東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

[41日目]中間報告(文:山田佳歩)

2015年11月19日 (木)

こんにちは。文学部一年の山田です。

いよいよ11月も半ばになり、天気もなかなか落ち着きませんね。冬はもうすぐです。

さて、今回の投稿は、中間報告ということで進めていきたいと思います。一か月、植物と向き合い栽培を続けてきました。ほぼ経験や知識がなく、その上参加者の中でも唯一の文学部でしたが、知識がないからこそ発見できたこと・気が付けたことがあったのではないかと思います。

以下、報告になります。よろしくお願いいたします。


まず、この一か月の栽培に関する記録を報告いたします。

[カイワレダイコンの栽培記録]

10/09 07:00 カイワレダイコンの種を水に浸す

10/09 12:00 種を回収、一部を播種

10/09 20:00 残りの種を播種

10/11 08:00 発芽を確認

10/12 12:52 黄色だったカイワレダイコンの葉が緑色に変化していることを確認

10/12 13:00 根元から葉までの長さ、最高のもので4cm

10/13 08:00 〃最高のもので5cm

10/15 10:17 〃最高のもので8cm

10/22 18:00 収穫

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[ハツカダイコンの栽培記録]

10/09 21:55 シャーレ、プランターに分けて播種

10/11 06:00 シャーレの種の発芽を確認

10/12 08:00 シャーレで発芽したものをプランターに移植

10/12 08:00 プランターに直植えした種の発芽を確認

10/13 08:00 シャーレ→プランターに移植したものの発芽を確認

10/15 10:20 間引き、土寄せ

10/22 15:20 本葉が生えそろうことを確認

10/25 23:00 土寄せ

11/19 07:30 土寄せ


(1) 中間発表までに、この展開ゼミを通じて植物の発芽・生長を観察し、一番驚いたことは?

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[カイワレダイコン]

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カイワレダイコンに関して今までの栽培で感じたことは、市販のカイワレダイコンのように、長さをそろえて、適切な硬さと色味に育て上げることの難しさです。自分自身で播種、発芽、生長、緑化、そして収穫を終えた際は、多少収穫のベストなタイミングを逃したものの、初めてにしてはまずまずだったのではないかと感じていました。しかしながら、市販の物と比較したときに、その違いに驚きました。

  • 市販の物はすべて長さが揃っている。一方で、私が栽培したものは長さにばらつきが見られた。
  • 市販の物はみずみずしさが感じられた。また、独特の苦みや辛みがあった。
  • 市販の物はほどよい硬さがあったものの、栽培したものは少し柔らかかった。

栽培するだけでも初心者の私では精一杯でした。消費者においしく食べてもらう野菜を育てている方々が感じているご苦労は、きっと並大抵のものではないのだろうと感じました。この栽培を通して感じることができた「栽培の難しさ」を、これからの栽培の中でも、また普段の食生活の中でも、大切にしていきたいと思います。

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[ハツカダイコン]

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ハツカダイコンの栽培を通して最も驚いたことは、生長の速さでした。

上記の栽培記録からも分かるように、シャーレに播種したものはおよそ2日で発芽し、プランターに移植したのち2日でまた芽を見せました。同様に、プランターに種を直植えしたものも3日ほどで発芽しました。10/13までに2つのパターンのどちらも発芽を確認したのですが、10/15の間引きの際にはもうすでに根付きはじめていて(根が伸びて枝分かれしていました)、その生命力の強さに驚きました。


(2) これまで投稿された記事の中でよかったものは?

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いつも参加者のみなさんの記事を参考にさせていただいております。もちろん、私自身の記事にいただくコメントも...。選ぶのが難しかったのですが、今回の中間報告では、自分と栽培している野菜が同じ方・自分にはできなかった取り組みや発見をしている方に焦点を当てて選ばせていただきました。20151119104841-5546f40203992be22022a718912b90f58ce55cac.png

  • 藤井さんの記事(10/13)・・ワンパターンで栽培するのではなく、アルファルファを使用する水で4つの集団に分け、その違いを観察しようとする取り組みに感銘を受けました。また結果報告の記事(11/18)も拝見させていただいたのですが、本当に読んでいて楽しかったです。水の違いで長さに差が出るだけでなく、味わいも少しずつ差が生じるのだな、と...。このように記事にして報告するからこそ、栽培方法に工夫をし、読んでいて楽しくなるものを目指すことも大切なのだと感じました。

  • 富樫さんの記事(10/22)・・・渡辺先生のコメントにもありましたが、種を蒔いた箇所に目印となるよう爪楊枝を指しておく取り組みが良かったと感じました。実際に富樫さんの記事では中央のものが1つ目立って生長しています。先生のコメントの中で、水遣りが不足していたのではという指摘がありましたが、目印があることで生長の偏りや、問題点などに気が付く手掛かりになりうるのだと分かりました。

