東北大学・飛翔型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

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平成26年度 活動ブログ

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2015.07.21

「ISEFに参加して感じたこと~ 先輩としてこれから挑戦する後輩に向けて~(奈良女附・上田)」

 僕は、ISEFに参加して、世界の場で各国の代表者と発表しあうという、日本でただ暮していては想像もつかなかったような体験をさせていただきました。そしてそれは、これから僕がどうしていくかを変えてしまうほどの、大きな経験になりました。

DSCN8098.JPG 皆さんは、研究発表というと、どんなイメージを持つでしょうか。ピリピリした会場で、用意してきた原稿を間違えずに読むことでしょうか。そのようなイメージは、発表するよりも前に崩れます。まず最初に、彼らはポスターセッション前日にパーティーをします。それも理系らしいお堅い食事会ではなく、DJを呼んだダンスパーティーです。審査前に他の発表者と仲良くなろうとすることは、日本人からすると驚きですが、ISEFでの発表を「競技」として捉え、他のファイナリストたちと大会を「楽しもう」とする考え方は素晴らしいと思いました。またISEFでの発表自体も、発表者が原稿を読むことがメインである日本の発表とは全く異なるものでした。短い発表の時間を同じ文章を読むことに使わず、審査員からの質問と議論の時間に充てられます。また質疑の内容も、日本の学生発表ではこないような、専門的な方式の話であったり、プログラムのコードであったり、具体的な利用価値であったりと、学生ではなく一研究者として扱っていただけました。実際に、僕の研究は白黒写真をカラー化するというものですが、是非使いたいと喜んでくださる審査員もたくさんいらっしゃいました。このように、海外での発表とは、日本のものとは全く違う、そして奥深いものでした。

 僕はISEFの発表で、後悔していることがあります。出場した後でわかったことですが、僕は準備も経験も不足していました。ISEFでの発表とは、発表者主体の日本の発表とは異なり、審査員と議論することに時間が使える素晴らしいものです。しかしそれは、発表原稿が短くなるという話ではなく、いかに審査員が深めやすく話すか、いかに審査員の要求する内容が話せるかが重視される、とも言えます。だから僕はそのような大会を事前に知るべきだった、そのような審査を経験しておくべきだったと後悔しました。

2015_5_13 (14).JPG 皆さんの中にはこれから、ISEFや他の国際大会に出る方も多いと思います。是非恐れず参加してください。自分の大好きな研究を深く議論できる楽しさや、海外での発表の言語以上の難しさを、皆さんにも体感して欲しいです。


奈良女子大学附属中等教育学校    上田 樹

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