東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

すみれかぶ、のらぼうな 最終報告「あらゆる視点から見る」(経:馬渡那奈)

2020年1月28日 (火)

(1)植物、作物の栽培を行って、最初に想像していたよりも、たいへんだったこと、逆に、以外とうまくいったなどの栽培面で感じたこと

私は、植物の栽培をするに当たって、毎日水をあげていればとりあえずいい感じに育ってくれるだろうと思っていました。小学校の時、クラスで植物を育てていて、たしか、1年生のときはシクラメン、2年生のときはイチゴだったと思います。また、定番だと思いますが個人ではアサガオ、ミニトマトを皆が中庭で育てていました。そのときは水やり当番がいて交代で水をあげたり、授業で皆一緒に水をあげに行く時間があったりして、育てるのは楽だったと思います。そのようなイメージをもってやっていたので、今回の植物を育てるのも楽観視していたのだと思います。実際やってみて、最初は特にほぼ毎日様子を見なければいけないし、ちょっとサボっただけですぐに元気がなくなるし、定期的に観察しなければいけないのが大変でした。ただ、合宿中で割と時間があったので頻繁に様子を見ることができたのはラッキーだったと思います。

↓↓↓合宿中の写真(本当に最初の方)
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たしかに毎日ちょっとずつ変化があるのを見るのは楽しかったですが、忙しいと存在自体を忘れがちになってしまうので、常に野菜のことを考えていなければならないのが大変でした。逆に、以外とうまくいったと思うのは、間引きです。初めて間引きをするときは、今までせっかく育てた苗を抜くことにとても抵抗があり、本当にこれをぬいていいのか、もし残った苗がちゃんと育たなくて失敗したらどうしよう、ととても迷いました。ですが、結果的に株の数や株同士の間隔がわりとちょうど良くなり、日光も比較的葉全体に当たっているので、うまくいってよかったです。間引きに関しては、内田さんのダイコンの間引きが自分と似ていてうれしかったです。

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 (2) 他の科目への波及効果

私はこの抗議を通して、習慣化すること、様々な視点から観察をすることなどが身につき、レポートへの苦手意識が減ったと思います。まずは、習慣化についてです。最初に皆で集まったときに渡辺教授が、「この授業は本来木曜日の5限にやるものであり、毎週のブログがこの授業の出席点になります」とおっしゃっていました。私は正直長い文章を書くのが苦手だったので、その代わりに自分が気づいたこと、間引きや追肥をしたことなど、変化だけはしっかり書いて、絶対に更新だけは忘れないようにしようと決めていました。そして、なにかあったらすぐに更新し、おがたさんのアドバイスをしっかり見て、手遅れになることだけは防ごうと思いました。このようにある1つの行動を習慣化することは、後期から始まった多読の授業にもよい影響を与えたと思います。多読では英語の本を読まなくてはならず、最初はとても大変でした。ですが、毎週木曜日は植物のブログを更新する日と決めたように、月曜日、金曜日、土曜日は多読をする日と決めてそれを習慣化したら、そこまで苦ではなくなりました。何かをやる日を自分で決めると時間を有効に使えているような気がするし、オンとオフをしっかり切り替えることで勉強も効率よくできたように思われます。次に、物事をあらゆる視点から見られるようになったと感じたのは意思決定の科学のグループ活動でディベートをしたときです。以前までの私は、ある議題に関してちょっと考えて思いつかなかったらあきらめ、すぐ次のことについて考えていました。しかし、この展開ゼミでは、特に後半ですが、あまり変化が見られない中で葉のどこが変わった、先週と比べて葉が上を向くようになった、など様々な角度からひとつのものを見て、変化を見つけることが求められました。ぱっと見ただけで終わるのではなく、じっくり観察しなければなりませんでした。最初は面倒だし変化も見つけられませんでしたが、おがたさんのアドバイスを参考にして回数を重ねるにつれて、自分の植物の見方や物事の見方がレベルアップしたかな、と思います。そのような観察力は私にとても必要なものでした。そのおかげで、ディベートをする際にも意見や主張を深めて質の良い議論をするのに役立ちました。そして最後に、毎週ブログを書くことでレポートへの苦手意識が減ったと思います。英語や意思決定の科学、科学概論でレポートを書く機会がありました。以前まではどこから手をつけていいか分からず、レポートを書くのに時間がけっこうかかっていました。ですが、このゼミで毎週自分が書くことを発見し、文章を書くことでレポート力が上がったと思います。タイピングのスピードも少し速くなったような気がします。このように後期展開ゼミに取り組んでいた時間を振り返ると、けっこう他の授業への良い影響がありました。ここで身についた力をなくさず、むしろレベルアップさせられるように、この授業が終わってからも頑張っていきたいです。

