東北大学大学院生命科学研究科 植物分子育種分野 渡辺研究室

最終報告 〜毎日の積み重ね〜(医:大和田共笑)

2023年1月27日 (金)

 (1) 想像よりうまくいったこと、大変だったこと

 私が想像していたよりもうまくいったことは、発芽とそこからの成長です。そもそも発芽自体が問題なくいくと思ってなかったので芽が出るだけでも喜び、葉が大きくなって喜びとここまで大きくなったことにびっくりしていました。最初の頃は非常に徒長していたのですが、他の受講生の方の記事と先生からのコメントをもとに徐々に良くなっていきました。栽培面で他の受講生と比べてうまくいかなかったことは、成長速度です。一緒のに受講している友達の記事いざ!本当の本当に実食! | 全学教育科目・展開ゼミ2022 | 植物分子育種分野:渡辺研究室【東北大学大学院|生命科学研究科】をみてみると、同じくらいに時期に栽培を始めたにも関わらず、成長具合が全く違います。これはきっと何かが悪かったに違いない...と考えてみました。種を蒔いてから、何度も育成状況について話していたのですが一番の差がついたのは序盤だった記憶があります。そこから、やはり理由は最初の徒長だったのでないかと考えます。徒長してしまってからは長い間茎が細く、うまく成長しなかった印象です。そこで、彼女の序盤の記事成長してきました | 全学教育科目・展開ゼミ2022 | 植物分子育種分野:渡辺研究室【東北大学大学院|生命科学研究科】もみてみると、徒長がなく私の記事発芽と鉢植えへの移動 | 全学教育科目・展開ゼミ2022 | 植物分子育種分野:渡辺研究室【東北大学大学院|生命科学研究科】の様子とは明らかに違います。やはり、最終的に目に見えなくても最初の頃の土台がしっかりしていないことがのちに響いてくるのだろうと思います。徒長を改善することもその間の水やりもとても苦労したので、そもそも徒長がなければその苦労もなかったと考えると、やはり何事も初めが大事なのだなと思い知りました。

 すでに間引きし終わっているのですが、間引き前最後の写真です。

上2枚ブロッコリー、下2枚コカブ

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 (2)他の教科への効果

 本講義を通して、波及効果があったと感じたのは自然科学総合実験通称自科総です。1セメスターの頃から、レポートを書くことが大変だという話をたくさん聞いていました。自科総は、週に一度実験を行い、表の回と裏の回通して一つのレポートを書き上げる必要があります。実験にもよりますが、Word10~20枚程度の記述量で、さらに大学に入りレポートの書き方もわからないことが多いため苦労する人が多いのだと思います。そんな中で、本講義での成長が見られた点として、事実に対して自分の文章を作成することが挙げられます。今まで比較的長い文章を書く際は、自分の意見を述べるようなものが多く、事実に対して根拠を持ち述べる、またそこから推測するようなことは意外としたことがありませんでした。本講義では、自分で着眼点を決め、自分の言葉で記事を書いていきます。自由な部分が多いからこそ難しいところもたくさんありますが、自科総では着眼点を見つけるのに苦労せず済みました。他にも効果が見られました。たとえば、タイピングのスピードがアップしたことや読み手に対する工夫をしたことです。特に、読み手への工夫は、自科総は実験のレポートであるため事実や考察を論理的に述べることに集中しがちです。しかし、レポートは人に読んでもらうために書いているので、読みやすさも重要であると思います。実際に、レポートが返却された際に文章の読みやすさの評価が回を重ねるごとに良くなっていきました。文章の読みやすさは、文理関係なくこれからも大事だと思うのでさらに学んでいきたいです。

 (3) 毎日の講義で身についたこと

 大学において、毎日同じ講義を受けることはなかなかありません。確かにこの講義は、記事を書かない日でも植物への水やり・観察が必要です。自分の取り組みとしては、記事の頻度は少なかったですが、写真撮影と観察は毎日欠かさず行っていました。毎日それをしていると、急いで大学への準備をしていても水だけはあげてから行こう、今日は一日家にいないから明るいうちに写真を撮っておこうと常に植物に気を配るようになりました。外が寒かったり、風が強かったりした時には、家の植物大丈夫かなと思います。このように、毎日の観察は習慣を作ります。これは、1ヶ月経った頃くらいから現れました。習慣と言っても1日に数分であるのにこんなにすぐ身につくことに驚きました。この記事次こそ... | 全学教育科目・展開ゼミ2022 | 植物分子育種分野:渡辺研究室【東北大学大学院|生命科学研究科】の時点で400枚くらい写真を撮っていました。その枚数を記事に反映させられなかったことに後悔が残ります。来年度以降この講義を受講する人には毎日で習慣になるのなら、最初から万全の観察をしてほしいと伝えたいです。


