思い出すきっかけになる、ほっとできる空間です。

20190620130338-1d543e7f52f008b4297d455616d46f7d399197f6.JPG20190620130424-63448d25804bff830c3802bf2b935ac4c7ae31a5.JPG20190620130520-6cdbe4b12a05be3a3a1ff30a3ad728e1f01e62e5.JPG 今では、SSH実施校で全校での課題研究を行っていますが、農業高校、工業高校ではそれよりも歴史があるとか。そんなで、午後から2コマを使って、圃場での実習。前半は、サラダ菜の収穫。もちろん、丁寧に行うことはもちろんですが、いかに効率よく、周りと連携を取るのかということなど、何かをやるときの基本的なこと。普段指導されている先生方のおかげで、よい連携を拝見。もちろん、こうした方がよい等の改善点は、こちらからコメント。

20190620130951-3a3fb1a7d0c5ec0475d24095dca325caa842761b.JPG20190620131056-fd3033dd82c3ed118eac43502ff3ee706c60688b.JPG20190620131440-07c9f5bb3cc9a1022ce77de77cf1ee6268bae28b.JPG20190620131543-f8cce056dcc7c02021fc0bfe92df592a72b0434b.JPG 後半の1コマでは、夏野菜の主力である、ナス科、ウリ科の開花から結実での実習、観察。小学校であったり、普通科の高校では、実際のものを見ることが難しいですが、その点は農業高校のアドバンテージ。ウリ科のスイカをモデルに受粉を。スイカの開花時間は早朝なので、午後からの自習には不向きなのですが、便宜的に雄花と雌花を切り取って、交配。意外と花弁が邪魔になったり、受粉すると、雌しべの先端の色の変化も理解できたのでは。これからがスイカの交配の時期。是非、つるにある状態でトライしてみてほしいと。

 ナス科のトマト。最近の育種の賜物と思いますが、色も赤だけでなく、形・大きさもかなり多様に。そんな中で、通常の「生食用」のトマトには、開花する前から花柄のところに離層の原基が。熟する頃には、はっきりして、そこから収穫する。蕚片の部分は残して。身の回りでは「加工用」のトマトの栽培はないと思いますが、離層形成がなく、機械収穫ができるようになっているというのを実物を見ながら実習。現物を見ると言うことの重要性を改めて、理解できたのではないかと思います。これからの実習に活かして下さい。

20190620132653-658232f6a9246e55b184ffc8d6d07d491a1910c3.JPG20190620132748-fe3836a4cf82f6ea962eb99168ed5f78ef93519c.JPG
 6/19(水):愛媛県立西条農業高等学校・特別講義「高等植物における生殖・受粉反応」

 出前講義の最後は、植物の生殖・受粉の講義。実習ではある意味、マクロな目で見たときの受粉。それを実際に、1つの細胞レベルで見ると。。あるいは、品種改良をするために持ち得なければならない「形質」は、どの様なことがあるのか。実際に栽培していたものでは、抽苔が始まり、収穫が困難になったものも。逆に言えば、普段は開花を見ることができないものを見ることができるということで。

20190620132856-005a8bede76d2b96d532357d5d5b69134f3b1940.JPG20190620132947-b8f9119e200003ba3990afb22bd2e12cf0c063c1.JPG そんな品種改良の主力は「F1雑種育種法」。つまり、すぐれた両親を選抜して、組合せ能力を評価して、F1品種にするもの。実際にやろうとすると、膨大な労力を必要とするのですが、受講していた生徒さんたちは、とても興味を持ったようで、この「育種」を自分たちで行いたいと。。。講義が終わったあとにも、どの様な作目でやるのか、その時の問題点はなど、自分たちの目標を見つけて、やってみようという感じはniceでした。

20190620133101-e103e59f7be0b998e60bf976f14e1fd138aae333.JPG 最後になりましたが、松永校長先生、別府先生をはじめ、関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。また、出前講義ができるのを楽しみにしております。

20190620130624-749cd74fde1646e18b0573a35e083d57f7290206.JPG PS. 別府先生とは異なる学科の先生が講義後、ベンケイソウの仲間の交雑手法などについて、細かな議論を。渡辺はこの類いはあまり詳しくないのですが、いずれ、同じ種でも自殖をしたり、個体間で交雑をすれば、多くの場合、栄養繁殖をしているので、新しいタイプは出現するのではと。。。講義の「育種」のところは、参考になったようで、こちらもほっとでした。


