東北大学・探求型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業))

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令和元年度 活動ブログ

令和元年度 活動ブログ養成講座の活動を記録しています

2019.12.14

卵からひよこへの成長記録その6

 群馬県立中央中等教育学校の栁澤日和梨です。

 今日は講座6回目で慣れてきたということもあり、いつもより少しだけ遅く家を出ました。それでもまだ空は暗かったです。冬の朝は遅いなあと実感しました。

 

 さて、今日の講座は、恒例の英語交流サロンからでした。しかし内容は今までと全く違って、ディベート形式でした。テーマは、「高校生はSNSを積極的に利用すべきである」です。

 賛成、反対のどちら側につくかは当日指定されるということだったのでドキドキしていました。私は、反対側の立場でした。

 今日お世話になったのは、アフリカのモザンビーク出身の留学生の方です。母語がスペイン語で、南アフリカで英語を勉強された後、日本に来られたそうです。トリリンガル、本当に憧れます。

 そんな留学生の方が司会を進行してくださって、ディベートは始まりました。賛成、反対2人ずついる班でお互いの意見を英語で主張しました。

 あらかじめ司会の方から聞かれる質問はいくつかわかっていたので、両方の立場の意見を考えて行きました。ただその他にもいろいろな質問をされたので、英語で答えるのが本当に難しかったです。

 特に、大人にとってSNSは必要か、という質問には頭を悩ませました。高校生にとってSNSは必要か、という質問になら、反対側の立場として堂々と意見を言えたのですが、大人にとって、となると答えに詰まりました。

 今回の英語交流サロンは、英語力というよりディベート力が試された気がします。今日は思うようにできなかったので、次回のサロンではきちんと自分の意見を言えるようにしたいです。

 

 午後最初の講義は、福本敏教授によるご講義「哺乳類の進化における歯の重要性について」でした。乳歯の歯髄からiPS細胞をつくることができるということや、銀歯には金が含まれていて使い古したものを売るとお金になるということなど、興味深い内容ばかりでした。

 私が特に印象に残ったのは、講義のはじめにあった、乳歯とエナメル質の必要性についてです。

 まず、乳歯の必要性についてです。私も昔から「乳歯ってすぐ抜けちゃうのに、なんで生えているのかな、何か意味があるのかな」と思っていました。端的に理由を述べると、「長生きをするため」です。

 乳歯は完成するまでに2年ほど要し、永久歯は10年要します。もちろん丈夫なのは永久歯の方で、きちんと使えば150年もつそうです。弱いけど早く生える乳歯によって、生まれてすぐにある程度の食事を取ることができ、遅く生えるけど強い永久歯を持つことでその後も継続的に食事をとることができるのです。そのため、長生きするためには乳歯は必要不可欠なのです。

 次に、エナメル質の必要性についてです。エナメル質は、歯の表面を覆う物質で、ヒトの中で一番硬いです。ダイヤモンドの硬度を10とするモース硬度では、7に当たります。これは、ナイフでも傷がつかないレベルだそうです。

 先日、チリで歯の頑丈なネズミの化石が発見されました。この発見によって、「動物がエナメル質の歯冠を発達させるのは、誤って砂の混ざった土を口に入れたときに歯が摩耗するのを防ぐため」だと提唱され、大きな話題になりました。エナメル質が丈夫なことで食べ物をたくさん食べられます。このことから、エナメル質の厚さが、動物の寿命を決めているのではないか、と考えられました。つまり、エナメル質があることも長生きすることにつながるのです。

 人間は、二つの歯を持つ上に、エナメル質が比較的丈夫であるため、地上で繁栄することができたのだという先生のお言葉に、なるほどと納得しました。

 長生きするために、自分の歯を大切にしようと思いました。

 

 午後二つ目の講義は、浅井圭介教授によるご講義「進化する航空機〜ライト兄弟から火星飛行機まで〜」がありました。米国空軍博物館の「ゼロ戦」の修復をお手伝いされたこともあるという先生からお話を伺えて、とても貴重な経験になりました。

 講義のタイトルにあるように、ライト兄弟の偉業についてのお話がありました。今日の講義は、ライト兄弟をはじめとしたたくさんの科学者が登場して、飛行機のことと同時に歴史のこともいろいろ学ぶことができました。

 航空工学の始まりは、15世紀末。かのレオナルド・ダ・ヴィンチがオーソニプター(羽ばたき機)を作りました。その後19世紀に、ケイレイ卿が飛行の問題を初めて科学的に扱い、揚力(浮かばせる力)と推力(進む力)を区別しました。当たり前のことのようですが、この発見は偉業で、彼は「近代航空学の父」と言われるほどになりました。

 しかし当時、飛行機なぞ飛ぶわけがないと思われていました。それを払拭したのがライト兄弟です。彼らは飛行機はもちろん人工的に風をつくる「風洞」まで自ら作って、ついに人類初の有人動力付き飛行を成功させたのです。

 また、今日の講義では、ペーパープレーンを飛ばしてみるという企画もありました。はじめは葉っぱみたいにくるくると回って落ちるだけだったのですが、講義の内容を生かして一工夫すると、スーッと飛びました。秘密は翼に上半角をつけること、それから頭にクリップをつけることなどです。上半角とは、飛行機の翼や鳥やチョウの羽のような、V字型の角度のことです。こうすることによって、ペーパープレーンの回転を防ぎます。また、頭にクリップをつけることによって、上下の安定性が増すのです。

 それから、火星飛行機についてのお話も、大変興味深いものでした。火星飛行機とは、現在新たな火星探査方法として検討されているものです。火星の大気は、もちろん地球とは全く異なり、そのためには火星飛行機の構造を工夫しなくてはいけません。

 火星飛行機で想定される環境を模擬するために、浅井先生は、火星大気風洞を作られました。これは世界で唯一、東北大学にしかないそうです。私も一度、見学をさせていただきたいです。

 身近にいろいろある飛ぶものにもっと目を向けて、いろいろ調べられたらいいなと思いました。

 

 今年最後の講座でした。いつも書いていますが、講座の終わりがどんどん近づいてきていて、その度に寂しさを感じます。

 来年の目標は、一回り成長した自分になることです。そのために冬休みしっかりと頑張ります。

投稿者:群馬県立中央中等教育学校

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