第4回 春くん(キャベツ)の第2次移動と生長記録(文:坂谷日向)
2018年10月29日 (月)
みなさん、こんばんは。文学部の坂谷です。
今回は有言実行、前回から3日以内の投稿を目指して書いていましたが、結局2週間かかってしまいました。今回を含め4回記事を書いてきましたが、1週間ちまちまと書き溜め(今回は2週間かかってしまいましたが...)土日のどちらかあるいは月曜日(1限のみなので)に投稿するのがちょうど良いペースのようです。この投稿ペースを確立していきたいと思います。
渡辺先生の投稿にもありましたが、予備知識もなにもないまま種をまき、鉢に移動させ...と、"とりあえず早くやらなきゃ"でやってきたことが多く、完全に後手に回ってしまっていました。過去4年分の記録を全て読むのは簡単なことではありませんが、ご飯を食べながら(本当は行儀が悪いですが...)など隙間時間を活用して読んでいきます。また、あまり長くならないよう写真をまとめたつもりでしたが、確かにクリックして拡大しないといけないのは受け手の方への配慮が足りませんでした。今後は1枚ずつアップロードするようにし、あまり長くなるようであれば2回に分けるなどの対策を考えたいと思います。
さて、今回は前回予告した春くん(キャベツ)の移動(2回目)と生長記録、大ちゃん(かいわれ大根)の生長記録と葉の観察に加えまして、大ちゃんの収穫・調理・実食の様子もお知らせする予定でしたが、あまりにも長くなってしまったので、春くんと大ちゃんで2つの記事に分けようと思います。第4回は春くん、次の第5回は大ちゃんです。
また、前回までは1日ごとに詳しく書いていたのですが、それではあまりにも長くなってしまうので、今回からは変化があった日のみ詳しく書いていこうと思います。
★本日の内容★
1.春くん(キャベツ)の移動(2回目)
2.春くん(キャベツ)の生長記録
1.春くん(キャベツ)の移動(2回目)
9日夜(画像上)に全ての芽がでたのを確認しましたが、翌日10日(画像下)には赤丸で囲う必要がないほど、写真でも容易に視認できるようになっていました。定規を当てておらず申し訳ないです。なお、比較しやすくするため、10日の画像は反転させてあります。
前回の記事で最初に配布された土にも元肥が加えられていた、というコメントを頂きましたが、すでに移動してしまっていました。実は以下のように、肥料と温度の条件を変えて栽培してみようと考えていたのです。
①元肥有り・追肥有り・温度調整有り(これが基本になります)
②元肥有り・追肥無し・温度調整有り
③元肥無し・追肥有り・温度調整有り
④元肥無し・追肥無し・温度調整有り
⑤元肥有り・追肥有り・温度調整無し
⑥元肥有り・追肥有り・室内管理
しかしながら、私の報告が遅かったせいで肥料の方は追肥で調整するしかなくなってしまいました。これからはなにか気がついたことがあればすぐ、そしてアクションを起こす前に報告するようにします。
そこで条件を追肥と温度のみ変更することにして、以下のように調整しました。追肥を与え、生育適温(15℃~20℃)になるよう調整していく方法を基本に考えました。室内で、というのは冷え込む夜間や特に寒さが厳しい日は室内に入れて温度管理すること、室外で、というのは夜間等も外に置き段ボールや梱包材を用いて温度を調整することをさします。
①追肥有り・室内での温度調整有り
②追肥有り・室外での温度調整有り
③追肥無し・室内での温度調整有り
④追肥無し・室外での温度調整有り
⑤追肥有り・室内でのみ管理
⑥追肥有り・温度調節なし
温室作製は2016年度の田阪さん、鈴木さん、2017年度の直江さんの記事を参考にしつつ、自分なりの方法を模索していきたいと思います。3人とも11月中旬から12月の頭にかけて、気温が一桁台になってからでしたので、その頃になったら気温を気にしつつ、早め早めに温室を作製しようと思います。2016年度の工藤さんのように道具もなければ、2017年度の岡田さんのように凝った作りもできないと思うのですが、工藤さんの調べたことや岡田さんのマネできそうなアイディアなどは是非活用させて頂きたいと思います。なんだかいいとこ取りばかりしてしまって申し訳ない気持ちにもなりますが、それこそがこの講義の醍醐味でもあるのかなと感じました。むしろ過去の先輩の真似のみはだめですし、そこに自分らしさを加えていかなければならないという点においては、今後の学生の方が難しいのかもしれません。ですが、逆境こそ燃えるというもの。めげずに野菜たちと一緒に生長していこうと思います。