 6/20(木):香川県立観音寺第一高等学校・SSH特別講義「将来に向けたキャリア形成のポイントとそれを考える基礎となる課題研究のあり方」

 前日の新居浜、西条よりもさらに東に。県境を越えたすぐのところにあるのが、香川県立観音寺第一高等学校SSHを計画する段階からお邪魔していますので、かれこれ10年近くなったような。。。その分、自分は年齢を重ねているわけですが。。。これまでは「キャリア教育」が講義の基本でしたが、今年度からは「キャリア教育」と「課題研究」を融合したような講義に変更。学年全体で、課題研究を行うということから、なぜ、課題研究を行うのか、それをすることが将来のキャリア形成にどうつながるのか。

20190620151333-5124ab56af8264c6dbc983c9239557347e20e3f9.JPG 前半のキャリア教育のところでも、いつものように、渡辺のこれまでを履歴というか、子供時代から何を考えていたのか。渡辺が子どもの頃、クラスで骨折をするという友達がいたか。そんなことはほとんどなかったのですが、4月の福島県立福島高等学校での講義でも意外と多かったのは、子ども時代に上手にこけるこけ方を覚えてないのではと思えるdataでした。科学に興味を持ったのも、テレビを見ていて、「かっこいい」と思ったから。かっこよさだけで、科学を続けるのは、難しいのですが。。。実は。

20190620151359-1ebb54c36342ed963362f19bfdceab9f0f08b9a4.JPG 高校時代にやってほしいこととして、数学の解法を覚えるのではなくて、これが自分になじみやすい、理解しやすい方法を目指してほしいと。もちろん、論理的な破綻がないところで。それが、ある意味、覚えた答えを機械のように記すのではなくて、try and errorのように試みると言うこと。課題研究のやり方と同じようなものかと。また、将来、大学、社会で何をやりたいのか、それを高校時代に見つけてほしいと。それがキャリア形成で大事なことなので。

20190620151431-3834e7f9d7482dcf69b0978f90f7f51efb4a81a6.JPG20190620151455-482e94b5ae0a450d956170952fea32c31499a614.JPG いつもならこれで終わりのところを、なぜ、課題研究を行うのか、それを渡辺なりに解釈して、縦横の連係であったり、失敗から学ぶなど、もっと若い世代に学ぶべきことが残っているという課題があるから。そんなで、とある放送局の「ぼーと、。。。」という言葉が出るものを例に出して、自然の中にある不思議の背景に何があるのかを、グループ単位で考えてもらい、いくつかのグループで発表。意外と考えることが楽しいことで、自分を深めることになるのだと、分かってもらえたのではないでしょうか。

20190620151142-f13d21dcdf45e4ea85eeb9e97b35724fbff116c6.JPG20190620151231-507cc457c27d391f777692f5a50240d26a7d0edb.JPG20190620151300-49eefcce0d4c520b157f8ddb865ebefc1cc5a9d5.JPG 最後の質疑のところでは、数多くの質問があり、また、代表の方の挨拶もniceでした。今日のことをきっかけにして、課題研究、キャリア形成に活かして下さい。

20190620150942-73943d6964a7ada7ff6cb43f3da5220a586aa933.JPG20190620151029-a535be41fad81e72e30c60b58077c19651381f68.JPG20190620151103-acb8a6b931ca9e28c4458d80f4c45edcb736ab64.JPG
 6/20(木):香川県立観音寺第一高等学校・SSH理数科課題研究発表会

 午前中の講義に続いて、3年生のSSH理数科課題研究発表会。今年の2月発表会をさらに深めたものを、口頭発表。10の研究発表は、物理、化学、生物、地学と言う多様性に加えて、統計学も。プロチームのdataを解析して、ある種の提言をしているのは、1億総評論家という時代に則した興味深い取組でした。

 また、2月の2年生の時代の発表で終わることなく、この時期まで続けるというのも、なかなか大変なことだなと。発表形式も英語での発表と日本語での発表をほぼ半々で。3年生のこの時期まで課題研究で続けたことによる考える力を、半年後の大学入試に活かして下さい。そんな発表会でシビアというか、きっちりしていたのは、発表時間をコントロールする統括している司会の生徒さんの時間制御力。時間を守るというのは大切なことなので。

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 6/20(木):香川県立観音寺第一高等学校・SSH運営指導委員会

 午後の最後は、運営指導委員会。細かな内容はそれぞれの学校の重要ポイントと言うことで、ここでの記述はご容赦を。ただ、今年度から重点枠として、統計・数学を中心とした領域に特化したプログラムが採択に。これまでも、数学の石井先生を中心に、大きなdataを解析する「統計」の発表は数多くあったことから、なるほどなのですが。この重点枠で全国展開して、さらに発展する予感を頂きました。次の運営委員会が楽しみです。また、今日の発表会についての検討事項も重要な検討課題に。とてもdeepな議論になり。。。さらに、5年プログラムの中間年と言うことで、中間評価も話題に・・・。

