東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

News Release

【緊急告知】仙台放送ニュースアプリ「東北大コラム」、第2回「ゲノム情報の光と影」補足を掲載(8/12)

2015年8月12日 (水)

 1つ前のニュース記事に書いたとおり、仙台放送ニュースアプリ「東北大コラム」に「遺伝学から見た食卓革命」と題した研究紹介を8月17日(月)~21日(金)で行うことになりました。

20150812145700-f656034470a7fa94fbb42b519e9e27009946b233.JPG 携帯端末で読みやすい原稿量というのがある関係上、deepに知りたいと言うことについては、渡辺のHPとの連動企画としました。【補足】という項目をつけて。。。 第2回は「ゲノム情報の光と影」。【補足】欄は【補足-1】「遺伝子の暗号情報とは」、【補足-2】「塩基配列解析法」と題して。なお、この記事の掲載は、8月18日(火)、10:00を予定しています。

 【補足-1】遺伝子の暗号情報とは

 DNAには、アミノ酸をつなげたタンパク質を作るための情報が記されている部分があります。これを「遺伝子」といいます。DNAの4つの塩基は3つで1つのアミノ酸を示す暗号になっており、そのパターンによって刻まれている(コードされている)情報が異なってきます。たとえば、「ATG」という3文字は、「メチオニン」というアミノ酸を意味します。このアミノ酸を組合せることで、タンパク質が作られるのです(図4)。しかし、タンパク質をコードした遺伝子は、ヒトにおいて全ゲノム中1.5%と言われ、残りの98.5%はタンパク質をコードしません。長い間、これらは「がらくたDNA」とも呼ばれてきました。しかし、近年の研究でタンパク質をコードしないDNAも重要な役割があり、「がらくた」ではないことが明らかになりつつあることについては、本文にも記述したとおりです。

20150812145107-03870bdbb32f5edf94b2f3da6cd1b544cb4dcff0.jpg 【補足-2】塩基配列解析法

 遺伝子に刻まれた塩基の並びを決定することは、1980年代初めには限られた研究室でのみ可能な技術でした。1990年代初めになると、化学反応と蛍光物質を組み合わせることで、1回の反応で300文字程度の塩基を読むことができるようになりました(図5)。パソコンと組合せて、ある程度、自動で遺伝子の並びを決定する機械として登場し、「DNAシークエンサー」(遺伝子の本体であるDNAの並びを決定する機械という意味)と呼ばれるようになりました。時代と共に読むことができる長さ、自動化の程度、一度に処理できるサンプル数などが改善され、その改善と平行して、様々な生物の全ゲノム配列が決定されるようになってきました。

20150812145223-299919dba9f610cc9e6657c6d48329f06f7052ab.jpg
 わたなべしるす

 PS. コラムを読むためには、無料の仙台放送ニュースアプリのダウンロードが必要となります。詳細については、仙台放送ニュースアプリのHPを携帯端末でご覧下さい。

 


ARCHIVE