また、過去の先輩がリンクをはってくれていたり、日付・温度を記入してくれていることで大いに助かっています。私も来年以降の学生がすぐに見つけられるよう、タイトルに育てている作物名を入れたり、日付・温度を記入したりなど、細かい気遣いができるようになりたいと思います。まずは日付・温度の記入は今後していきます。
話はだいぶ戻りまして、春くん(キャベツ)の移動です。前回の記事で紹介したアドバイスのもと、10月12日午後13時(気温25度・湿度39%)に実践してみました。
大きさは12日9時の時点で約2cmで、例によってこちらのサイトで葉の色を調べたところ柳染(やなぎぞめ)が1番近い色でした。そしてさりげなく土寄せもしています。どの辺から徒長というのか分からないのですが、とりあえずぎりぎりまで土を寄せようと思って行いました。しかしながら、土を足したわけではない(周りの土を寄せただけ)ので、現在(10月28日)は全体的に少し土が少なくなっているように感じます。近々、2016年度の開田さんの記事や内野さんの記事を参考に土を増やしたいと思います。
そしていよいよ植え替えです。まずは使用する物の紹介をします。今回も全て100均で購入しました。 ①花と野菜の土(培養土)、②5号鉢用鉢受け皿(プラスチック製)、③5号鉢(プラスチック製)、④ガーデニング鉢底ネット、⑤支柱です。②と③はそれぞれ4つずつ購入しました。また、前回のように底に防虫ネットを切ったものを敷いても良かったのですが、今回は数が多いので別にネットを購入しました。
前回と同様に底にガーデニング鉢底ネットを敷き、その上に鉢底石(前回の余り)を高さ3cm程度になるまで敷き詰めました。そこに培養土(前回の残りをはじめに使用)を縁から1cm下ぐらいになるまで入れ、十分に水を含ませます。その後、1度半分ほど鉢受け皿に移します。 そして、いよいよスプーンを使って抜きあげる作業に入ります。 あまり生長していないとはいえ、どこまで根が伸びているか分からないので、なるべく外側から慎重にスプーンを入れました。反対側からもスプーンを差し込み抜きあげます。
そして、用意していた新しい鉢に移し、深さを調節しながら鉢受け皿に寄せておいた新しい土をかけていきます。
この作業を4鉢分繰り返し、最初の2鉢に残った芽もより中心に移動させました。そして1鉢は室内の机の上へ移動し、残りの5鉢には前回の残りの防虫ネットと⑤の支柱を用いて囲いを作りました。防虫ネットとなっていましたが、4階の上に下がコンクリートなので、どちらかというと鳥害対策です。支柱は4つの鉢に刺し、その上にネットを被せました。また、ペットボトル等で飛ばないよう端をおさえました。 このとき、1本だめにする覚悟で、土を全て払い水で洗って観察しました。
定規を当てておらずわかりにくいのですが、茎の方は3cm程度、根の方は2cm程度でした。根の下部はより白に近く、中部・上部では赤みがかっています。色を調べてみると、下部の方は薄黄蘗(うすきはだ)が最も近く、中部・上部は嵯峨鼠(さがねず)が最も近い色でした。葉の色は若葉色が最も近い色でした。
また、驚きだったのが落としてしまったと思っていた種が土の中からある程度生長した状態で出てきたことです。植え替え完了後の写真で申し訳ないのですが(左下が出てきた苗)、右上の芽とは明らかに大きさが違います。そして色も若干黄色がかっています。ここからうまく生長できるかわかりませんが、せっかくなので一緒に育ててみようと思います
2.春くん(キャベツ)の生長記録
10月11日に鳥害対策として、よく田んぼなどでみかけるCDの反射を利用したものを作りました。 100均で購入したCDに紐を通し、ベランダの物干し竿に結びつけました。あっちこっちに行き来しないよう、洗濯ばさみでとめて終了です。