(3) 他の展開ゼミとは異なり、実質、「毎日が展開ゼミ」ということでたいへんだったこともあると思いますが、逆に、毎日の観察をすると言うことで、どの様なことが身についたのか、感じたことなどを、まとめて下さい。(1)と同様に、自分が行った観察事項については、これまでに書いた記事を参照(link挿入こと・必須)して下さい。先達から学び、それを後輩に伝えることが大事ですから。

私は毎日観察を行うことで、植物を様々な角度から見られるようになったと思います。例えば、今日ここが変わっていなかった、じゃあ別の部分はどうか、など、「変化なし」で終わらせるのではなく、あらゆる部分を観察できるようになりました。特に最近では、植物に大きな変化が見られなくなってきました。ですが、そういうときにこそ小さな変化を見つけられるよう細かく見ました。モノではなく1つの生き物なので、変わっていない点などないはずと言い聞かせながら観察をしました。先ほども書いたように、あらゆる視点から物事を見られるようになったと思います。

(4) このゼミ形式で文章を書いたり、それをいかにプレゼンするかと言うことも学んだが、そのことをふまえて文章を書くという点で、ゼミ開始前とあとでどのような変化があったか

文章を書くことについては、その物事についてちょっと考えるだけで終わらせず、小さな変化や気づきを見つけて、以前よりは細かい部分まで文章を書けるようになったと思います。また、プレゼンという点から言うと、私は写真の載せ方について気をつけていました。私が気をつけていた点はいくつかあって、明るくよく見える場所で撮ること、毎週同じ角度から撮ること、日付を入れてブログに載せることです。まずは一つ目ですが、当たり前のことだけどこれは毎回気をつけていました。もし私が気づけなかった変化があったときに、おがたさんがすぐ分かるようにするためです。また、万が一来年の受講生ですみれかぶあるいはのらぼうなを育てる人がいたらせめて様子くらいは伝わるようにしようと思ったためです。次に、同じ角度から撮ることです。鉢にさしてあるすみれかぶ、のらぼうなの札を目印にして、毎週の写真を同じ角度から撮って、成長が分かるようにしました。こうすることで、後で自分で写真を見返してみても変化が分かったので、やって良かったと思います。おがたさんにも同じ角度で撮っているのが良いと褒められたのがうれしかったです。ただ、どうせそこまでやるんだったら日野さんのようにメモリを書いた紙も一緒にさせばよりわかりやすかったと思います。最後に、写真に日付を入れることです。これは隔週だとそこまで意味を感じないかもしれませんが、自分で過去にどのような感じだったか見るのにとても楽でした。また、ブログを書く際にこのときはこのような感じでした、と比較するのにもわかりやすく、便利でした。私は文章量は他の人に劣るかもしれませんが、気軽に読めるような、見やすいブログにはなったかな、と思います。

(5) 自分自身が習得できたと思う点、他の受講生と比較して、さらに、研鑽を積むことが大事と思う点

 私は、以前よりは細かい点を見られるようになりましたが、それでも自然科学的なものの見方はまだまだだったと思います。他の受講生のブログを見ていると、植物のサイズの測り方が様々あってなるほど、こういうやり方もあるのか、と驚きました。日野原柚葉さんのブログでは、短い部分を測るために自分で小さい紙にメモリをかき、植物に当てて測っていました。私はちょうどいい定規がないからいいや、とからを焼いていたところを、そのように工夫しているのをみてすごい!と思いました。また、佐々木円花さんのブログでは上から透明な定規を当てて測っていて、とても見やすかったです。また、理系的な発想ですごいと思ったのは、金井凌雅さんが自分で考えて実験をしていたことです。(そのほかにも実験をしていた人がいたかもしれないのですが、とりあえず一人だけピックアップします) 私は育てることだけに手一杯でなかなか実験をしようと思えなかったので、自分で条件などを決めてちゃんとやっているのはすごいな、と思いました。他の受講生の方々は視点設定も細かく、実験など言われたこと+αでやっている点は、私も取り入れていきたいです。