 (4) 講義の受講前後の変化

 講義の前後での変化といえば、やはり文章量に対する意識の変化が挙げられます。1セメスターでは、400文字や800文字で講義の感想等を書く機会が多かったのですが、その課題が出るたびに足止めされていました。しかし、この講義を受講してからはそのくらいの文字数の課題はすらすらと書けるようになりました。すらすらと書けるようになった中でも、自分の成長は何を書けばいいかが分かるようになったことよりも、頭に浮かんだアイディアが文章化するのがはやくなったことだと思います。文章は、書いてみると意外とすぐに文字数になることを今までで一番実感できました。さらに、すらすらと書けることによって、そもそも自分の言葉で文章を書くことが楽しいということを実感できる機会になったのではないかと思います。


 (5) 自分自身が習得できたと思う点、さらに研鑽を積むことが大事と思う点

 今回の講義を通して、習得できたと思うことは問題点をいかに早く解決するかということです。普段の講義の課題は、答えが決まっていたり自分の感想を書くものだったりすることが多いですが、植物栽培は訳が違います。間違った手段をとると、枯れてしまい取り返しがつかなくなります。また、正解が分からないままにしておいても枯れてしまいます。限られた時間の中で、最低限でも対策しなければならないということがとても難しかったです。それでも、普段このような経験をすることはなかなかないのでとても良い機会になりました。他の受験生と比べて、足りなかったなと思うことは定期的に記事を更新することです。週に一回が基本的なペースですが、期間が空いてしまうことが多々ありました。今回の講義では、一回ごとの投稿に明確な締め切りがないことが理由だと思います。だから、中間と最終レポートは間に合うのだなと...。自分でもわかっていましたが、私は最終的に締め切りには間に合うもののギリギリに始めることが多いです、それが今回の講義で浮き彫りになった気がします。今後同じようなことがあった時の改善策としては、友達と約束することだと思います。自分との期限だと先延ばしにしてしまいがちですが、他人との期限のほうが守れるからです。この反省を別のことに活かしていきたいです。


 (6) 記事へのコメントについて

 双方向の講義ということで、投稿した記事には比較的すぐにコメントしてもらえます。私は植物栽培の知識がほとんどないため、コメントを参考にさせてもらうことが多かったです。特にこの記事気になることいろいろ... | 全学教育科目・展開ゼミ2022 | 植物分子育種分野:渡辺研究室【東北大学大学院|生命科学研究科】のコメントは、間引きについての具体的な方法を教えていただき無事?間引きを行うことができたのではないかと思います。個人的には、植物以外のことにも返信してくださったので、それも楽しく読んでいました。自分はあまりできなかったですが、できるだけリアルタイムな様子を記事にすることでより正確なアドバイスをいただけると思います。


 (7) 中間発表からの変化

 中間報告での目標は、以下の通りでした。それぞれについて振り返ってみます。

 ・写真などと共に栽培開始日時等を記載する

  この項目については、気になることいろいろ... | 全学教育科目・展開ゼミ2022 | 植物分子育種分野:渡辺研究室【東北大学大学院|生命科学研究科】 の記事の通り写真の撮影時期と栽培開始から何日経過したのかを書くことを始めました。しかし、気温などまだまだ観察できる項目もあったと思います。初めから気温や湿度計を植物の隣においておけば、手軽かつ忘れずに多くの観察項目を作れてのではないかと思います。習慣になりづらそうなことは、やはり強制的に目に入るようにしなければいけないなと思いました。 

 ・読み手のことを考えた記事を書く

  これは、私の中で一番の目標でした。今回の講義で使用した記事の方式において、わかりやすい文章にするためには、文章自体レイアウトの工夫が必要だと思います。文章に関しては、楽しく読んでもらうために事実と自分の感想をうまく混合して書くことが難しかったです。レイアウトに関しては、去年の受講生の方の記事【最終報告】栽培108日間の振り返り | 全学教育科目・展開ゼミ2021 | 植物分子育種分野:渡辺研究室【東北大学大学院|生命科学研究科】 が、個人的に好みだったのですがここまで凝ったレイアウトをすることができませんでした。記事の中に見出しを作る程度になってしまいました。できなかった理由としては、時間に余裕を持った投稿ができなかったことにあります。記事の提出が遅れると、記事を出すことにばかり気を取られ、最後にレイアウトに時間をかけることができませんでした。時間の余裕が質を高めるということを実感しました。 

 ・徒長を解決する

  栽培初期の一番の問題であった徒長。初期の自分の記事発芽と鉢植えへの移動 | 全学教育科目・展開ゼミ2022 | 植物分子育種分野:渡辺研究室【東北大学大学院|生命科学研究科】をみてみると、鉢に移動した時点でだいぶ徒長が進んでいます。そこで、去年の受講生の方の記事野菜がひょろ長くなったらこれを見てください。 | 全学教育科目・展開ゼミ2021 | 植物分子育種分野:渡辺研究室【東北大学大学院|生命科学研究科】を参考にしました。徒長してしまったと考えられる原因を分かりやすく羅列しており、それを読んで最終的に土よせをしました。過去の先輩の記事を参考に栽培できるこの講義の良さを実感できました。