10月17日(気温15.8℃、湿度72%)には本葉がでてきました。双葉の根元にあるちょこんとしたのが本葉です。室外に出している鉢の苗の大きさ(茎の長さ)は2cm~3cm程度になりました(写真上)。室内で育てている鉢の苗(茎の長さ)は4cm程度まで伸びており、やはり徒長気味かなと感じます(写真下)。色や本葉には大した差はありませんでした。本当は全部で6鉢あるのですが全て載せると長くなるので、室外で育てている中で最もよく育っている(または葉など変化が見やすい)ものと室内で育てているものの2枚を載せます。ただし、他に特徴があった鉢や今後追肥や温度などの条件を変えて違いがでたときはその鉢全てをあげようと思います。
10月18日(気温16.5℃、湿度54%)には、前回の記事でアドバイスを頂いたように鉢の底から水がでるほど水をかけてみました。1つの鉢に約250ml前後かけて、ようやく底からポタポタと垂れてくるくらいでした。思っているよりもたっぷりかけないと、底から出るほどの量にならないのですね。驚きました。
また、日も短くなり、日照条件が心配だったので、ベランダの最も日の当たる場所に置くことにしました。私の部屋の窓は西向きなので、朝(8時過ぎ)から日没(17時前)まで、写真の向かって右側から左側にかけて徐々に日が当たるようになります。
10月20日(気温18.4℃、湿度63%)には15日と長さは大して変わらないものの本葉が大分大きくなりました。本葉の長さは1.5cm程度、双葉の長さは1枚2cm程度です。
また、この日に前回の記事でアドバイス頂いたように、プラスチックの鉢にアルミホイルを巻きました。 さらに今までは土に支柱を刺して防虫ネットをかけていたのですが、それではすぐに倒れてきてしまい、土もかなりえぐられてしまったので、テープを使って端と真ん中の鉢に支柱を貼り付けることにしました。
そして本日10月28日(気温20℃、60%)、面白い変化に気がつきました。
室外に置いておいた鉢は本葉の2枚目(全体では4枚目)が出てきて、茎の長さは2.5cm~3cm、本葉(全体で3枚目)の長さは1.5cm~3cm弱、本葉の2枚目は5mm強~1.5cmでした。茎の長さはばらつきがなくなってきたのに対し、本葉の生長具合に差が出てきました。
実は向かって左のほうが生長速度が遅く、右の方が生長速度が早いのです。これらの違いは若干の日照条件の違いのみです。向かって右側の鉢の方が、日が当たるのが若干早く、数十分遅れて左側の方にも日が当たります。わずか数十分の差なのに、ここまでくっきりと違いが出るのがとても面白かったです。これからは順番を入れ替えながら、平等に日が当たるようにしていこうと思います。
そして室内で育てている鉢と室外で育てている鉢も比べてみました。左が室内、右が室外です。
明らかに大きさが違いますし、何より室内の方はまだ本葉の2枚目が出ていません。ちなみに室内で育てている苗の長さは、茎が3.5cm、本葉(全体で3枚目)の長さは5mm程度でした。
さらに茎の太さを比べてみても室内の方は0.5mm程度なのに対し(左)、室外の方は1mmで、色も室内の方が薄く透明度が高いように感じます。17日にたっぷり水を与えた後は表面を触って若干乾いてるなと感じたときに水を与えるようにしているのですが、室外と比べて室内の方は明らかに水を与える回数が少ないです。
●今日の画像●
今回の記事の最初に使った画像は、温泉卵で作った目玉おやじです。有名な妖怪アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』でお馴染みのキャラクターですね。目玉の部分は温泉卵にケチャップとのりで、体の部分はコンビニのサラダチキン(棒状)をカットして作りました。温泉卵は半熟にするのが大変ですね。わずかな時間の差で固くなってしまったり、逆にまだ固まってなかったり...。次回は毎週日曜日のお茶の間を彩るあの家族を、少し趣向を変えて作ります。お楽しみに!