20190620165609-33e4533efc886273a189fd2619f1026fad310467.JPG 最後になりましたが、多田校長先生、SSH主任・床田先生をはじめ、関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。次回は年度末の発表会になると思いますが、楽しみにしております。


 6/21(金): 今治市立桜井小学校・ふるさと出前授業「キャベツとブロッコリー」

 ふるさと出前授業も最終日。午前中は今治市立桜井小学校。渡辺の母校。玄関先でwelcome boardでお出迎えは、とてもうれしいことでした。で、校長先生、教頭先生とも前年度から一新。驚いたのは、校長先生は渡辺の小学校、中学校の一級下の学年の方。子どもの頃に、この小学校で一緒に色々なことをやっていたのだろうと思うと、びっくりでしたし、実際、中学校時代にお世話になった先生の話でも、驚くことが。。。。というか、講義の前後、そのようなことで、校長先生とお話しできたことは懐かしく、話の時間はあっという間でした。

20190622111111-2cfae859ac637e50f08380bdaf72509a45f90003.JPG20190622111702-971717595a1f4bae258650f82f22091dbd8299d8.JPG 講義内容は「キャベツとブロッコリー」。4つ目の学校。渡辺が桜井小学校を過ごした当時の建物は、昔は新校舎と言われていた今では一番古い建物だけですが、まさに、hometownにもどったという感じでした。そんな思いもあって、最初のイントロは、50年近く前と制服も変わらず、校庭の「ユーカリ」の樹、桜井の自然も変わってなくて。。。そんなで、桜井の自然を見て、道ばたの色々なものに興味を持って、生長してほしいと。そんなこと、最後に言えばよいのですが。。。本題のキャベツとブロッコリーの話をしたあと、グループごとに、両方の遺伝子を持った植物の絵を。

20190622111756-87b4e7540b6bdc2ae2a6934ebb0940f2a3828872.JPG20190622111848-cd12f94b96dc9bb2c1d055aa49b67d169ca17bf6.JPG 絵を描きながら、渡辺に質問があったり、こちらが気になることは、体育館なので、マイクを使って。hometownだと思うと、ついつい力が入り、子どもの頃、先生方に指導頂いたような口調になったり。。。11グループの発表で、茎をどの様に共有するのか、火曜日の清水小学校でもあったのですが、その問題点をしっかり指摘できる方がいたのは、今治の理科専科の先生方による指導の賜物かと。質疑応答は、なかなか難しいと思います。それでも、グループでしっかり相談して、議論すること、グループ全体で少しずつ責任を負うと言うことも。渡辺の後輩である「桜井小学校」の皆さんだから、色々と話をしたこともできると思います。頑張って下さい。いつもなら、発表の最後に、では、どんな植物になるかを簡単に解説するのですが、すっかり失念しておりました。担任の先生に話しておきましたので、聞いて見て下さい。理科のルールをしっかり守って、これからも学習して下さい。。

20190622111939-5c91ad9a4bdad05f7bef6c7238d9e02dad5ce2ec.JPG20190622151032-b80594654a3cafb1cad1a95f3873a8b29387c17e.JPG20190622151121-99fbe6b5eef523396e47d10f42f70dedb65adf43.JPG 山口校長先生との話の中で、校庭の「ユーカリ」の樹について。子どもの頃よりも背丈が小さくなったのではと。確かに、渡辺がはじめて伺った頃にも同じ感覚でした。また、台風などの影響でしょうか、枯れている大きい枝もあり、それらをどうしたらよいのか、こちらの専門である「植物科学」と言うことから、コメントがほしいと。樹木が専門ではありませんが、普段の生活の中でも、「樹木の健康」と言うことまで、なかなか気が回らないのですが、そんな繋がりでお話しできたのは、貴重でしたし、次の世代に残したい「大切な先輩からのバトン」ですから。最後になりましたが、山口校長先生、高橋教頭先生、6年生の先生方をはじめ、関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。来年度も楽しみにしております。

20190622111324-5defb92c7b939661a268da555ca6f7bd20cabeab.JPG PS. 給食の時間に、中庭の「トウモロコシ」の話を。通常、10本くらい植えると、雌雄異熟なので、うまく結実すると。なので、2本という限られた環境下でどれだけ結実できるのか、気になるところ。是非、観察をしてほしいと。写真の奥に見える教室が渡辺が6年生の時に過ごしたクラスだったと。。。懐かしかったです。