(6) 双方向性を意図して、構築した展開ゼミでオガタさん、増子さん、渡辺教授のコメントにどの程度、followできたのか、意味があったのか。また、反省点など。

野菜を初めて自分で一から育てるに当たって、私は分からないことばかりで、その中で毎回のブログに対しコメントをいただけるのはとても助かりました。水やりのやり方から受け皿の用意、間引きの仕方や肥料のあげ方など、私が質問する前からアドバイスをくださることもありました。私はおがたさんのアドバイスはほとんどすべて実行したと思います。おがたさんは私の植物の様子を写真越しにでもしっかり把握してくださり、私が見えていない側面からコメントしてくださるので、少し頼りすぎた面もあったかもしれません。特に、私が今回育てた品種は受講生の中で初めてということもあり、どうしたらいいか迷うことが多かったのですが、毎週ブログへのコメントをチェックして逐一対応したおかげで大失敗はせずに済んだと思います。そのような点から、このブログへのコメントの形式はとても良いと思うし、この展開ゼミが今年もあるのなら、続けてほしいと思います。ただ、帰省の時の失敗のように、見るのが遅かったり更新が遅れたりすると対応が間に合わないので、コメントの反映の時間も考えて更新するべきだと思ったのが、私の反省点です。

(7) 中間発表で目指した点がどれだけ達成できたのか、positive, negativeな側面についてふりかえる。また、できなかった理由についても考察すること
 まずは、私が中間発表でたてた、最後まで頑張ろうと決めたことです。

① 水やりを忘れない

② 仙台の風で茎が倒れないよう土寄せする

③ わずかな変化も見逃さないようにする

の3つです。①に関してはできたと思います。一週間に一度、ブログを更新する木曜日に水をあげました。量としては、最初の授業のときにもらったプラスチックの透明なコップに水を満杯にいれ、その3分の2をすみれかぶ(大きい方の鉢)に、残りの3分の1をのらぼうな(小さい方の鉢)にあげていました。その量をあげると、鉢の下から水が出始めるくらいだったので、ちょうど良かったと思います。幸い枯れることはなかったのでよかったです。次に、②土寄せについてです。仙台は風が強かったですが、それで植物が傾いたり倒れたりすることはなかったように思われます。ですので、あまり土寄せはしなくても済みました。そして、③です。これに関しては、中間報告でこの目標をたててから特に気をつけて観察するようにしていました。見る角度を変えてみたり、別のサイトや受講生のブログを見たりして他に変化はないかを探すようにしました。ですので、自分が中間報告でたてた目標についてはある程度達成できたと思います。私はすみれかぶとのらぼうな以外の植物を育てるタイミングを逃してしまったのですが、育てて実際に食べている人がいて、すごいと思いました。また、毎週のブログ更新も達成できました。Negativeな側面については、帰省時の対策を忘れてしまったことです。枯れるとか倒れるとかがなかったから良かったですが、もし雪が急にたくさん降ったとかがあったら大変でした。天気が大きく荒れることがなくて良かったです。

(8) 以上の(1)~(8)を踏まえて、この展開ゼミで学んだことを、大学での活動を含めた日々の生活に対して、どの様に活かすことができるか。さらには、まだ、収穫していない作物を今後、どの様に管理したいか。

