(鳥山欽哉・佐藤雅志・江川式部)
2015年度 雲南調査備忘録(5) 「よく見かける白菜の置物」
2015年7月16日 (木)
2015年度 雲南調査備忘録(4) 「大根の漬け物」
2015年7月16日 (木)
日本から米麹を使った「大根のべったら漬け」と「干し大根」を持参して、イネの起源地であるとも言われてきた雲南で「大根の漬け物への米糠や米麹の利用」について聞き取り調査した。
昆明から元陽の途中に昼食に立ち寄った個旧の食堂のおばさんからは、「干し大根」はみたことあるが、「大根のべったら漬け」はみたことないとの回答を得た。亜熱帯地域ではあるが標高1700メートルを超える元陽の青口村の広場で会った農夫からは、大根を薄切りや細かく切ってから半乾燥状態にして、塩、砂糖、山椒、トウガラシをまぶして漬け物を作るとの回答を得た。一方、棚田で作業をしていた農夫からは、「干し大根」は冬場の食材として作ること、「べったら漬け」のような大根の米麹漬けを作っているとの回答を得た。彼は「ミャオ族は糯米の発酵したものを用いて大根を漬ける。ミャオ族は日本人の祖先だからね」とも言っていた。
元陽の朝市では日本に劣らない立派な大根が露天に並んでいた。
また、元陽から昆明への帰り道で立ち寄った通海近郊のみやげもの屋では「甘酒」が特産品として売られていた。「米糠」や「米麹」などの、発酵物を利用した大根の漬け物が雲南の少数民族で食べられてきたことがうかがわれた。聞き取り調査の件数が少ないため検証が必要であるが、興味深い情報であった。
(佐藤雅志・鳥山欽哉)
2015年度 雲南調査備忘録(3) 「元陽のハニ族のタネ屋も一代雑種(F1ハイブリッド)のハクサイを販売」
2015年7月16日 (木)
2015年度 雲南調査備忘録(2) 「大根おろしは日本独特」
2015年7月16日 (木)
今回の調査旅行では、日本からステンレスの大根おろし器を持参し、それを見せながら「おろして食べる」文化が有るか聞き取り調査を行った。昆明から元陽に移動し、食堂のおばさんや市場のおじさん、ハニ族とイー族の農夫にインタビューを行った。その結果、ダイコンをおろして生で食べることはないということであった。ただし、陶器のおろし器があり、ジャガイモをすりおろして料理に使うことはあるという話もあった。また、麗江や大理ではワサビをすりおろして豆腐を食べるときなどの薬味として利用するという話もあった。
(鳥山欽哉・佐藤雅志)
2015年度 雲南調査備忘録(1) 「アブラナ科作物として注目され始めたマカ」
2015年7月16日 (木)
雲南農業科学院の副所長He Jiangming 教授から、雲南地域で、南米原産の生薬として有名なマカが栽培されていることが紹介された。マカの学名を調べたところLepidium meyeniiであり、アブラナ科の植物である。Lepidium属の野菜として、ランドクレス(ガーデンクレス, コショウソウ; L. sativum)があり、日本ではスプラウトとして利用されている。マカがランドクレスと同じ仲間と知らなかったので、驚いた。
He教授によれば、雲南におけるマカの栽培面積は大根の約半分とかなりの広い面積で栽培されているということであった。麗江や中甸など、標高が2,400mから3,300mの高地で栽培されているそうである。マカの根を乾燥したものが昆明市内では500 gあたり360元で販売されていた。乾燥品の大きさは3cmほどであるが、形は聖護院ダイコン(カブ型の根)にそっくりであった。(鳥山欽哉・佐藤雅志)