徒長/土寄せ/間引き<辛味大根>(農:春日幹雄)
2016年11月21日 (月)
中間発表の次の記事です。今回は辛味大根を中心に取り上げていきます。
10月30日(日) 11時頃 最高気温16度 最低気温6度
肌寒くなってきました。前々回の記事では子葉が可愛く生えていましたが、今回はというと
一番右のものが徒長しています......。コメントでいただいた通り、日照不足が原因かもしれません......
また、名札に一番近いものは根が土にきちんと埋まっていません。少し土に深く差し込みましたが、茎がまっすぐ伸びていないため不安定です。この茎の伸びも徒長でしょうか。この日は忙しかったので土寄せは見送りました。
一番右のものは茎の長さが4cmほどでした。26日では1cmだったので、六日間で3cmの成長です。一週間弱で四倍にまで成長してしまうのは驚きです。
子葉は1.5cmでした。また、三つ全てから、子葉の間から本葉が生えてきています。とても小さいです。
11月1日(火) 9時頃 最高気温13度 最低気温10度
徒長している一番右のものの拡大図です。徒長が進んでいるのが確認できます。子葉の分岐よりも下の部分は紫色なのですが、これは何の色素なんでしょう。
茎と子葉の長さはあまり変わらず、本葉は0.6cmほどでした。
不安定な状態なので土寄せをしました。土は祖母からもらい、この記事で植木鉢に用意していたものを使いました。
徒長しておりとても不安定なので、そうっと土をのせてやさしく固めました。このとき、何cm土寄せを行ったのか測定しておけば良かったです。そうしておけば、植物の背丈を正確に測れますね。茎ブロッコリーでは測定します。
11月8日(火) 9時頃 最高気温14度 最低気温3度
本葉は一枚目は大きく成長し、二枚目まで生えてきました。
徒長も土寄せの効果がでてきており、安定しています。
他に辛味大根を育てている方があまりいないので祖母に見せたところ、そろそろ間引きをした方が良いのではないかと助言をもらいました。
ですので、この日に間引きをしました。残すのは一番右の発育が最も良いに決めました。これは発芽の時点から一歩リードして成長していました。
あまり遠慮せず間引きしました。すると
根の方は紫色なのが確認できました。土寄せのとき確認できた紫と同じだと思うのですが、なぜ紫色の色素があるのか......植物の色素についても調べ物コーナーで扱う予定です。
間引きしたあとはスッキリとし、成長しやすそうです。茎は5cm、子葉は2cm、本葉はなんと5cmでした。茎と子葉はあまり成長していませんが、その代わりに本葉が成長しています。それだけ本葉は重要なのでしょうか。子葉と本葉の働きについても調べ物コーナーで取り上げていきたいです。
間引きしたものは水で良く洗い、勇気は少し必要でしたがそのまま食べてみました。すると、カイワレダイコンのような辛味を感じました。初めて自分で育てたものを食べてみて、感動です。
ダイコンの葉も食べられそうなので、実ったときには葉まで感謝して、自分の成果を噛み締めて食べたいと思います。
以上で観察日記はおしまいです。
以下、調べ物コーナーです。今回は中間発表での反省を活かして辛味大根についてです。村上君の記事と小澤さんの記事を参考にしました。
育て方などは調べていたのですが、何科なのか、あの食べる部分は何なのかなどまでは調べていませんでした。今回はそこを深く調べてみました。
名前:カラミダイコン。吹散大根と呼ばれることもある。(吹いて散るというのは気になったので由来について調べたのですが分かりませんでした。予想としては、草木が散ったりするとき(11月)に収穫できるという意味でしょうか)
分類:コマツナ、ブロッコリー、キャベツと同じアブラナ科であり、その中のダイコン属に分類される。なお、サトウダイコンはダイコンと名前が付いているが、ダイコン属でも、アブラナ科でもない。
歴史:江戸時代の元禄(1688~1704)の頃、栽培され始めた。最初は京都の原谷市で多く生産されいたため、今でも京野菜の一つとなっている。
特徴:直径3~5cmと通常の大根と比べると小さい。白い部分は茎と胚軸と根が肥大化しているものである。
味:水分をあまり含んでおらず辛味が強い。これは大根にイソチオシアネートという成分が含まれているからである。細胞にはイソチオシアネート前駆体と酵素が別々に存在しており、その細胞が潰れることでイソチオシアネートが生成され辛くなる。大根おろしにすると辛くなるのはこのためである。
冬は細胞が凍らないよう糖分をためこむため辛味は弱まるが、夏は腐るのを防止するために辛味が増す。
時期:寒冷地の場合、播種期は3月中旬~5月下旬 8月下旬~10月上旬、収穫期は種まきから約40日後。
温度:生育初期は0~30度、生育適温は17~20度。寒さにとても強い。これは冬になると細胞に糖分をためこむ力が大きいため。
参照サイト
http://www.yasainavi.com/zukan/daikon.htm
http://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/page/0000029281.html
http://nipponsyokuiku.net/syokuzai/data/069.html
http://american-memorials.com/1/?p=362
http://trendnews1.com/asaiti/5399/
http://www.geocities.jp/fkyh21012/migisita/biological/plant/daikon.html
あまり夏と冬での味の違いについては意識していなかったので、辛さが違うことは知らなかったのです。気温によって糖分をためたり辛味成分をためたりと対応していることは驚きでした。動物は触覚で暑かったり寒かったりするのを感じますが、植物はどうやって感じているのでしょう。これは調べても分かりませんでした。動物みたいに表面に感覚器官があるのか、それとも温度によって生体内の合成反応が上手く進んでいないのを感知しているのか。そして、その感知によって糖分や辛味成分を増減させるだなんて。徒長を含め、やはり植物は凄いですね。僕なんかは今までのんきに大根おろしの辛さを味わっていましたが、そんな環境を耐え抜く深い反応があるというのは凄いです。
以上で今回の記事は終わりです。
コメント
農学部・春日さん
遺伝の渡辺でございます。中間報告以来ですね。中間報告以降、皆さん、投稿されていますが、それまでの投稿記事で残っているものを投稿してくれているのを多く見かけます。今回だと、10/30-11/8までの。それはそれとして、もちろん、大事ですが、現状がどうなっているのか、その報告をしっかりして下さい。でないと、この講義の特徴の双方向の意味がないです。何をどうコメントしても、その処理をしてもらっても、意味がないかも知れないと思わないですか。他の受講生の記事もしっかり読んで、コメントも。対応して下さい。
わたなべしるす