【研究成果】イネ葯低分子RNAの網羅的解析と耐冷性との比較解析をGenes Genet. Syst.に発表(国内5研究室との共同研究; 10/13)
2016年10月13日 (木)
地球温暖化と言われますので、コメの品質に影響を与える高温耐性というのが、登熟期に問題となりつつありますが、イネの作付けの北上を可能にしたのは、耐冷性であり、そのメカニズムの解明は、重要な研究課題であり、渡辺の研究室でも、Oda et al. (2010) Genes Genet. Syst., 85: 107-120.として、葯での発現遺伝子をと耐冷性の絡みで網羅的に解析してきました。渡辺の研究室の「始祖:origin」ともいえる附属農学研究所時代にも、斎藤報恩会のサポートを受けて設立され、耐冷性研究にも資金援助・研究がなされていました。
今回は、2010年の研究材料とした「ひとめぼれ(耐冷性強)」、「ササニシキ(耐冷性弱)」を同様に用いて、冷水掛け流し圃場として、古川農業試験場にお世話になり、2010年の遺伝子がどの様な低分子RNAによって制御され、耐冷性にどの様な遺伝子が関連しているかについて、国内5研究室との共同研究で行いました(Maeda et al. (2016) Comparative analysis of microRNA profiles of rice anthers between cool-sensitive and cool-tolerant cultivars under cool-temperature stress. Genes Genet. Syst., 91: 97-109., https://www.jstage.jst.go.jp/article/ggs/91/2/91_15-00056/_article)。この論文は、pdfを freeでdownloadできますので、興味のある方はぜひ、ご覧頂ければ、幸いです。
なお、このGenes Genet. Syst.の91巻2号は、科研費・新学術領域研究「ゲノム・遺伝子相関(Correlative Gene System: Establishing Next-Generation Genetics )」の特集号として、編纂されています。別記事に掲載しますが、植物ごとの処理条件を超えて恒常的に発現する遺伝子の解析の論文も掲載されています。そちらの記事も参照下さい。
わたなべしるす