20190622111512-e6240d404a06fdc62cdf653d1fdd119d958419b1.JPG
 6/21(金): 今治市立吹揚小学校・ふるさと出前授業「花の不思議な世界」

 午後からは、いわゆる町中の学校である吹揚小学校へ。かつての今治小学校、日吉小学校、美須賀小学校、城東小学校が1つになり、最初に1年生として入学した方々が、今年の6年生とか。時間の流れるのは、あっという間なのだと。吹揚小学校では、毎年「花の不思議な世界」の講義。たくさんのリンごをを準備頂き、開花から結実までの講義を。初回の

20190622151449-01962c0c590e24c22a82b16b41a6c8ccdb97b9b1.JPG 自然の観察の大事さを校長先生とお話したあと、ということもあって、今の校庭の風景と3ヶ月前の風景の大きな違い。きちんと見ている方がいたのは、さすがです。その観察眼を大切にして下さい。で、最初は「花」に親しむと言うことで、花の名前。難しい名前もあったかも知れないですが、写真にある情報をしっかり読み解いて、名前を考える姿勢はniceでした。これからの理科だけでなく、学校での生活、普段の生活に活かして下さい。

20190622151536-81bba0fe4673082775fdf7a56a3b1e4e4d57ab41.JPG20190622151632-f46b9b83b02bd254ec10b29d2eb329e30ce0d795.JPG 日本では、リンゴに限らず、果実を大きくするために「摘果」を行います。なので、米国などのリンゴと比べると、大きくなります。では、なぜ、そんなことをするのか。ちょっと教科を超えた発想が必要で難しかったかも知れないですが、友達の発表を聞きながら、考えることの大切さを大事にして下さい。吹揚小学校でも動画は、不思議な世界。植物は動かないと思っているし、何かを区別できるとは。。。自家不和合性の動画で、なぜ、植物がそんなことをしているのか。しっかりと遺伝子という言葉を使って説明できたことはniceでした。遺伝的多様性をもたらす大事な自然現象。観察となると難しいですが、遺伝的多様性の重要性を考えてみて下さい。

20190622151848-acf3d53e3b8423ea0e3867724eced8d883add0e0.JPG20190622152024-890a8513f5290be6ca3502048d30bb024571aa64.JPG 講義の最後には、2クラスを代表して、今日の講義についての感想を。とてもしっかりとして、また、講義の内容もしっかり理解できていたのはすばらしかったです。これからもその気持ちを忘れないよう頑張って下さい。それから、講義の中で、これからの理科の時間だけでなく、普段の生活で大事なことを「約束」したかと思います。そのことをしっかり実行して下さい。そのことで、これまで以上に、自然の不思議が見えてくるようになりますので。

20190622152127-1a0d817e1f26de46a8912dcefe58f91a641c3d57.JPG 講義の前後に、高井校長先生と昨今の教育事情についての議論を。高井校長先生には、美須賀小学校、鳥生小学校時代にもお世話になっており、また、中学校にも長く勤務されたと言うことから、貴重な経験談などを伺うことができました。何より、自然を観察するというか、自然の不思議を子ども時代に感受することの大切さを議論できたのは、うれしい限りでした。ありがとうございました。また、是非、時間をいただき、お話できる機会というか、次年度も出前講義に伺うことができればと思います。最後になりましたが、高井校長先生、曽我部先生、6年生の先生方をはじめ、関係の先生方に、この場を借りてお礼申し上げます。来年度も楽しみにしております。

 これで、2019年度、1学期の「ふるさと出前授業」も無事、終わることができました。こちらの日程の関係で、6つの学校でしたが、2学期、秋にも「ふるさと出前授業」で多くの今治の子どもたちにお目にかかることができればと思います。最後になりましたが、統括をして頂いている今治市立乃万小学校・村上校長先生をはじめ、関係の学校の先生方には、大変お世話になりました。こちらもたくさんの刺激を頂きました。今回の学びを普段の教育研究に活かしたいと思います。ありがとうございました。

20190622152618-6b2a6e7c9f64f0bcd2adde73edca438c9f504f77.JPG PS. 講義のあと、小中高大連携を実現でき、3hrを超える激論で、今後の教育のあり方、これまでの歴史を振り返ることができました。ありがとうございました。また、こうした機会を設定頂ければ、幸いです。

 PS.のPS. 6/22(土), 11:00. 吹揚小学校のHPに出前講義のことが掲載されておりました。植物の不思議な世界の一端を理解頂けたようで、ほっとしております。ありがとうございました。


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 わたなべしるす



 



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