  • 大和田さんの記事(10/19)・・・大和田さんの記事は毎回とても丁寧で、かつ同じハツカダイコンを栽培していることもあり参考にさせていただいたことが本当に多かったです!この場を借りてお礼申し上げます...本当にありがとうございました。その中でも特に、10/19の記事が参考になりました。鉢とパックに分けてハツカダイコンを栽培し、さらにそのそれぞれの苗に番号を振って様子を観察していて、とても分かりやすかったです。また、本葉の大きさ、苗の背の高さ、それだけではなく葉の表面の様子まで細かに観察していて、さまざまな角度から観察することの重要性を学びました。そのほかにも、土の感想具合を確かめるためにスプーンを用いたり、10/13の記事ではハツカダイコンの生育を促すためにスタンドライトを巧みに利用していたり...なるほど、こうすればいいのか!と学ぶことが多かったです。


(3) 同様に、記事のコメントで参考になったものは?

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  • 私のカイワレダイコン収穫に関する記事(10/26)・・・渡辺先生からコメントをいただきました。私はカイワレダイコンを育てるにあたり、はじめ種を水に浸す段階で、浮いた種と沈んだ種を分けて栽培していました。カイワレダイコン収穫時に、長さにばらつきが見られたのですが、その中でも沈んだ種から育てたものはおおよそ長さが一律だったと報告しました。その原因として考えられる可能性をコメントで提示してくださいました。(沈んでいる種は、中にある子葉の元、子葉になるときのエネルギーが一定数以上あるのではないか...とのご指摘です)このコメントを参考に、自身でも調べ、考察してみようと感じました。
  • また11/7の記事では・・・素人二号さんから、カイワレダイコンの双葉の開き具合の変化についての推測を教えていただきました。(双葉の開き具合は光環境、あるいは時間帯に影響を受けているのではないか...というご指摘です)これも上記同様に自分で調べてみると同時に、時間帯に分けての観察(もう本葉が生えそろってしまったため、過去撮影した写真からも考えていけたらと思います)にも取り組んでみたいと考えています。ありがとうございました!

  • 竹本さんの記事(10/24)・・・私も10/15に間引き行い、5本に絞ってハツカダイコンの栽培をしているのですが、わずかに葉が重なり合ってきたため、二度目の間引きを行うかどうか迷っていました。竹本さんも同じように5本に間引きを行っていたのですが、渡辺先生のコメントの中で、この5本に絞って大きなダイコンにしてはどうか・追肥をして緑具合を比較するのもよいのではというご指摘がありました。いまだに感覚がつかめていないのですが、コメントを参考にし、ひとまずはこの5本で様子を見ることを決めました。


(4) 以上の(1)(3)を踏まえて、最終発表会に向けた今後の展望。

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最終発表会に向けて、今後、ひとまずはハツカダイコンの収穫を目指し、栽培と観察を継続していきたいと思います。現在、本葉が生えそろい、日々生長しています。最終的な目標は収穫し、試食する!というものなので、そのゴールを目指して努力していきたいと思います。

同時に、発表に向けて、今まで栽培を通して自身が感じた疑問について、記事にいただいたコメントを参考にしたり自ら調べてみたりして、疑問解決に繋がる取り組みをしていきたいと思います。最終発表会でその答えに繋がるものを発表できたらと考えています。


以上、中間報告でした。

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今朝のハツカダイコンの様子です。双葉がだいぶ開いてきました...すこし双葉が黄色くなってきたような気もします。軽く土寄せしました。(肥料が混ざっており、あちらこちらに見られます...時間があるとき位置も直さなければ...)

これからも頑張ります。よろしくお願いいたします。

コメント

文学部・山田さん

遺伝の渡辺でございます。中間報告で、2つの栽培したものを時系列で整理し、それぞれの栽培から何を学んだか。特に、注目すべきは、文学部という文系ですが、文系、理系というのは関係なく、可能な限りの観察を重ねて、そこからわかる考察をしてきたことは、高く評価できると思います。

何より多くの受講生の方が書かれているように、他の受講生の日々の活動への刺激になったこともよかったと思います。今回のカイワレダイコンの栽培が食生活に活きると書いていましたが、食生活だけでなく、普段の色々な学習での人とは違う観点での「気づき」があるのではないかと思います。是非、そんな観点で、他の講義を見てみて下さい。ちがって見えると思いますので。

この活動が最後は食することが目的であることは1つの大事なこと。それに加えて、考えながら、行動をすると言うことを身につけてもらえればと思います。後半の活動も楽しみにしております。

わたなべしるす

旧展開ゼミ