最終報告~観察は学びを深める~(農:川口菜月)
2021年1月17日 (日)
後期のセメスターが始まり、迷いながら片平キャンパスに行った日から3ヶ月以上も過ぎということに時間が経つのは早いなと驚くばかりです。3ヶ月間で私も少しは成長できたでしょうか?道に迷うことはずいぶん少なくなったように思いますが、仙台にはまだまだわからないところだらけです。
(1) 植物、作物の栽培を行って、最初に想像していたよりも、たいへんだったこと、逆に、以外とうまくいったこと。
想像していたよりも大変だったことは、水やりの頻度やタイミングを見極めることでした。最初は土が乾いてからというざっくりした目安を決めていたのですが、曇りの日が続くと土がなかなか乾かずまだ水を与えないで大丈夫だろうかと不安になったり、反対に昨日まで湿っていて大丈夫だと思っていたのに1日晴れると急に土が乾き、カブやベビーリーフがしおれかけてしまったりということもありました。
また、カブの根をしっかり張らせるためには土を常に湿らせていてはいけないというアドバイスをいただき、気を遣ったりもしました。カブについては最後厳しい寒さで土が凍ってしまい、給水ができなくなってしまったことについても水やりで工夫できたのではないかと思います。また、かいわれ大根も水の量やタイミングが成長に関わるということが自分の失敗や佐々木さんの実験からわかりました。かいわれ大根は2~3日に1回10㎖で失敗しないと学びました。
逆に意外とうまくいったことは日当たりが悪く、寒さの厳しい環境で植物を成長させることができたということです。
最初、わたしは、カブの発芽適温や生育適温をしっかり守らないと成長しないと思っており、様々な対策を考えました。ですがそれは必要のないことがアドバイスやシャーレとプランターでの発芽の比較からわかりました。(シャーレでの発芽は発芽適温に近い環境で行い、確かにプランターでの発芽よりも早かったのですが最終的にはプランターで発芽したものの方が成長の度合いが良かったです。)
寒さは気温がマイナスで雪が降るようなときは、注意が必要ですがそうでないときは特に成長を阻害することはなかったことが思ったよりもうまくいった点だと感じます。
(2) 植物の観察眼を養うことを目的とする中で、それ以外の科目などへどのような波及効果があったのか。
自然科学総合実験と生命科学Bに波及効果があったと考えています。具体的には、植物を観察し些細な変化に気を配り、うまくいかないことがあれば原因を考え、気づいたことや考えたことを文章化するというこの授業の主な工程が自然科学総合実験における実験レポートの結果や考察の項目を書く際にとても役立ちました。工程そのものがまず似ていますが、この授業では植物の観察から自分で考察の種を見つけなければならないため、特に実験レポートの考察を書く部分の練習にもなったと感じています。また、生命科学Bでは植物分野の授業を、より興味を持って受けることができ、また授業が理解しやすかったと感じました。前期の生命科学Aにおいても植物分野の授業はあったのですが、実際に自分で植物を育て、その成長を観察したことによって自分の中で植物の発芽や成長のメカニズムについてよりイメージしやすくなったからだと考えられます。
(3) 毎日の観察の中で、どの様なことが身についたのか、何を感じたのか。
身についたことは計測する習慣だと思います。最初の方の自分の記事を見てみると気温も時間も日数も植物の具体的な成長の尺度なども全く書かれていません。しかし、この授業を受ける中でアドバイスや他の受講生の方の記事に刺激を受け、物事を計測する習慣がつきました。最初は面倒だと思っていましたが計測を続けてみると、植物の変化に気づきやすくなったり、植物の成長を振り返りやすくなったと感じられるようになり、計測の重要性を実感しました。計測(データを取ること)は理系の学生としても大切なことだと思うので、これからの学生生活においてもこの習慣は大切にしていきたいです。
生活面でも朝起きてカーテン・窓を開ける、ベランダに出て外の空気を吸うという習慣ができました。1日のスタートがすっきりした気持ちで始めることができるようになりました。当たり前のことかもしれないですが、一人暮らしを始めてから生活面でだらけがちな私にとっては健康的な良い習慣ができたなと感じています。
また、毎日の観察を通して感じたのは、やりがいと植物を栽培することの大変さです。毎日少しずつ成長していく植物をよく観察しながら、どのような世話が必要なのか考え、実行することはとても大変でした。ですが約1週間分の観察を記事にすると、植物の成長がより感じられとてもやりがいがあると感じていました。
(4) このゼミ形式で文章を書いたり、それをいかにプレゼンするかと言うことについて学んだりしたことを踏まえて、文章を書くという点で、ゼミ開始前とあとでどのような変化があったか。
