東北大学・飛翔型「科学者の卵養成講座」(グローバルサイエンスキャンパス協定事業)

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平成26年度 活動ブログ

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2015.07.21

「ISEFに参加して感じたこと~ 先輩としてこれから挑戦する後輩に向けて~(仙台二・遠藤)」

 初めまして。仙台第二高等学校3年の遠藤意拡です。昨年度の科学者の卵養成講座に、学校推薦枠で参加させていただきました。

DSCN8097.JPG 突然ですが、皆さんは7月18日のミニ講座「ISEF報告と世界へのチャレンジ」には参加しましたか。参加できなかった人のためにいうと、ISEFは、「International Science and Engineering Fair」の略称で日本語では「国際学生科学技術フェア」といわれます。世界75の国と地域から集まる高校生の代表が自分の研究を競い合う世界最大の科学の大会で「科学のオリンピック」ともいわれます。具体的に、日本の代表になるためには「高校生科学技術チャレンジ」または「日本学生科学賞」で上位入賞して代表に選ばれる必要があります。詳しいことは、「ISEF」で検索していただければ分かると思います。ぜひともチャレンジしてみて下さい。ISEF本番では、パーティーやピンバッジ交換会などの国際交流の時間もありますよ。

 ここからは、ISEFに参加しての感想とアドバイスを記していきます。私がISEFの代表に決まったのは、昨年12月。高校生科学技術チャレンジで科学技術政策担当大臣賞を受賞して代表になることが決定しました。その際に同時に、科学者の卵養成講座受講者の上田樹君が文部科学大臣賞を受賞して同じくISEFの代表になりました。それから、五月のISEF本番まで共に切磋琢磨していくことになります。

 代表決定から本番までは、やることがたくさんあります。アブストラクトと呼ばれる研究の要旨、リサーチプランと呼ばれる研究の動機から内容に至るまでを詳細に書いたもの、ポスター作成、代表合宿など様々です。発表はもちろん英語です。卵の英語交流サロンには出来るだけ参加するようにしましょう。私も初回の英語交流サロンでは留学生の人とほとんど話すことが出来なくて悔しい思いをしたのを覚えています。次回こそは、留学生に自分の研究や興味のあることを伝えようと準備しました。サロンでの短い時間でも自分の研究を的確に伝える経験はISEF本番でも生かされたと思います。

 結果的に、私はISEFでは日本勢で最高のグランドアワード3等を受賞しました。私の周りの人たちは、これだけを聞くと「頑張ったね。」「すごいね。」といってくれます。私自身としても、とても感激しましたし、誇りに思います。ですが、科学者の卵養成講座受講者の皆さんには受賞までの四苦八苦を知っていただきたいと思います。まず、私はISEF日本代表の中でおそらく一番"手のかかる"代表だったと思います。代表合宿のときも、発表の研究構成が一人だけ決まらず、人一倍時間がかかりました。夜中でも宿泊したホテルで、指導してくれたISEFのOBの方と研究の構成を練り続けました。周りの人からも大丈夫かと心配されるほど進行が遅かったからです。

2015_5_13 (23).JPG ISEFでは、審査員がローテーションでやってくるので短時間で自分の研究を分かりやすく伝える必要があります(細かい内容の審査は前日に発表者なしで行われるのだが)。したがって、発表時間中に研究過程を順に一から話す時間はありません。そのため、審査員に伝える用の発表構成が必要になります。その構成が私ひとりだけいつまでたっても決まらなかったのです。周りの人たちからは研究の一部の省略した発表を提案されるのですが、私はそれでは自分の研究ではなくなってしまうと考えて元々の研究のストーリーを崩さずに圧縮した形にこだわり続けました。ストーリーを崩してしまうと、話に不自然さが生じてしまう上に、専門家である審査員の質問に耐え切れないと考えたからです。そのことが、ISEFでの入賞に繋がったと大会を終えて感じています。皆さんも研究を始めたからには、必ず動機があったはずです(災害、エネルギー問題‥)。その動機を研究発表の場であっても忘れてはいけません。研究の基礎段階、理論、知識においてはアドバイスを素直に聞く心は大切です。科学者にとって必須の素質です。しかし、研究の内容を人に伝える上では、その研究は自分のものなので、ある程度自分の意志を通す覚悟が必要になると思います。科学者の卵受講生の皆さんは、困った時はメンターさんに思ったことをそのまま伝えてみると助けになると思います。研究内容だけではなく、研究を通して思ったことを打ち明けられる存在がいるのは皆さんの特権です。私もメンターの日置さんには大変お世話になりました。

 最後に、皆さんの研究はたくさんの人の支えがあって成り立っています。東北大学の講師の方々、事務野の方々、メンターの方々、学校の顧問の先生、部活の先輩方、他にもたくさんの人の協力があって初めて出来ることですので、その感謝の気持ちを忘れないで下さい。
 
 皆さんの活躍の声を楽しみにしています。

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仙台第二高等学校 遠藤意拡




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