東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

令和元年度 活動ブログ

令和元年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2019.10.14

科学尽くしの三か月

 こんにちは。岩手県立盛岡第一高等学校の佐々木あゆです。

 さて、またまた私の話から始まってしまいますが、今回は少々特別なお話をしようとこの文章を書き始めました。聞いたことがないという人は多数いらっしゃると思うのですが、ぜひ皆さんにも行ってほしいと願いを込めて「数理の翼」についてお話ししたいと思います。8月12日~16日の5日間で数学や物理、生物、地学、化学、宇宙理論といった様々な分野に特化した高校生40人と、この「数理の翼」の同窓生を中心とした大学生の方とともに、日本のみならず国際的に活躍している研究者の方々の講義を聴講したり、参加者同士で教えあったり、レベルの高い事象について淡々と語る方もいて自分は圧倒されました。個人的に岩手県で一人という状況下の中で不安を胸に会場に向かい、話についていけるだろうかと緊張していました。しかし、固まっていたのもつかの間「数理の翼」がいよいよスタートしたのでした。セミナー自体の詳しい内容は記載できないのですが一言で表すとこの5日間は怒涛の日々でした。本当に一瞬で過ぎ去ってしまった印象も大きいのですが、その分とても密なものでした。5日間は過ぎてしまったものの、第40回で一緒に過ごした方々と様々なツールでつながることができとても嬉しく思っています。(なんとこの科学者の卵で運命的再会を果たしました。)言うまでもなく、この「数理の翼」は私の人生においてのターニングポイントになっているのです。

 まだまだたくさん語りたいことはあるのですが、時間の都合上、ここで割愛させていただきます。科学者の卵に参加している方の中で少しでも興味を持ってくださった方はぜひ声をかけてください。

 さて、今回は科学者の卵養成講座第4回目。盛岡から仙台の往復はさすがに慣れてきて、この往復中の小話もいつかこの場をお借りしてお話ししようと思っています。今回も余談から始まってしまったので、本題はスムーズにいきたいと思います。

 まず最初の講演は、科学・社会・生命倫理と題して長神 風二先生にご講演していただきました。形式はサイエンスカフェというもので、同じテーブルの人と話し合って自分にはないものの見方や考え方を発見することのできる場でした。具体的にどんな題について話し合ったのかというと「今から10~20年後に初めて実用化されそうな技術を想像してみよう」というものでした。今考えてみると、実用化が予想される技術ではなく自然と、実用化してほしい技術を考えていた気がします(笑)。その後、出てきた技術を使ってどんな悪用方法があるかを考えると驚くことに芋づる式に出てきてしまうものなんです。新しい便利な技術はそれほど大きな責任を負っているということです。ここで私が思うことは、のちにご紹介するパネルディスカッションのお話とも関係するので、その時にお話しようと思います。科学者になり、科学に触れるということの責任と、技術を発信することに対する一般論は切っても切れない関係にあることを心にとめていきたいです。

 お昼ご飯は科学者の卵に参加してから初めてとなる東北大学の学食を食べました。やっぱりご飯は温かいのが一番だの言いながらおいしくいただきました。次はカレーに挑戦しようか迷っていますが、なぜか東北大学の学食はカレーの種類がたくさんあるので優柔不断な私には高いハードルかもしれません。

 さて続いては、私の大好きな化学のお話です。私の学校の担任が化学であることもあり、なんとなく入りやすかったのかもしれませんが、一番の魅力は日常に触れ合う機会が豊富にあって、五感で感じられる唯一の教科だということです。百聞不如一見と漢文でも見るように視覚情報はインプットされるし忘れにくいともいわれます。そんな素敵な化学について今回は化学反応の場を探ると題して滝澤 博胤先生の講演を聴講しました。滝澤先生は極限環境下、すなはち非日常の環境を反応の場として新しい材料を創製するという研究を行っています。ご講演では従来に活躍していたものではなく、新物質、新材料が化学の画期的な成果をあげる契機の一つになるという、なんとも新鮮な考えから始まりました。また、私が最も驚いた事実は酸化アルミニウム(Al2O3)の豹変劇です。知っている人も多くいると思うのですが、この酸化アルミニウムはサファイヤ、ルビーなどの美しい姿に変化することができて、形態による違いが材料としての機能も変えることができるのです。一つの物質の多様な側面を感じた瞬間でした。

 第四回目の最後に待ち受けているものは東北大学と京都大学のコラボ企画としてパネルディスカッションでした。京都大学は多くの著名な科学者を輩出しているイメージがあり、私にとってどんな出会いがあるのかとても楽しみにしていました。ユニークな渡辺先生の進行から繰り出される5人の方々の討論は一筋縄ではいかず、今までにない視点の考えも多々ありました。ここで、先ほどサイエンスカフェの紹介の時にお話した話題に戻りながら続けたいと思います。パネルディスカッションの中で大きなテーマとして挙がった「科学は社会・世界を幸せにするか?」ということについてです。ここからは完全に個人的主張になるのでご了承ください。先ほどお話にでた「科学者の責任」についてですが、パネリストの方々の中には社会や世界を幸せにするのが科学者であるとおっしゃる方や、未だ幸せにできるかは分からないという方もいらっしゃいました。私の考えとしては、科学によって見つけ出された様々な技術は目的の前に位置するものだと思います。例えば、こんなことに困っているからこんな新しい技術を生み出した、ではなく、こんな技術を生み出したらこんなことにも使えた、というほうがメジャーな気がするように、今現在困っていることに対する研究というよりは、技術を生み出して、こんなこと、あんなことに使えるかどうかを実験していくこと自体が私たち社会全体が行わなければいけないことなのだと思います。科学者が幸せにするのではなく、幸せになるかもしれない今日にそのきっかけを提供してくださるそんな役割を担っていると思います。私たちが幸せであるかどうかは、社会全体が素晴らしい技術をうまく活用することができるかどうかにかかるものであると思うし、あってほしいと思います。そこまでも科学者の責任だといわれたら変な重荷になってしまいます。理想形態は、科学者と社会が連携しているような形だと私は思っています。

 こんな偉そうなことを言っていいのかと最後に思い返したところ、新鮮さを求めていこうとこの文をあげてみます。

もう高校二年生の半分を終えて、今になって漢文にはまっているところです。そろそろ受験だなんやと騒がれるだろうと思いながら毎日を過ごしています。私と同じように日々勉強に追われている方に向けて、漢文で締めようと思います。

 日に勉めて之を積めば、何の難きことか之れ有らん。

投稿者:岩手県立盛岡第一高等学校

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