文章を書くということについての抵抗が減ったように感じます。また、毎週1,000字を超えることを意識して記事を書くことによって自分なりに1,000字書くということに対する感覚がつかめたというふうに感じています。具体的には1,000字のレポートを書くとき、以前は1,000字に到達しないで自分の言いたいことが書き終わってしまいどの部分についてより詳しく書くかを考え直すことが多かったのですが、このゼミを受けて、はじめてレポートが1,000字を超えてどこを削るかを考え直すことがありました。1,000字で自分の考えを書くということに自分の考えたことが1,000字を超えたことに、文字数と考えのだいたいの感覚がつかめたことや書くことに対しての抵抗が減ったことを実感しました。
また、プレゼンするという点については、ただ写真を記事に載せるだけでは自分の言いたいことは伝わらないため、文章と写真をうまく組み合わせることが大切であると学びました。具体的には、記事に書いていることと写真の関連性の明解さや、写真をどの位置に挿入するかといったことが重要であるとわかりました。文章を書くときに、使いたい写真を決めておくと文章と写真の関連性がわかりやすい記事が書けて良いと感じました。これらのことをふまえて、ゼミ開始直後はとにかく撮った写真を載せるだけであったのが、今では撮った写真から自分の伝えたい情報に当てはまるものを選んだり、写真について何を示す写真なのかという説明を、伝えたいことを意識しながらより詳しく文章を書いたりするようになりました。
(5) 植物を栽培や観察をする中で、客観的に物事を捉えて、自然科学的なものの見方を学ぶという点について、自分自身が習得できたと思う点、他の受講生と比較して、さらに、研鑽を積むことが大事と思う点。
私が習得できたと感じるのは、観察の中で変化に気づき、その変化に注目した観察を続けることができるという点です。この点によって具体的には葉に発生した虫を発見し、早い内に取り除くことができました。虫に気づくことができたのは、葉に起こった変化(葉が薄くなっている部分があった)ことに気づき、観察を続けたからです。また、葉に起こった変化の原因が虫だとわかり、虫を取り除いた後も穴の数や大きさの観察を続けることで、虫が成長する前に全てに取り除くことができました。ただ、実際に自分が着目して観察したことについて文章化して十分に記事に書くことができなかったことが課題だと感じています。
他の受講生の方と比較して、さらに研鑽を積むことが大切だと思うのは、計測値などのデータとしての利用や条件を変えて実験的な観察を行うことです。実際にカブの葉の大きさや草丈を計測し、その変化を観察しましたが、より自然科学的なものの見方をするためには、ただ数値を見比べるだけでは不十分であると思います。木村さんのように測定した値からグラフを作ったり、前と比べて何倍の大きさになったのか計算したりすることでより科学的な観察にする必要があると感じます。また、佐々木さんのようにビニールハウスを使って温度という条件を変えることで得られた変化を観察するというより実験的な観察も自然科学的な視点を取り入れての植物の観察には必要であると感じています。
(6) ラボスタッフのオガタくん、増子さん、渡辺のコメントにどの程度、followできたのか、また意味があったのか。
いただいたコメントには、ほとんどfollwできたと感じています。記事で報告したことをもとに、栽培面で気をつけるべきことなどについてのアドバイスや、やめた方が良いと思われる注意点などについてコメントがいただけるため、その時々で栽培や観察にとても役立つ情報を得られる良い仕組みであったと感じます。また、記事にコメントが返ってくることでやりがいも感じられ、情報が得られる・やりがいを感じるという2つの点で意味のあるものだったのではないかと考えています。しかしながら、一部follwできなかったコメントもありました。それは、過去の受講生の記事を参考にして欲しいというアドバイスです。実際に過去の受講生の記事を沢山見たのですが自分が知りたい情報やコメントが得られる記事を探すことはとても難しく時間がかかってしまい、結局途中で諦めてしまいました。このときいただいたアドバイスにfollwすることはできませんでしたが、過去の受講生の方の記事を沢山見ることができ、探している情報以外の発見も多くありました。そういった意味でもやはりコメントをいただけるとうことには意味があったと感じています。
(7) 中間発表で目指した点がどれだけ達成できたのか、positive, negativeな側面や、達成できなかった理由についての考察。
中間発表では、私は以下の3つの達成を目標に定めました。
① 科学的視点からの観察をより意識して記事を書く
② カブを最終報告までに収穫する
③ 気になったことについて調べるための実験的な栽培を少なくとも一回は行う
まず、①についてですが、①は達成できませんでした。葉や草丈についての計測は続けていましたが、カブの成長が寒さで遅くなったことや、ある程度成長が終わってしまい計測値がほとんど変わらなかったからです。また、計測の方法にも科学的視点からの観察と言うには不十分だったと感じる点があります。例えば、草丈はカブがしおれたりすると低くなったりしてしまうため、成長の尺度を測るためには適切でなかったのではないかと考えられます。葉の測定についても木村さんのように葉に番号をつけて何枚も計測するなどの工夫があれば、成長の尺度をより正確に計ることができ、目標の達成に近づけたのではないかと思います。
