東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

【中間発表】これまでの反省とこれからの展望。(法:岡崎和奏)

2025年11月28日 (金)

目次

はじめに

(1)植物を育てて驚いたこと

(2)過去の記事から学んだこと

(3)コメントから学んだこと

(4)双方向の講義でよかった点、そうでなかった点

(5)これからの注意、目標

おわりに

はじめに

 サムネは親が買ってきてくれた謎のレアチーズケーキ味ねるねるねるねです。

ここ一週間インフルエンザでダウンしていたため今急いで書き上げます!!

(1)植物を育てて驚いたこと

 この学問論演習の植物を通じて特に驚いたことは、植物は何を考えているかわからないというか、今どんな状態なのかがわからず、自分も何をすればいいのかわからない。ということに驚きました。

 例としては、カブリーニ(小かぶ)の根が大きくなってきたのですが、いつが食べごろなのかわかる気がしません。さらにジャス(ホウレンソウ)に至っては、栽培に適した季節ではない冬であることから、タネ袋の記述ほど大きくはならないだろうと考えているし、もしかしたらもう食べてもいいんじゃないかとさえ思っています。

 また、意外と何もしなくても育ってくれること、裏を返せば、どれほど光が大事かということに驚きました。授業が始まる前にざっと過去の記事を見てみて、過去の受講生は生育に苦戦している印象が強かったのですが、日当たりのいいところにおいておくだけでぐんぐん育ったので、「光=栄養、ご飯」というのは真なんだと実感しました。

(2)過去の記事から学んだこと

 2020年度の粥川颯人さんによる必見を謳う最終発表の記事を見つけました。

https://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/as-vegetable2019/2020/01/28154516.php

https://jspp.org/hiroba/index.html

いろいろ後輩のために書いてくださっています。

私は次の記事で「どうしてかカブリーニの葉が赤すぎる気がする」と書くつもりでしたが、このページより、水はけが悪かったんじゃないかということに思い至れました。

(3)他の人へのコメントから学んだこと

私はそんなに今年のほかの受講生のコメントは見ていなかったのですが、伊東さんへの徒長に関するコメントが興味深くて面白かったです。私は初回にミントを去年枯らしてしまったと言ったと思うのですが、高校に元農家の先生がいて、原因を聞いたときに「これは徒長だよ。日光が足りない」と言われたので、なかなか徒長には悪い思い出が残っています。

(4)双方向の講義でよかった点、そうでなかった点

 よかった点

・間違いをすぐ正していただけたこと

特に肥料の量です。ちゃんと計算したため合っているだろう、間違っていたとしても大した差ではないだろうとタカをくくっていたのですが、これだけでは必要な量の半分程度で、少なすぎるとのことだったので、教えて頂けてありがたかったです。

・自分一人じゃないというモチベーションになる

講義型の授業だとみんなで一緒に受けているのにもかかわらず、その日の授業が終わったら挨拶もしないで別れることもザラにあって孤独を感じることも多いため、みんなの活動がネットでのぞけるたり、先生たちからコメントをもらえるのはとても楽しいです。

・自分で考えたことを褒めてもらえるとやる気が出る

pHの測定だったり、AIの使用だったり、自分で試してみたことに一個一個反応をもらえたのは嬉しかったです。

・"授業を飛ぶ"ことができないような圧力がある

先生とオガタさんさんが一つ一つの記事をしっかり見ているため、「うー忙しい」となっても投稿を続けるしかないのが良いところだと思います。私も今それに苦しめられているところですが、ありがたいことです。

 そうでなかった点

・双方向というと、自分からも発信するフェーズが多く必要になるわけで、なかなかコンスタントに記事を上げ続けることができなくてきつかった

・課題に直面した時に、自分で何かを決断して記事にしてからでなければオガタさんからのコメントがもらえないため、後悔すること(カブリーニの間引きや間違えることもあった

すぐその場で聞ける対面授業であればいいのにと、そのときは思いました。しかし、自分で考える時間があるからこそ考察を立てたり自分でネットや先達の記事を調べたりする力がつくのかなとも思いました。

(5)これからの注意、目標

 ずばり、コンスタントに週一投稿ができるようになること。

 また、最終発表の時には今日の中間発表のようにぎりぎりの提出にならないことを心掛けたいです。

 具体的な栽培の注意としては、これから寒くなるのですが、どの記事で見たかは忘れてしまったのですが、「植物は自分で熱を出さないのでラップとかプラスチックで包んでも風は防げるかもしれないけど特に意味はないよ」とオガタさんか渡辺先生がおっしゃっていたと思うので、ビニールハウスはしないで行こうと思います。こんなふうに、ちゃんと科学的知見をもって動けるようにしたいです。

また、大須賀さんも言っていたし、もともとオガタさんにも言われていたのですが、数字的な計測を通じた定量的な観察を後半は心がけていきたいと思います。

総じて、時間が必要になるので、前半よりも今後はもっとこの学問論演習に時間をかけていきたいと思います。

おわりに

もっと計画的に、余裕をもって課題を終わらせられるように頑張ります。

2500字を超えておらず、申し訳ありません。

コメント

岡崎さんこんにちは

 中間報告と最終報告については、いつものラボスタッフ・オガタではなく、渡辺教授からコメントが付くのが定例となっています。しかし今、教授が飛び回っているのでなかなかコメントを付けられず、しばらくお待ちください。尚、もちろん中間報告自体は読んでいて評価もしているのでご安心下さい。

 まあ、早急にコメントすべきことが一点のみあったので、それについて書き添えます。

 それはビニールハウスの話です。例年、受講生の中には「夜に植物が寒いだろうから毛布でくるむ」という発想をする人がいます。こちらが「植物は熱を出さないから温まらない」、そして「夜でも野外の気温で構わない」、だからそんな操作は不要だとコメントしても、なかなか理解されないことが多くて......

 いわゆるビニールは塩化ビニールという特定の化学物質のことですので、以後はプラスチックフィルムと言い換えますが、そんなプラスチックフィルムで覆いを作っても熱が逃げるのを防げません。しかしここでとっても大事なことは、それでもプラスチックフィルムには意味があります! というのも夜間が問題なのではなく、昼間に「太陽光の熱で温度を上げる」働きをするからです。

 それがなぜ大事かというと、昼間に太陽光を浴びて植物が光合成をしますが、その反応に一定の温度が必要です。たいていの植物は5℃以上ないと光合成反応を起こせません。逆にその温度以下ではいくら太陽光があっても無駄であり、それどころか植物に害になったりします。

 そこで「昼間に温度を高める」ことが重要なんですね。しっかり光合成をさせる意味で。では昼間に温度が高くて、夜間には低くて、植物は平気なのか......実は平気なんです。まあ昼間に30℃以上にもなればさすがにまずいのですが、25℃程度なら全然大丈夫で、そこで夜間0℃になってもオッケーです。人間は「恒温動物」ですからそんな温度変化には耐えられませんが、植物は構いません。

 余談ですが、以上の話は植物の中でも「温帯植物(たいていの作物、もちろんダイコンやホウレンソウも含め)」で通じる話です。これが「熱帯植物(バナナとかライチとか......)」になると話は変わってきます。熱帯植物は寒さに対応する必要がそもそも無かったので、絶対的に必要な温度があります。それは種によって程度が異なるのですが、例えば贈答用の立派な花鉢である胡蝶蘭はだいたい夜間8℃が限界であり、それ以下だとゆっくり枯れていきます。

 ともあれ、繰り返しですが「温帯植物には昼間の温度が大事」、「加温設備のないただのプラスチックフィルムでも意味がある」、ということですね。

ラボスタッフ・オガタ