皆さんこんにちは。群馬県立中央中等教育学校の栁澤明日美です。
今日は2つの講義がありました。
1つ目は滝澤先生による「化学反応の場を探る〜マテリアルデザイン・デザインと新物質探求〜」です。この講義では主に化学組成・結合・原子配列とマイクロ波加熱の2つについて学びました。その中でも特に私はマイクロ波に興味を持ちました。マイクロ波は電磁波で、電子レンジなどに使われています。食品を温めている際、電子レンジの中では1秒間に24.5億回も電場・磁場が振動しており、電磁波がレンジ内をものすごいスピードで駆け巡っている状態となっています。24.5億回なんて想像もつかない数で、実際この目でその瞬間的な速さを確認してみたいですが、マイクロ波は目に見えないので確認することができず残念です。
また、マイクロ波加熱には物質の自己発熱の他に急速加熱や内部加熱など様々な種類があることに驚きました。コーヒーを電子レンジで温めた際、コーヒー自体は熱くなるのに対し、カップやソーサーが熱くならないのはこれらの加熱が関わっているからです。このように、電子レンジの中の食品は電子レンジによって温められたのではなく、マイクロ波によって食品(物質)自体が発熱したと言うことができます。講義の後、電子レンジで温めたココアを飲んだのですが、これにマイクロ波があたってこんなにも温かくなったと考えると、なんだか不思議な感じがして飲みづらかったです(笑)。
話は変わるのですが、今日の講義で、青色発光ダイオードは窒素ガリウムの結晶をつくることから始まったことを知りました。ノーベル賞を受賞するような偉大な発見も周期表から元素を化合することから始まったと考えると、周期表を作成したメンデレーエフさんの先見の明は素晴らしいなと思いました。
2つ目は佐貫先生による「次世代素粒子研究施設:国際リニアコライダー(ILC)計画」です。
まず、素粒子とはあらゆるものの素となる粒子のことです。素粒子には電子、アップクォーク、ダウンウォークの3つがあり、私達人間もこの3種類の素粒子でできています。これらの3つの素粒子、バラバラにならないのかと疑問に思う方もいるかもしれません。私も最初、これらがくっついてギュッとなっている図を見た時、何かの勢いで崩れてしまわないのかと不思議に思いました。バラバラにならないために素粒子と素粒子をつなぐ何かがある(力が働く)ことが必要で、この素粒子間に力を働かせて繋ぎ止めるのも素粒子というそうです。
講義タイトルにもあるILCは国際線形(加速)衝突器のことです。線のように細長く、この両端から電子と陽電子を加速させ、真ん中で衝突させます。これは2026年頃から、岩手県の北上山地に建設予定だそうです。最初北上山地に建設予定と聞いた時、なぜ北上山地が選ばれたのか疑問に思いました。私は、山地のため災害が起き津波が発生した際に被害を小さくすることができるからだと思ったのですが、先生が「地盤が非常に良いことと振動がない場所であることから」とおっしゃっており、納得したと同時にILCはとても精密な機械であることが分かりました。
最後に、前回のミニ講義の「科学記事を読みこなす:地球の未来を考える討論会」の発表会がありました。環境・社会問題として、私の班は海洋プラスチックの汚染を挙げたのですが、他の班では貧困や里山の減少、感染症などを挙げていました。同じテーマでも班ごとに目的や対策が違っていて、聞いていて「なるほど」と思うことが何度もありました。この発表会を通して、今世界で問題視されていることや、それらを食い止めるために自分に何ができるのか学ぶことができました。また、発表スライドを作るにあたって班の方達と数日間話し合いました。コロナの影響で他の方と深く交流することができなかったので、ネット上ではありますが話し合うことができ嬉しかったです。
最近急に寒くなってきて、冬が近づいてきたなと感じます。風邪を引かないよう体調管理には十分気をつけて、次回の講義も元気よく参加したいです。
投稿者:群馬県立中央中等教育学校