続いて②についてはハプニングの中ではありますが達成することができました。帰省することでカブが枯れてしまうことを心配していたのですが、カブの吸水について十分な対策を行うことができたことが達成につながったと感じます。
最後に③については半分達成、半分未達成であると言えます。かいわれ大根の栽培条件と種の種類に興味を持ち、ベビーリーフを遮光された条件で栽培するとかいわれ大根と同じように育つのか、またかいわれ大根との間に何か違いが見られるのかという実験を行いました。結果はかいわれ大根と同じ現象が起こるが、種の小さいものはかいわれ大根よりやや短く、また紫色の葉を出すものは遮光された条件でも紫色になるということがわかりました。
ここまでが達成した点です。しかし、行った実験を記事として報告することができませんでした。この点が未達成である点です。記事にすることができなかったのは忙しさと甘えが原因です。期末に向けて何かと忙しい冬休み...さらに久々の実家...そんな中で行った実験を記事にすることができず最終発表を迎えてしました。もう少し早めの余裕がある時期に実験を行うべきだったと思います。
(8) この展開ゼミで学んだことを、大学での活動を含めた日々の生活に対して、どの様に活かすことができるか。また、収穫していない作物を今後、どの様に管理したいか。
このゼミでは、自然科学的な視点での観察を実践し、その方法や重要性について学ぶことができました。このことは今後の学生生活において自身の学習を深めることができるという点でとても役に立つと感じています。実験や研究の場で自然科学的な視点を持つことは、理系の学生としてもとても重要なことでありますが、ものごとを観察することで生じた疑問について自身で考えたり、調べたりすることは全てのことについての学びを深めるからです。これからの学生生活においてよりたくさんのことについてこのゼミで学んだことを生かして学びを深めていきたいと思います。
私は、全ての作物の収穫を終えてしましましたが、いただいたプランターや種はまだあるので、特に今回ハプニングの中での収穫となってしまったカブの栽培に再チャレンジできればなと考えています。
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コメント
農学部・川口さん
育種の渡辺です。川内北キャンパスから比べると、建て増しで拡張している片平キャンパス、わかりにくいですね。仙台の町ももちろん複雑ですが、植物の反応を理解することも難しかったようですね。動物であれば、基本、自分で水を求めます。でも、植物はイネのようなものを除いて、水やりが基本です。それによって、植物の表情が変わってくる。そんな植物の栽培をしていたことで、生命科学Bの講義への興味が上昇したのは、何よりかと思います。いわゆる、習うより慣れよと言うことだと思います。 この最終報告を前にして、自分の最初からの振り返りを皆さんしていると思いますが、それも大事なことです。試験があれば、ノートをひっくり返して、最初からどんな講義で、何をメモしたかなどを見ながら振り返るわけです。それと同じように、自分の最初の頃の取り組みと、今の何が違うのか、それを考えることで、これができるようになったとか、様々な気づきがあるのだと思います。また、先に投稿している小松澤さん、佐々木さんも書かれているように、長い文章を書くことに抵抗がなくなった。その通りかと。また、reader-friendlyに写真などを置く位置を考えるようになったのもよいこと。あとは、書いたあとに、改めて読み直すこと、何を書くのかイメージして、できるだけ短い時間で書き上げる習慣をつけることにトライしてみてはどうでしょうか。
農学部の学生さんと言うことから、もう少し数値的なこと、何かを作るというようなことへのチャレンジはほしかったですね。実際にはやられていて、uploadが間に合わなかったのかも知れないですが。最終報告が終わったあとでももちろん、welcomeです。せっかくやったことを記事にするのは大事なことですから。トライと言えば、今年は雪も多く、寒かったので簡易のハウスを作る方が増えると思っていましたが、意外に少なかったのは受講生の人数が少し少なかったことが影響したのかもしれないです。過去記事を参考にするとき、全てを見るのはもちろん、大変なこと。ただ、このHPの検索するところがあります。そこに、自分で考えてみたkey wordを入れて、検索する。もちろん、入れるkey wordによって出てくる結果が違うわけです。入力するkey wordの工夫が求められると言うことです。そんなことも、是非、考えて見て下さい。 どこに着眼して、観察するかで見方も変わってきます。また、秋に栽培したものと、春の栽培でも違ってきます。種子があるということなので、春先に栽培すると、秋とは違ってあっという間に大きくなります。その違いにトライして、また、投稿して下さい。お待ちしております。
わたなべ 拝