東北大学大学院生命科学研究科 植物生殖システム分野 渡辺研究室

2015年度海外調査 雲南調査③(2015.06.29)

2015年7月18日 (土)

雲南調査記③

629日(月)元陽:晴れ 昆明:曇り 

日の出は6時半頃と遅めであった。窓の外を眺めていると、坂の街に少しずつ光が差してくる。元陽は山上に位置する旧市街と、山を下りた谷沿いに新たに作られた新市街とがあり、行政機関や会社などは新市街に移されたが、住民の多くは気温・湿度ともに高く住み心地の悪い新市街を嫌い、狭くても気候の良い旧市街に住み続けているそうである。実際に6月末のこの時期、谷底の新市街と、山上の旧市街とでは、まるで別世界のように感じられた。7時に朝食、昨日棚田でみた赤米で作られた米線をいただく。色は赤みがかった灰色で、平打ち麺なので丸い中国箸を使っても滑らない。


RIMG0006.JPG
RIMG0002.JPG

730、ホテル近くの朝市を見学に行く。既に売る人買う人でごった返しており、足元にはとれたての野菜や魚が並ぶ。人々の民族衣装も色とりどりなら、並んだ野菜もさまざまである。見たことのないものも多く、名前や食べ方聞きたくとも言葉が通じない。中国の他の市場では肉類や穀類・乾物も多いが、元陽の朝市では9割近くが野菜・果物を売る店舗であった。

アブラナ科の野菜では、ダイコン・カリフラワー・菜花・菜心・白菜(大きさや長さなど数種類)・キャベツ・葉キャベツ・青菜・水菜などがあった。水菜の生産はまだ日本だけだと思っていたので驚いた。アブラナ科野菜は高原で作られるものが多いが、元陽の市場でみられた種類の豊富さは高地ならではだろう。

RIMG0013.JPG


RIMG0139.JPG


RIMG0105.JPG

帰りに米穀店ものぞいてみた。元陽で生産された長粒の赤米や香米も売られてはいるが、東北地方で作られた短粒米も多かった。元陽の香米は1斤(500グラム)で5元(約120円)ほどと決して安くはなく、日本の米価とそう変わらない値段であった。

ホテルに戻って荷物をまとめ、845出発。1000昨日来るときに通った果物の露店街で休憩、田さんにジャックフルーツ(1個約550円)をごちそうになる。甘くておいしいが、食後は口回りにスプレー糊を撒いたような感じになり、水で洗ってもとれない。中国ではジャックフルーツの種も、生を栗のように湯がいて食用にするほか、干したものがナッツ類と並んで売られていたりする。30分ほど休んで出発、1200に昼食をとり、1310出発。高速道路に入り、15時すぎに通海市内に入った。

1515に通海金山蔬菜批発(卸売)市場見学。通海一帯は雲南でも有数の野菜生産地で、近隣で生産された各種の野菜がこの卸売市場に集められ、洗浄・整形されたのち各地に出荷されていく。種子や野菜苗、農薬・肥料の販売店も並ぶ。市場内は午後でやや閑散としてはいたが、それでも所々で30人~50人ほどのグループが、スティックセロリやネギ・キャベツ・白菜などの洗浄・整形作業を行っていた。これもアブラナ科のコールラビをトラックに積み込んでいる人たちがいたので話をきいてみたところ、ここから貴州省へ運ぶのだという。直径15センチ前後と、日本で栽培されているものよりかなり大きい。


RIMG0197.JPG
RIMG0208.JPG

1550出発。途中、甘酒の販売所で休憩をとる。甘酒は中国語で「甜白酒」という。近くにには10軒以上の甘酒専門店が軒を連ねており、長粒のもち米を使った甜白酒は、この地域の名産であるらしい。店内には、赤米を使ったものやナツメを入れたものなど、甘味と酸味のかなり強い自家製の各種甘酒がならぶ。

1645頃、道沿いの農地を見学。ブドウやトウモロコシ畑・稲田の間に、大豆・トウガラシ・キャベツ・チンゲンサイ・青菜・白菜・ナス・いんげん・フェンネル等の野菜が植えられている。畦にはこぼれ咲きのアブラナも見られた。畑に植えられていた白菜は、手のひらほどしかない超小型の「娃娃菜」で、元陽の朝市でも大型の白菜はほとんど見かけなかったことを思い出した。中国でも、料理店で使われる大型のものと、一般家庭用の小型のものとに、品種が二分されているのだろう。


RIMG0244.JPG
RIMG0263.JPG

1710出発、研和から高速道路に入り昆明へ。19時頃ホテルに到着し、敷地内にある地元料理のお店で夕食をとる。雲南は野菜料理が中心で、味付けもあっさりしているので、日本人にはありがたい。食事のあと、飲料水などを買いに出て、2045ホテルに戻り解散。









TAG