私はこの展開ゼミで、継続すること、あらゆる視点から物事をみることを身につけられたと思います。これは、教授の講義を聞くものや議論をするもの、すべての講義に生かしていけると思います。また、私は経済学部なのですが、経済や経営の勉強においてあらゆる視点から実態を観察し考える力は必要不可欠です。植物の育成と経済の勉強は一見関係がなさそうに思われますが、片方で培った能力は必ずどこかで良い影響を及ぼしてくれることを、この展開ゼミで実感しました。それに関連して思い出したのですが、前期の英語の授業で、スティーブ・ジョブズのスピーチを聞く機会がありました。私はそのスピーチの中で、「大学や会社など、自分の人生において「なんで今これをやっているのだろう」と思うようなことでも、それらの出来事(点)は必ず意味があって、線になって自分の人生をかたどっている。」という言葉がとても印象に残っています。そのスピーチを聞いて以来、自分が選択したこと、経験することの意味を考えるようになりました。最初にこの展開ゼミをとるときは、なんとなく楽しそうという軽い気持ちで始めました。ですが、野菜を育ててレポートを書いていくうちに、自分に身についた力やどこが足りていないかを考えるようになりました。このように、この展開ゼミでは、最初に書いたことに加えて、自分について考えるきっかけにもなったと思います。これからの大学生活でも、ただ時間を無駄に過ごすのではなく、考えて、時間を大切にして過ごしていきたいです。

また、すみれかぶ、のらぼうなについてです。まだ収穫できていないのですが、最終報告の後も水やり、観察を忘れず収穫して食べたいです。中間報告で目標を設定した際に、最終目標として「収穫する」と決めたので、それを達成して終わりたいです。すみれかぶは根にかぶの始め?のようなものが見えていて実はあると思うので、楽しみにしています。また、のらぼうなについては、株の真ん中に新しい芽が出てきているので、このまま葉が増えるのを待とうと思います。

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最後に、最近の写真です。

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今回の写真は、仙台に来て初めて撮った写真です。このころからなにかは成長してるかな、と思いたいです。

コメント

経済学部・馬渡さん

 育種の渡辺でございます。普通の小学生は1, 2年生でアサガオ、トマトを栽培するところを、シクラメン、イチゴの栽培というのは驚きでした。どちらも水加減が難しく、カビなどの病害がでやすい植物というか、農作物で栽培が難しいものだと思います。そんなことで水やりの感覚を身につけたからでしょうか。栽培がうまくいったのは。もちろん、講義と部活を両立させることができているのは、ある種の「自己管理」ができているからだと思います。曜日ごとにこんなことを習慣化すると言うことも、よい方向に機能していると思います。この講義だけでなく、他の講義にも是非、波及させて下さい。また、今回の講義を通じて身につけた「自己管理」、「習慣化」の感性をさらに磨いて下さい。

 この講義はちょっと不思議で同じ講義の受講生が何をしているのか、何を考えているのかが見える講義にしています。その分、緊張感もあると思いますが、周りの行動状況を見ながら、物事を進行することも大事で、そうしたことで自分の立ち位置を理解することに繋がればと思います。もちろん、必要以上に周りを気にすることは言うまでもないので。見ると言うことでは、観察を通じて、物事を多角的に見ることができるようになったことも、これからの大学生活、社会人で活きてくると思います。是非、小さな変化に気がつき、その変化から何をすべきなのかを考えて、行動できるようになればよいかと。

20200130093745-f9ece468a09895756f22d488471c729f924ba60e.JPG 観察してもらった事象はある意味、理系的というか、自然科学的な事象です。文系の人にとって、その変化に気がつくのは難しいことなのかも知れないです。その観察の先にある「文章化」と言うことを細かいところまでできるようになったのは、これからの経済学を学ぶときにも活かされると思います。経済学をある種の生き物のように例えて書かれてあるような文章を見かけることもあります。その点をさらに発展させて、木を見て森を見れる、森を見て木を見れる、そんな両方向からできるようになって下さい。

 これからというところで、自分に欠けている部分を考えるようになった、つまり、普段の行動も含めて、自分自身を振り返って見ることができるようになったのだと思います。できなかったところを見るのは、誰しもいやというか、苦手なところだと思いますが、そうしたことに直面して、冷静に対応できるようになったのは、大きな成長だと思います。最初のところに書いた習慣化というのは、言葉を変えると継続性と言うことにもなるかと思います。最後まで続けた達成感を思い出して、これからもあきらめず、継続して下さい。また、さらに多角的に見ることを発展させて、大学生活、社会人として活躍されるだろうと。。植物は、是非、収穫して食べて下さい。もちろん、花がどんな風に咲いてくるのか、それももちろん、楽しみに見て下さい。花というか、蕾も食すことができますので。


 わたなべしるす