★次回予告★
・大ちゃん(かいわれ大根)の生長記録と葉の観察
・大ちゃん(かいわれ大根)の収穫・調理・実食
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
コメント
坂谷さんこんにちは
最初の画像は、先回書かれていた通り妖怪ですね。なんともいえませんが似ているのは確かに似ています。ツボを押さえたセンスの良さが光ります。不思議なチョイスですが、スキル高いですね。
報告は無理しない範囲で、月曜投稿なら月曜投稿でいいと思います。
さて、いつも通り見出し付きで読み易い投稿ですね。
内容に触れる前に、先ず私も100均に行ってきて皆さん買われている土を確認しました。確かに3l入って100円でした。その土はピートモス主体の軽い土ですね。このタイプの土は、いったん乾かしてしまうと極端に給水が悪くなりますので注意が要ります。それと、肥料分の吸着が悪いので、まだ必要ないのですが追肥の際は少量を頻回与える方がいいでしょう。
内容は非常に濃いですね。
実験的な条件設定は面白いもので、これからの展開ゼミにおいて大いに参考になる内容です。実現できれば是非私も結果を知りたく思います。
本当の科学実験であれば、変化させると決めた条件以外のことはしっかりと同一条件にするものです。そして使う個体数を多くとって(サンプル数を確保する)、統計処理をして差の有る無しを確定します。科学実験の中でも、バラツキがどうしても出る生物実験では必須です。しかし、展開ゼミではそれを要求しませんので、楽しい結果が見られれば充分です。
追肥の有る無しは実験もしやすくて面白いですね。意外な結果になるかもしれません。温度の実験は、非常に実施が難しいと思います。本当に無理のない範囲でお願いします。
昨年は温室を作る人が続出するという面白い年でした。それはもちろん必須要求事項ではありませんので、やれればやってみて下さい。過去記事にはいろんなタイプの温室、各自の工夫の仕方や材料、そしてトラブルの(風で吹き飛んだ)ことなど情報が多量に含まれているのが分かると思います。
そしてまた、植物にとっては夜間の保温が決して良いことではないと分かっていること、また植物は自分から熱を発しているのではありませんから、保温自体が困難なことも知っておいたらいいですね。
具体的内容に入ります。先ず、土を加えることはありません。ひどい徒長には見えないのですが、今後必要なら(寄せた土が崩れるとか)増し土をして下さい。
新しい鉢の用意、ネットや鉢底石の用意も本格的です。移植の様子、よく画像で見えないのですが根を切らずにできたでしょうか。スプーンを使って土ごとというのは良いことなのですが、植物は案外と根を長く張っているものです。切らないで持ち上げるのは難しいことです。まあキャベツはダイコンなどよりは移植耐性があるので大丈夫だとは思いますが。
鉢土の用意もいいですね。ただし、しばらくは水管理に慎重さが要ります。なぜかというと前の土と新しい土の水吸収力に差があり過ぎると、そこで土同士の水の奪い合いがあり、根はその段差を乗り越える勢いがつくまで伸びないことがあるからです。乾かないようにしましょう。
防虫ネットがなるほど鳥も考慮したものなのですね。なぜなのか考えていたのですが、そんな理由があったとは。端を押さえているようですが、ベランダは風が強いものなので気をつけなくてはいけません。鉢に棒を固定して使ったというのは非常にポイント高いです。私も思いつきませんでした。
一株の写真について、根が逆に2cmしかなかったのでしょうか。
意図せず播かれた種子(こぼれダネですね)、面白いですね。少し置いてみて下さい。案外ほっといた物のほうが後で追いこす場合もあるのです。
鳥害対策のCD、買ってきて吊るしているんですか。なんか外から見た人が驚きます。本格的な園芸家(もちろん爺が多い)が住んでいるように思われますね。
あとは様子の細かい写真ですね。こうして鉢が並んでいるのは、見てるだけで癒されるものです。水について一回当たりの量を計測しているのは大変褒められます。それくらいの量は必要でしょうね。土の空隙率が50%、そのうち必要な有効水分量を25%として、鉢土0.8lとすればそれくらいの計算になります。
日当たりは必要充分そうでなによりです。アルミホイルについて、やはり100均の鉢なので光が透過するものだったのでしょうか。茶色なので大丈夫かな、とは思ったのですが。その場合鉢にアルミを巻いた方がいいのですが、気温はともかく土の温度は面白いことになるかもしれません。日中光を反射して温度が上がりにくいが、夜間は逆に下がりにくくなるでしょう。まあ、鉢が素焼きかプラスチックかだけでだいぶ違いますから、なんとも言えません。
全体の生育はとても良いものです。葉の大きさの違いに着目し、成長の目安にしているのはいいですね。なぜならキャベツはある程度茎が伸びたら以後はあまり変わらず、葉の数と大きさで成長するものだからです。市販のキャベツの断面を見たらよく分かると思います。
この時点での各鉢の違いについて、まだ不明です。数十分の日照の違いとも言い切れず、別の要素があるかもしれません。ただ室内栽培と違うのは正にそうでしょうね。夜間の温度もですが、やはり日照が違うと成長、特に観察された通り葉の薄さと色が違います。そんな形態観察も鋭いですね。
この報告を見ている他の受講生も室内栽培がかなり厳しい条件だと知ってもらえれば幸いです。
では引き続き、管理して下さい。
ラボスタッフ オガタ