秋田県立能代高等学校二年の中村響です。
第6回である今回の講義は、
笠田先生による「私とあなたのエネルギー問題~核融合炉がツナグ未来~」
佐貫智行先生による「次世代素粒子研究施設:国際リニアコライダー(ILC)計画」
の2つです。
まず、最初の講義「私とあなたのエネルギー問題~核融合炉がツナグ未来~」についてです。私の講義を受ける前のテーマの印象は、これから核で発電をするための研究をするのか、とあまり良いものではありませんでした。なぜなら、私の中では核と聞くと福島の原子炉や東海村JCO臨界事故、広島に投下された核爆弾、海外ではチェルノブイリ原発の爆発事故、さらに使用し終わった放射性物質の処理の問題など問題点のみイメージしてしまうからです。
放射能を持った物質は、人間が完全に制御できるようになるまでは使うべきではない、や講義中に紹介されたように原発を利用しないという決断をする国が少しでも増えた方がよい、と講義開始前には考えていました。
しかし、講義を拝聴した際に、核融合の「燃料資源が無尽蔵にある」、「温室効果ガスを排出しない」という利点には大変魅力を感じました。私は笠田先生の言葉を借りると「環境保護論者」で再生可能エネルギーやバイオマスエネルギーが中心的に利用されるべきだと考えています。それらのエネルギーと同程度しか温室効果ガスを発生させない、さらに、資源に困らないというのは非常に画期的です。
しかし、核融合炉が実用化され、普及してしまうと石油や化石燃料を輸出して利潤を得る国の経済が破たんしてしまうのではないでしょうか。これは、電気自動車や水素ガスを燃料とする自動車の開発において、問題だとよく耳にします。
石油の主な産出国であるサウジアラビアや石炭が多く産出されるオーストラリアと友好的な関係を築いている日本はこれらの化石燃料を不要とするものの普及や開発を許すでしょうか。国際的な問題とも折り合いをつける必要がありそうです。
更に、核融合反応も核分裂よりは微小とはいえど、被爆の可能性があるということが核融合炉の実現を阻むと考えます。私のように人間が核を利用し続ける事に否定的な意見を持つ人は多いと考えます。その方々を説得する事は難しいのではないでしょうか。
以上の点や講義を聞いて核融合について多少の知識を得た私の意見は「技術の進展で核融合炉の安全性が上がり、核融合で発電を行う事で莫大な電気エネルギーを生み出せるようになり、更に国際的な対立が起きないようならば、是非実用化してほしい」です。
講義をしてくださった先生に対して大変上から目線で失礼な意見だと捕らえられるかもしれませんが、そのようなつもりはないと弁明しておきます。
核融合が将来の私たちの生活をきっと豊かにしてくれるはずだと希望を持っています。
次に二回目の講義「次世代素粒子研究施設:国際リニアコライダー(ILC)計画」についてです。量子力学については、知識に明るい友人から日頃、話を聞く機会が多いため、予備知識をたくさん持っていましたが、講義を受講して初めて知ったことも多く、受講していてとても楽しい講義でした。
また、量子力学は謎に包まれたことが多く、講義の受講中に私の中に多くの疑問が残りました。
まず、磁力は素粒子同士の光子のやり取りに反応して発生すると言う事に対してです。
疑問一つ目:磁石に反応する金属である鉄、ニッケル、コバルトは光子のやり取りの仕組みが他の金属とは違うのだろうか
これはインターネットで調べたり、詳しい友人に聞いたりしてもわかりませんでした。ポートフォリオの質問から先生に直接質問させて頂こうと思います。
疑問二つ目:ダークマターはなぜ見えないのか
これは講義中に私なりに考えてみました。
考察一つ目:ダークマターは光子の反物質なのではないか。
電子と陽電子が互いに存在を打ち消し合う様に、光子にも反物質があるのではないかと考えます。太陽などの恒星が放出した電波や惑星が反射した電波が、ダークマターに到達すると反射せずに存在自体を消されているのかもしれません。
しかし、これではダークマターの性質である重力レンズ効果を説明できません。
そこで重力効果に着目して、考察二つ目です。
考察二つ目:現時点ではダークマターに到達した電波が重力レンズ効果によって屈折させられ、光が反射しないのではないか。
考察一と考え方は似ています。人間の目は物体に衝突して反射して、目に対して垂直に入射した可視光線のみを情報として脳が捉えます。ダークマターはもしかするとすべての光子を屈折させていてそれが原因で観測が出来ないのかもしれません。
天体については知識が乏しいため、自由な考察をしてみました。
しかし、今わかっていることが確かであるとは限りません。天才天文学者の考察より私の考察の方が正しいことも十分あり得るのではないでしょうか。そう考えると科学研究は夢だらけですね。私が大学進学後に行った研究でパラダイムを変える可能性があるようです。
一層、大学生活が楽しみになってきました。
投稿者:秋田県立能代高等学校