【アウトリーチ活動】7/2(日)~7/8(土)のアウトリーチ活動(出前講義)(7/4)
2017年7月 4日 (火)
台風3号は九州北部、四国南部、紀伊半島を横断するコース。最初の予報ではもう少し北寄りのコースで仙台にも影響かと思っていました。。。少しほっとである一方で、台風が前線を刺激しているようで、仙台も朝から雨降りで高湿度。除湿されるだけで、ずいぶん気分が変わるのではないかと思うくらい。そんな梅雨の間にと言うか、密かに「アリの一穴」とでも言えばよいのか、外来アリの「女王アリ」らしきものが発見されたとか。。。発見地から少し距離があるとはいえ。。。農学部で応用昆虫学として、害虫学を学んだものとしては、どう対応すればよいのか。。。少し成り行きを見ないと。
7/4(火):仙台市立川前小学校・仙台市理科特別授業「花の不思議な世界--りんごの花からリンゴができるまで??--」
そんな雨降りの中。伺ったのは、仙台市理科特別授業の第1弾は、仙台市立川前小学校。2006, 2007, 2010年に出前講義に伺って以来の7年ぶり。最初に伺ったときは、内藤校長先生。その後、七北田小学校でNSP(Nanakita Science Project)という大学とのコラボによる「理科専科」の試みをされたとき、お世話になりました。そのあと、2010年に伺ったときの校長先生を覚えてないのですが、今回は、内藤校長先生から数えて、4代目の石山校長先生。荒町小学校など、町中の小学校の校長先生を歴任され、現在に。町中と、こうした里山に近い小学校の違いなど、講義の前後に少しの時間でしたが、お話を伺えたのは、ありがたいことでした。玄関先には、welcome boardを用意頂き、ありがとうございました。
さて、講義は、リンゴをモデルにした受粉から受精、結実までの過程を考える講義。最初に花の写真を見て、何か考えるというところで、ヒルガオの写真に写った影をしっかり観察できていたり、ハイビスカスがオクラの仲間というのを理解しているのは、普段からの里山での観察の賜物ではないかと。。。リンゴがバラ科というのは、不思議だったようですが、バラ科の果樹もその花、果実を観察していて、しっかり比べられていました。
で、受粉反応から吸水(給水)しているのを考えるところも。花粉の変化を見つけるのも、niceでした。ただ、この受粉反応の発展型である自家不和合性で、異なる遺伝的背景のものと交雑することの重要性は、少し苦戦でしたが、これをきっかけに、遺伝的多様性のことも考えてもらえるのでは。また、リンゴの果実の観察から、どこに花があったのか、改めて、考えるきっかけになれば。。。そんなリンゴ、いつだったかも、このHPに記事を書いたのですが、赤いリンゴから、王林のような緑系いうか、黄色系のリンゴへの変化。この原因を少しだけ、お話。リンゴは赤いものと思っているのが、そうでなくなる。。そうならないように、考えてほしいなと。
リンゴだけでなく、種子という子孫を残すこと、それがどの様に大事であるか。そんなことも、講義の中で。種子を大事にして下さいねと。そんなことで、講義は終了。質問のところで、種子を大事にしてないけど、果樹栽培として、植物は大事にしていることに気がついてくれた方が。とてもよいセンスでした。最後の挨拶もとてもしっかりしていました。
PS. 世の中、不思議にできていてというか、今回の講義のリクエストを頂いたのは、以前、市内の木町通小学校でお世話になった先生。あるいは、お世話になった内藤校長先生時代に、川前小学校にいらした先生も。2コマ連続の講義時間でしたので、その合間に、理科専科の実情など、お話しできたのは、貴重でした。ありがとうございました。
7/4(火):栃木県立宇都宮北高等学校・特別講義「これからの農学研究はおもしろい」
午後からは栃木県立宇都宮北高等学校へ。栃木県内の高校でこれまで伺ったことがあるのが栃木県立宇都宮女子高等学校、栃木県立栃木高等学校。サイエンスとキャリア教育ということで、10年ほど前からになるでしょうか。その栃木県立宇都宮女子高等学校で出前講義のお世話になっていた吉永先生が同じ市内にある栃木県立宇都宮北高等学校に異動。ここでは、「スタディフロンティア事業」を行っており、その一連のイベントとして、出前講義をお願いされたのでした。1~3年生の希望者が参加と言うことで、先生方を含めて、50名近い参加を頂きました。ありがとうございました。
話の内容は、渡辺の研究の簡単な紹介、キャリア教育、農学研究とはというようなこと。これくらいの規模で、希望者にと言うのは、先月の石川県立金沢泉丘高等学校、愛媛県立西条高等学校、愛媛県立松山北高等学校の様なパターンのような。。最初に、こちらのことを理解してもらう。その意味で「愛媛県今治市」。少し世の中的には、静かになりましたが、このところ、テレビ、新聞などで見る言葉。そうした時事問題ではないですが、そうしたことにも注意を向ける、自然の変化と一緒に。そうすることで、注意力が養成されると思いますので。自家不和合性の動画は、高校生であっても不思議な現象。また、自分のfieldでまずは、topを目指してみる。そのtopを少しずつ高いところに持って行く。そうすることで、自然と高い目標が達成できるからと。
あと、これまで、これからの友達を大切にすること。不思議なところでつながっていて、将来、コラボすることになりますので。農学ということをタイトルにしたので、農学部を進学先に考えている方も多くきてくれていました。ありがたいことです。何より、これからの食糧生産は人口増加に伴って重要なこと。それらを解決するであろう人材が増えることは、世界的にも大事なことですから。これという師匠を見つけて、その師匠を超えるようにがんばってもらえればと。最後の所は、いつもの組織論。笑って理解してもらえたのは、ありがたいことです。質疑の時間は十分ではなかったかも知れないですが、とてもストレートで、niceな質問でした。
講義の前後に、猪瀬校長先生、吉永先生を交えて、大学事情というか、高大連携というか、そのようなことについて、deepな議論の時間を頂きました。ありがとうございました。こうした出前講義で現場の先生方とお話しできるのは、近未来に来るであろう大学院生のことを理解する上でも、とてもありがたいことで。それだけではなくて、昨今言われているような高大接続というような目先の問題ではなく、両者で抱えている問題などを忌憚のない状態でお話しできるのは、大学での色々な事象において、参考になることが多いですので。本当にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
講義が終わったあと、進路について、さらにdeepな質問をしてくれた生徒さんも。一生懸命、将来を考えているのはすばらしいことだなと。あとは、少し間口を広げて考えることも。今は、これと言うことを考えている分、難しいかも知れないですが。。。色々なものを見るようにしたら、意外と見えてくると思いますので。そんな生徒さんとの話のあと、教頭先生と話す時間も。今回の講義を設定頂いた吉永先生と宇都宮女子高でご一緒だったとか。今回の講義が進路というか、キャリア教育であったので、当時の生徒さんのことも伺えたり。色々とこちらも参考になりました。ありがとうございました。その中で、いつも、宇都宮女子高では最後に世界に向けて情報発信ということをやるのですが、今回は、暑さと湿度の高さですっかり失念。。。失敗です。是非、次の機会には。。。年を取るのは。。。と思った瞬間でした。
PS. 仙台-宇都宮間の往復は、もちろん東北新幹線。おかげで、駅と駅の間であれば、80min程度。ありがたいことです。その東北新幹線。時速360km/hrで営業運転できる新幹線を開発中とか。最高時速は400km/hr。驚くべき進化で。。。2019年には試験走行とか。今から楽しみです。