 ・水のやり方を見直す

  徒長の後に現れたこの問題。ちゃんと水あげてるのになんか植物に元気がないな...。そこで、ネット上で水やりについて調べました。それを読み進めていくと、自分水をやり過ぎているかもしれない!と気づきました。以前の私は、水の与え過ぎを恐れて、毎日少量の与えていました。しかし、視点を変えてみると土の上の部分しか湿らないため根が下まで伸びないことになります。そこで、数日に一回底まで湿るように水を与えてみると茎が太くなり、改善したと思います。



 (8)今後この講義を活かしたいこと、植物の管理

 この講義で学んだことを活かしていきたいと思うのは、実習の記録です。私は、看護学専攻なので来月やそれ以降に数多く実習があります。その中で実習では、患者さんの様子を観察する必要があります。これには、この講義と似たようなことが多く、毎日決まった観察項目を観察します。さらに、規定の項目だけでなく、それ以外の項目でも自分の観察眼で異常や特徴を発見することが重要です。実習では、レポートも書くことになるためわかりやすい記録にするという点でも今回の講義を活かせるのではないでしょうか。私が育てている植物は、ブロッコリーもコカブもまだ収穫できる段階ではないので、引き続き育てる予定です。また、間引きと追肥を行ったので、最終レポートの後にはなってしまいますがそれも記事にしたいと思っています。今後の管理で一番気をつけていきたいのは気温の管理です。ここ数日非常に寒い日が続いていて、実際に植物の葉も元気がなさそうな様子だったので、改善策を探っていきたいと思っています。

 

 最後に

 長いようで短いような半年間でしたが、自分一人ではやっていなかったであろう野菜栽培を経験することができて楽しかったです。文章力に関してもこれから成長していけるように頑張りたいと思います。また、最終レポートの後になってしまいますが、間引きの記事を投稿しようと考えています。先生方、記事へのコメント等ありがとうございました!


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コメント

医学部 大和田さん

育種の渡辺です。〆切に1hrくらい前の5番目の投稿です。〆切時間を守ることができたのはよいことですが、余裕を持っての行動に心がけて下さい。〆切を守るということは大学、その先の社会人として厳しくなるだけでなく、〆切日に対応するのではなく、〆切日前までにあらかじめ準備をすると言うことです。そのためにも何から手がけるべきなのかを順番づけしたり、自制心をもって行動することを次年度以降、しっかり対応して下さい。

DSCN1129.JPGこの講義の目標としているところは、植物の変化を捉えて、それを文章で表現することです。変化を捉えるという意味では400枚程度の写真を撮影されたという記述から見ると、対応はできていると考えることができます。しかしながら、シラバスにも書いたとおり、週に1回の記事として、写真とともにuploadすることを求めています。それによって文章力がつくと考えているためです。一方で、(2)のタイピングのスピードも上がり、(4)に記したように文章を書くことが楽しくなるというような表記がなされていますが、中間報告、最終報告を除いて、4回(10, 11, 12, 1月に1回ずつ)というのはあまりに残念な投稿回数です。実際に何かをやったことを記録に残すこと、それで達成したことが示されるということを再認識して下さい。

今回の最終報告ですでに間引きを行ったとされていますが、その写真を載せることもできると思うのですが、掲載されているのは、間引き前のものでした。前後を比較することで、読者に伝わる部分があります。どの個体を間引いたのか、それを示すことが重要なことです。間引きを下ということを示すためにも、こうした場合は前後の写真の掲載がほしいですね。

DSCN7044.JPG「今回の講義では、一回ごとの投稿に明確な締め切りがないことが理由」としていますが、最初のオリエンテーション、あるいは、シラバスに基本的に週1回の記事をuploadすることとしました。他の受講生は毎週のペースでできている方もいれば、10日になったり、6日になったりしながらも、total 15回ということを達成できている方もいるわけで、明確な〆切がないことが記事をuploadできない原因と考えてよいのでしょうか。その点は再考を期待したいです。

(7)の項目に書かれてある中間発表からの変化という点。投稿された記事は2回しかないので、その中から改善されたのだろうかというのは厳密に見て取ることは難しいです。水やりのポイントは理解していますが、それが写真として示され、文章化されてはじめてそれができたということになるかと思います。(8)に「看護学専攻なので来月やそれ以降に数多く実習があります。その中で実習では、患者さんの様子を観察する必要があります。これには、この講義と似たようなことが多く、毎日決まった観察項目を観察します。さらに、規定の項目だけでなく、それ以外の項目でも自分の観察眼で異常や特徴を発見することが重要です。実習では、レポートも書くことになるためわかりやすい記録にするという点でも今回の講義を活かせるのではないでしょうか。」ということを書かれています。その通りだと思います。大事なことは、観察をして、それを文章として分かるように表現することです。そのことが次年度以降の講義、実習などに生かされることを期待します。

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わたなべしるす